常会(じょうかい)
田舎での人付き合いは大変だ。
よそから引っ越してきた我が家の生活ぶりに、はじめのうちは誰も興味津々。
自分ちで採れた野菜などを持って様子見にやって来る。
それも、まだ我々が寝ている時間に突然やって来るので驚く。
外でゴソゴソ音がするので何事かと思って起きだしてみると、知らないおっさんがキュウリなど抱えて立っている。
「あんた・・・誰?」
と私がいぶかしむと、
「この上のXXだが、キュウリ要るかね?」
だって!。
私はこのおっさんを知らないが、おっさんは私のことを知っている。
まぁ、これはこれでありがたいのだが、キュウリができるころにはキュウリばかりが届くし、茄子の時期には茄子だらけ。
我が家はキリギリスを飼っているわけでは無いのでそうキュウリばかりは要らない。
と、こんな風に田舎暮らしは始まった。
ところで、まだ引っ越してきたばかりの頃、
「今日は常会(じょうかい)なんで、初めてだから、できれば奥さんも一緒に出て欲しい」。
「常会」というやつに夫婦で出ろと言う・・・?何で?。
「うちには子供がいるんで夜の7時と言う時間は無理ですね。晩ご飯の時間ですから」
と取りあえずは私一人で出席することに。
そもそも「常会」ってナニ?、そんなの以前住んでいるところには無かった。
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