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韓国旅行 韓国チキン フライドチキン トンタク

親愛なる友だちへ、ひねもです。

韓国旅行記
とある日の食事
フライドチキンとトンタク


韓国のチキン事情


韓国では鶏をよく食べる。

以前に紹介した

”タッカンマリ”
”タッカンジョン”
”タッコムタン”

は本場でポピュラーな料理。

あとは”参鶏湯”などは日本でも韓流ブーム前から定着していたと思う。

他には“チムタク”や“タッパル”も日本にある韓国料理店でよく見かけるメニューだ。

最近では”チーズタッカルビ”や”韓国式フライドチキン”のブームが記憶に新しい。

ちなみに1人あたりの年間鶏肉消費量は
韓国15kg
日本11kg
との事で日本より多く食べられている。


タッカルビの起源

”タッカルビ”にチーズを組み合わせたのは日本。

本場では基本的にはチーズは入らない。

“チーズタッカルビ”が流行った要因はSNSで“映える”事だったと思う。

さらに調べてみたら元々は韓国で“チーズトゥンカルビ“と呼ばれる豚のバックリブにチーズを付けて食べる料理が都市部で流行。

日本でも販売されたがいまいちヒットせず。

ある程度の知名度があったタッカルビとチーズを組み合わせたところ大ブームになったという流れがあるらしい。

また”タッカルビ“が知られていた理由は意外なところにあった。

それは韓流ブームの全ての始まり”冬のソナタ“にある。

2002年公開
ペ・ヨンジュン主演
大ヒット、大ブームを巻き起こした。
全てはここから始まった。
私は未視聴です、、、。

このドラマのロケ地が”春川(チュンチョン)”で、そこの有名な郷土料理が”タッカルビ”だったのである。

渡韓して春川でロケ地巡りをしていると必然的に名物”タッカルビ”に出会う。美味しいと評判に。

(もちろんタッカルビ通りがある)

その情報は口コミ、ブログなどで広まる。

いつしか日本でもブームとなった。らしい。

まさかチーズタッカルビと冬のソナタが深い部分で繋がっているとは思わなかった。


春川(チュンチョン)という地域

で、タッカルビが有名な春川というエリアはソウル市内から1時間くらいの場所。

湖や山があってスキー場もある。人気観光地。

こうしたソウル近郊では養鶏が非常に盛んであるらしい。

なのでソウルでは品質の良い鶏が安く入手しやすい。

1970年代辺りに春川の”タッカルビ”はソウル市内でも大ブームになったとか。

学生や若い人がお腹いっぱい食べられるようにと野菜やサツマイモなどがたくさん入るようになった。

別名”学生カルビ”や”庶民カルビ”と呼ばれるほど安価に食べれたらしい。


鶏を丸ごと使う”トンタク(トンタッ)”

そうした背景があっていよいよ本題の1つ”トンタク”が登場する。

韓国語で

”タッ”は”鶏”

“トン”は”丸ごと”

を意味する。

なので”鶏丸ごと”という意味になる。

調理法は

“焼くor揚げる”

の2種類がある。

オーブンで焼いてもフライヤーで揚げてもどちらも”トンタク”と呼ばれる。

また揚げる場合は素揚げor衣付きなど様々なスタイルがある。

重要なのはカットせず”丸のまま”で調理している事だ。

この”トンタク”が1960-1980年代は定番だったらしい。

現代ではフライドチキンが主流なので一昔前の懐かしい料理にカテゴライズされているらしい。

80-90年代を舞台にした様々なドラマでもソウル市内に住む人々が気軽な食べ物としてトンタクを楽しんでいる場面がよく見られる。

(僕が大好きな”応答せよ1988”のワンシーン)

1羽分しか買ってこないとケチ扱いされる描写も多々あるのでかなり安価だったと推測できる。

丸々をむしって食べる事になるので、モモ肉や手羽など柔らかくジューシーな部分に人気は集中する。

なのでモモ肉を”今日はお前が食べなさい”と言われ喜ぶシーンや、意中の相手に取り分けるシーンなどもよく見られる。

家族や兄弟が多かったりするとモモ肉は頻繁に食べられる部位ではなかったようだ。

また店舗型だけでなく日本の石焼き芋みたいに移動販売も一般的。

トラックの荷台に巨大なオーブンを載せていて、街中で販売する。

(海街チャチャチャでのワンシーン。私は12話くらいまでしか見てないです、、、。)

