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控え目な口調で

控え目な口調でMさんがいいます。「この町の夜景は、世界一に認定されているんですよ」。その言葉の背後にある故郷への深い愛情を感じます。

「山山に囲まれたすり鉢状の地形に住宅がへばり付くように建ち、その無数の明かりが立体的な景色を作り出しているのが、この町の夜景の特長です。

この景観もまた、時の流れとともに変化しています。昭和の時代、この町では空き地に新たな家が建ち、夜景の明かりが山肌を登るように増えていきました。

でも令和の今、高齢化で平地へ移り住む人が増え、山肌ではまた空き地が増えているんです」。空き家が視覚化された(今は)世界一の夜景を眺めています。

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皮膜
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