01. 取らぬ狸の皮算用 ー「しいたけ乾燥機」を買いそうだった春の脳内
祖母の家がある愛媛県西条市に引っ越し、
鬱蒼としげる放置竹林を眺めながらメンマを売ることを決めた私の商品開発日記。第一話。
前回の投稿「はじめに:失敗は成功の元とはよく言ったもんだ」は、こちらから。
今回のお話は、
Excelの魔力に惑わされる前に「自分がいくら売り上げたいのか」を明確にし、望む未来に向かって欲しいというのが主題で、
間違っても「業務用しいたけ乾燥機に目一杯入る数量 x 稼働日数」という最大数量から導き出した望んでいない未来に迷走しないようにと願いながら書きました。
ご一読頂けますと幸いです。
それではどうぞ。
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初めに自己紹介というかお断りをしておくと、
私は小売業界というかtoCの世界で働いたことはなく、toB向けの所謂フィービジネスで生きてきた人種である。
ちなみに業種は不動産/建築の企画・デザイン・PMがメインで、
食品加工や製品開発の分野にいたことも無い生粋の食品開発素人である(ドヤ
さて、そんな私がカクカクシカジカで「ようし、メンマを売るぞ🎋」と決めた今年の4月、一番はじめに取り出したアイテムは、皆様おなじみの「Excel」。
数字や暗号めいた数式を打ち込めば収穫量や売上、利益はみるみるうちに可視化され、あたかもその世界が未来に広がっているように見せてくれる。
各工程に必要な人工とその単価、付随する設備費用、完成個数がはじき出され、それを売るには何店舗に卸すのか、だとすれば何店舗くらいに営業に行って、掛け率は60%で仮定して、原価率が●%だから、えっと売価をちょいあげて・・
という具合に知らぬ間にどんどん想像世界に引き込んでくれるアブナイアイテムで、
そんな世界線上で進みいく私の初期事業計画では、「しいたけ乾燥機」を自力で購入する未来も描かれていた。
みなさまはしいたけ乾燥機をご存知だろうか。
家庭用の可愛いものではなく、私の身長をゆうに超え、大人が5人は収容できるのではないかと思うサイズのあいつである。
ヤフ◯クで中古を検索し、県の森林組合に助成金の条件や割合などを問い合わせたりと、私の購入本気度は50%くらいまではいっていたと思う。
もちろん買わない選択肢も並行して模索してはいたが、あのまま本気度が上昇し、納屋に乾燥機が鎮座する世界線はどうなっていたのだろう。
念の為注記しておくと、人によっては「しいたけ乾燥機」を買うことが正解な方もいると思う。
ここで重要なのが「どのくらい売りたいのか・売るつもりなのか」というExcel世界ではない現実世界での意思である。
私はしいたけ農家になるつもりも、メンマ製造一本で生きていく未来も描いていなかった。
ただ、気づけばExcelがその未来をうっかり見せていたのである。
当時、実際のメンマ製造の現場をご紹介頂き、しいたけ乾燥機と対面させてくれたお酒屋さんの三男には、この場を借りて(絶対に読んでないと思うが)心よりお礼を申し上げたい。
ちなみに、私がこのメンマ開発で目標にしているのは「月7万円の利益」 で、
全くもってしいたけ乾燥機が必要な数量ではなく、
ついでに白状しておくと、明確にこの数字が決まったのはつい最近のことである。
このKPI設定についてはまた後日書きたいと思う。
ということで、文字数も結構きたので、今回はこの辺りとして、
次回はこの魅惑のツール「Excel」の数字にまつわる無駄話の続きをしようと思う。
数字の真実はExcel上ではなく、現場に転がっているのだ。
思いつきで始めた連載なので、もしこういう話が聞きたいというご意見があれば全力で耳を傾ける所存です。
どうぞよろしくお願いいたします。
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最後に。
前回の「はじめに」の投稿のタイトルがDIARY(ダイアリー)ではなくDAILY(デイリー)になっていることにお気づきの方、是非そのまま静かにスルーしていただけると嬉しいです。
それではまた次回。