フードトラックやキッチンカーという今風な言葉より”移動販売”という響きがよく似合うクラシカルな業態だ。


韓国式フライドチキン

このトンタク時代を経て“フライドチキン”の大ブームがやってくる。

1990年代にはキョチョンチキン、ネネチキン、BBQチキン、ホシギ2羽チキン、星一つチキンなどのフランチャイズチェーンが幾つも生まれ様々なレシピやメニューが誕生。

2000年代に入ると”骨なしチキン”も主流に。

そこからネギと一緒に食べる“パダッチキン”や“スノー”や“プリンクル”や“ハニーバター”など様々な味付けを各社が考案。

韓国のチキンへの愛と情熱は凄い。

なんでも韓国にはチキン店が約87000店もあるそうだ。

これがどれくらい凄いかというと、あのマクドナルドは世界に約37000店らしい。

日本だったら都市部なら各駅にあるイメージ、そして世界中様々な街にあるマックの総店舗数の2倍以上の店舗数が国内だけであるのだ。

、、、凄まじい。


チメクという文化

“チキン”と“ビール(メクチュ)”の頭文字を取って”チメク(치맥)“と言う。

“チキンを肴にビールを呑もう”という意味だ。

2002年のFIFAワールドカップをきっかけに全国に広まった。

日本で言うところの”焼き鳥で1杯”とか”刺身で1杯”みたいな感覚だと思う。


日本にある韓国式フライドチキン店

韓国チキンには半世紀以上に及ぶ長い歴史があり、フライドチキンも30年以上の歴史があってフランチャイズブランドの数は280以上もある。

が、日本で韓国式フライドチキンが広まり始めたのは最近で2010年代後半に入ってからだと思う。

私が初めて食べたのはタレントのカン・ホドン氏が目印の”カン・ホドンチキン678”だ。

2014年9月に日本に出店。現在も営業中。

私が訪れたのは確か2018年くらいだったと思う。

まだ知名度はそんなに無く知る人ぞ知るだったように感じる。

多くの日本人が同じだと思うが、そのときまで専門店のフライドチキンはケンタッキーフライドチキンしか食べたことがなかった。

もうちょっと裾野を広げても馴染みがあるのはファミリマートのファミチキやローソンのLチキなどのコンビニ商品。

もしくはピザハットやドミノピザなどのポテトと一緒にセットになっているフライドチキン。

あとはハンバーガー屋さんなどでバッファローウィングという辛いのを数回食べたことがあるかな?くらい。

それくらいしか知らなかった。

そうした経験値しかない状態で初めて食べたカンホドンチキン678のフライドチキン。

随分と前なので記憶が曖昧だがフライドチキンしか頼んでいないはずなのに

・フレッシュなキャベツサラダ
・サウザンドレッシングの小袋
・ピクルス(大根の甘酢漬け)
・マスタードソース
・少量のフライドポテト
・缶のサイダー(チルソン)

