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山のふもと(1)

山のふもとを飾り縫いして建つ宿は、増改築を重ねて、棟と棟が微妙な高低差でつながれています。新館さえ十分に古く、新旧の区別自体がおかしく見えます。

「今日は月に1度のコンサートと上映会の日」という貼り紙に誘われて、会場の講堂に入った私たちに、ハッピ姿の男が甘酒を振る舞ってくれました。

その男がハッピ姿のままステージに上がれば、コンサートの始まりでした。ボーカルは、若ダンナ然とした若者。ウクレレ担当が先程のハッピ男。

ネクタイをきちんと締めた事務職風の男は、気乗りしない顔で何かをたたいています。一見して、「若ダンナの道楽に付き合う従業員2人」感が漂います。


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皮膜
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