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初めて

初めて坂本龍馬が西郷隆盛と面会した後、「西郷隆盛とはどのような人物であったか」と、勝海舟が龍馬に尋ねました。

西郷というやつは、わからぬやつでした。釣り鐘に例えると、小さく叩けば小さく響き、大きく叩けば大きく響く。もし、バカなら大きなバカで、利口なら大きな利口だろうと思います。ただ、その鐘をつく撞木が小さかったのが残念でした。

釣り鐘をたたく木に自身を例える龍馬の度量を思います。得てして私たちは、たたく側の木の良し悪しを棚に上げて、たたかれる側の鐘の響きを評します。

「話が要領を得ない」「発言が消極的」「表情に明るさがない」、うんぬん。けれど、どんなによい鐘でも、たたき方がまずければ、一向に美しく響きません。

俗に「太鼓もバチの当たりよう」といいます。就活中の学生を相手に面接などしながら、だから自己嫌悪に陥っています。「自分は、なんぼのもんじゃい」と。


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皮膜
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