など様々なものが入っていてビックリした思い出がある。

注文していない物が幾つもあるのはさすが韓国式だなあと感心した。

実際はメイン料理の料金に含まれているのだろうがサイダーやサラダやピクルスまでサービスでくれるなんて親切だなあと。

それまで唯一知っていたフライドチキン専門店のケンタッキーでは、当たり前だが注文しなければコールスローもポテトもドリンクもらえない。

肝心の味の感想は当時はまだ韓国文化の理解度が浅かったので”韓国式”という響きから衣が辛いのかな?とか変な想像をしていたが普通に美味しかった。

比べるとケンタッキーはたくさんのスパイスの風味が凄くて、圧力鍋で揚げているから油をたくさん吸っていて柔らかい食感。

一方で韓国式フライドチキンはノーマルの味付けがかなりシンプルな塩味で、衣はサクサクしている。

だから様々な味のバリエーションがあるのだなと納得した。

その後2020年になると”ネネチキン”が日本進出。

ここのスノーウィングチキンはかなりハマった。今までに5回は食べていると思う。

この2019-2020年くらいの時期に”UFOチキン”なるフライドチキンをチーズにディップして食べるスタイルがSNSでバズる。

この料理も実はチーズタッカルビと同じで日本発祥。

知識が無い人は”韓国ってなんにでもチーズかけるよな!”と言う事があるがほとんどは日本で考案されたアレンジ韓国料理。

“チーズトッポッキ”も日本流の食べ方で本場には無い。

日本人がチーズ好きなだけなのである...。

ちなみに”チーズハットク”は韓国発祥だが、本場には日本ほど取り扱っているお店は無い。。

またドラマ”愛の不時着”が大ヒットした事で韓国式フライドチキンが様々な年代により知られるようになった。、、、と思う。

超名作
僕は耳野郎とクム・ウンドンが好きです。

このドラマには”bb.q OLIVE CHICKEN”が頻繁に登場した。

このお店は東京だと大鳥居、二子玉川、笹塚、大岡山、千住などの住宅街にしかない。

繁華街に店舗がないのでなかなか食べることが出来ず、ずっと気になっていたフライドチキンのひとつ。

今年になってようやく食べれた。

どこよりも軽くてサクサク。
あとノーマルでもピリ辛で独特な味がする。

大ブームによって本場韓国から進出してきたブランドはこの他にも幾つかあり、また簡単に作れる料理ではあるので既存の様々な韓国料理店でもメニューに載るようになった。

また居酒屋やファミレス、お惣菜屋など日本のお店でも提供されるようになる。

、、、以上が私的な目線での日本における”韓国式フライドチキン”である。


KyoChonチキン

ついにやっと本題だ。

内容は重複しますのでチャムシル編を読んでいる方は飛ばして大丈夫です。

チャムシル辺りを散策して深夜に東大門に戻ってきた。

最後の気力を振り絞って年中無休24時間営業の有名フライドチキン屋さんへ。

URLに飛んで外観を見てほしい。

KyoChonチキン東大門店はなんとケンタッキーの真上にあるのだ。

凄い。

日本ではちょっと考えられない光景だ。

まさかフライドチキン屋の上にフライドチキン屋があるとは思わず1度素通りしてしまった。

ちなみに2016年ごろには日本にも店舗があったらしいが僅か9ヶ月しか続かず閉店してしまったらしい。

韓国では有名なフランチャイズ
1991年創業の老舗
国内外に1000店舗以上を運営

時代がまだ追いつけていなかったのだろう、、、。

以上の理由でかなり美味いという噂は知りつつも食べた事がなかった。

オリジナルな”ニンニク醤油味”が一番人気らしいのでそれをポジャン(テイクアウト)した。

覚えたてのフワフワした韓国語でなんとか注文できた。ポジャンケンチャナヨ?イゴハナチュセヨ。

夜23:30でも席は8割ほど埋まっていて、持ち帰り客もひっきりなしにやってくる。

やはり、かなりの人気店らしい。

期待が高まる。

噂のニンニク醤油味
ニンニクはそこまでガッツリではない。
タレに浸っているがサクサク。
日本では食べた事がない味。
甘すぎなくて美味しかった。
様々な部位が入っていて嬉しい。
定番のチキンム(チキン大根)
角切り大根のピクルス
韓国では必ずついてくる。
お口直し的し存在。
慣れると癖になる。

絶品フライドチキンと韓国ビールで”チメク”を楽しんで日付けが変わってこの日は終了。


大人気のトンタク


別日の夕食は”トンタク”を食べに行った。

トンタクの歴史は先程書いた通りとても古いので様々な名店やフランチャイズや個人店が存在する。

韓国は飲食店の数がとても多い。

例を挙げると韓国は日本の半分以下の人口だがスターバックスコーヒーの店舗数はほぼ同じで1893店もある。

そして他にもフランチャイズのカフェがたくさんあり、個人経営のカフェもたくさんある。約99000軒もあるらしい。ちなみに日本は約67000軒。

なので街を歩くとカフェだらけなのだ。

日本のようにお茶をするために並ぶ必要は無い。席も広い。

チキン屋は先程書いた通り世界中のマクドナルドを集めたその2倍以上の数がある。約87000店だ。

つまり、よっぽどの事がない限り並ぶことはないのである。

本題。

そのよっぽどが起きていて韓国人が並んで待ってまで食べるチキン屋に行ったのだ。

あまりにも有名過ぎるのであえて店名は伏せておきます。

おそらく情報通なら誰もが知っているお店で超人気店。

場所は繁華街の入り口辺り。大通りの脇道。

超高級住宅街があるエリアなのに平屋の一軒家で営業している。

外観はかなり古びていて、知らなければ素通りしてしまう感じ。

提供している料理は全然違うが銀座のニューキャッスルみたいな雰囲気に近い。

繁華街のここに何故?という。そこだけ時間が止まっているような佇まい。

ニューキャッスル
名物はカライライス
銀座のど真ん中にある
周りの建物とギャップがあって
子どもの頃は不思議に感じていた
現在は閉店。

そのチキン屋は道端に薪を山のように積んでいて(これは法的に大丈夫なのか?)外で凄い数のチキンを焼いている。

オーブンの前には常時3人の店員さんが張り付いていて、チキンの列を移動させたり新しく串に刺したりしている。

見る人が見たら
”あぁ!あそこね!”
とわかるはず。

お店の前には人だかりが出来ていて、入店待ちをしている。

店頭で予約ができるシステムで人数を言うとお兄さんが

“うーん、、、35分後!(日本語で伝えてくれる)”

とか席が空く時間を予想して伝えてくれる。

その間にも引っ切りなしにスーツ姿の4人組や若いカップルや仲良しおじさん3人組などが店を覗いていく。

みんな待つのは覚悟で来ているようで店員さんに待ち時間を聞いている。

日本では飲食店で長蛇の列は珍しく無い。場合によっては居酒屋に並んでいる光景も見かける。

だが韓国旅行で飲食店に人が並んでいるのを見たのはこの1度だけだった。

行列でなかなか入店できないのに
たくさん焼かれている。
なぜだろう?と思っていた。
答えはテイクアウトもあるから。
そちらもどんどん売れていく。
1人で5羽買っていく人もいる。

近くのコンビニで飲み物を買って時間を潰す。

店前にテーブルと椅子があって飲食可能なのだ。

街を眺める。

目の前をパトカーや警察官が通る。

“ライブ”を観たので知っているが過酷な勤務なのだ。

心の中で”お疲れ様です”と言う。

ドラマ”ライブ”
ソン・ドンイルが出ているので見た
リアルな警察官を描くヒューマンドラマ
素晴らしかった

言われた時間になったので店の前に戻る。

が、まだ席は空かないようで待つ。

場所を入れ替えていく
豪快な調理方法
かなり重そう

20分くらい経って遂に順番が来る。

合計約1時間程待っての入店。

店内は40人くらい入れるかな?といった広さ。

壁中にサインが飾られている。

期待は高まる。

ごく一般的でありふれた料理であるトンタク。

他と何がそんなに違うのだろう?

、、、とは言ってもトンタク自体を初めて食べるので比べようもないが、、、。

ビールを一口呑んだくらいでメイン料理はすぐ到着した。

白菜キムチ
チキンム

マスタードソース
赤いのは何かわからないが激辛ではなく甘辛系
白菜も大根もかなり美味しかった
メインのトンタク
このときは気付かなかったが
胸側が上の盛り付けは珍しい?
一般的には背中側を上にしている気がする。

香ばしく焼き上がっていて美味しい。

皮はパリパリで中はしっとり。胸肉もパサパサではなく美味しい。塩加減も抜群。

日本でも15年前くらいにハーブを使った“ロティサリーチキン”が流行ったことがあり、こうしたチキンの丸焼き自体は何度か食べたことはあった。

だが、それとは全く別の料理だった。

中の詰め物が独特で様々な具材が入っている。

それが工夫で発明なのだろう。

また店前に薪を積んでいるのも、意味があったのだと思う。

“電気トンタク”とも呼ばれるくらい電気オーブンで焼くのが主流の中で“当店はさらにクラシックスタイルで薪焼きだ”とアピールしていたのだと思う。

広蔵市場奥の調理器具問屋街
散策しているときに発見
トンタクの機械が売られていた
こちらは電気で焼くシステム
通常はこれが主流

一般的な店の電気焼きを食べていないので、比較は出来ないが間違いなく名店のひとつ。

例えるなら調理法も具材もオーソドックスな炒飯が絶品のお店みたいな。

そうした凄さがあった。

調べたらすぐにわかると思うので是非。


以上、私的観点の韓国チキン事情でした。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

ブラザー、シスター、ランチキンラン!




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