ひねけんの自己紹介 その2
CHAPTER❷ “ひねけん”は株式投資をどう考えているのか
”ひねけん”は、株式投資をどのように考えているのか?
2-1 株式投資の本質は「壮大なプロジェクトへの参加」
株式市場は、さまざまな投資家がひしめきあう、多様で自由な場所です。
株式投資をどのようなものと捉えるかは、それぞれの投資家に委ねられています。
私は株式投資は「壮大なプロジェクトに参加すること」だと考えています。
例えば、トヨタ自動車。今でこそ世界1の自動車メーカーですが、トヨタ自動車も元をたどればベンチャー企業でした。
豊田喜一郎さんが、父である豊田佐吉さんから引き継いだ精神と事業を基盤に自動車事業へ進出し、今日のトヨタグループの礎となっています。豊田喜一郎さんが自動車事業という壮大なプロジェクトを想い描き、それをトヨタ自動車という企業が実現していきました。
このように、企業の始まりには、なにか「壮大なプロジェクトを実現したい」人の想いがあります。
株主には、そのプロジェクトを株主という立場から支援する役割があります。
企業の数だけプロジェクトがあり、創業者の想いがあります。
なかでも、上場企業は、そのプロジェクトの公共性や、遂行していく組織の力などの観点で、特に水準の高い存在です。
個人投資家は、上場企業の株式を購入することによって、このプロジェクトに参加することができます。
これは、素晴らしいことだと思います。
株式市場は懐が深いですから、多様な投資家を受け入れてくれます。多様な存在が認められています。
そんななかで私は、企業が行うプロジェクト(=事業)を理解して、応援したくなる企業に投資する、というのが株式投資の本質であると考えています。
例えば、JT(日本たばこ産業株式会社)という上場企業があります。その名の通り、タバコ製品の製造・販売をしている企業です。
タバコ製品がもたらす健康への悪影響などについて問題意識を感じる人は、その株式を買うべきではない。
一方、タバコ製品がもたらすストレス解消効果などが、実は社会にプラスに働いている、というように捉えるならば、その株式を購入するかどうか検討すればよいと思います。
要は、「配当利回りが高い」から「買う」とか、「株価チャートの形が良い」から「買う」とか、それ以前の問題として、その企業が行うプロジェクトに共感できるかどうか?が、最も優先すべき基準だと思います。
株式市場は多様で自由ですから、様々な価値観の投資家がいます。共感できる投資家もいれば、できない投資家もいるでしょう。
それでいいのです。
自分が共感できるプロジェクト、共感できる企業に投資すべきです。
自分が共感できない企業に投資して、自分の資産が増えたとして、気分が悪いじゃないですか。
2-2 「がんばれ」と「ありがとう」を言おう
企業のIRによくある問い合わせは、「なぜ株価が下がっているのですか?株価をどうにかしてください。」だそうです。
この質問は、よく考えてみると、おかしな問い合わせです。
つまるところ「私の資産が減って困ってるから、どうにかしろ」ということです。
株式投資とはプロジェクトへの参加なのですから、聞くべきは、株価のことではなく、事業の遂行状況であるべきです。
新しい商品や製品、より良いサービスを開発して「世の中を良くしたい!」という、熱い想いに溢れた経営者や社員に対して、
「事業の内容は関心がないから、とにかく株価を上げてくれ」
ということを言うのであれば、株式投資はやめた方がいいです。
株式投資は、世の中をより良くするプロジェクトへの参加です。
だから、株主や投資家が企業に聞くとしたら、そのプロジェクトについて聞くべきです。
また、声をかけるならば「株価あげろ」ではなく、
「がんばれ」と「ありがとう」です。
使命感に溢れた経営者、従業員たちは、挑戦者です。
新しい商品、新しいサービスを開発して「これを世に問いたい。世の中で困ってる人たちに、これを何とか提供したい」っていう挑戦者です。
なので株式投資家ならば、挑戦者たちにこう言うべきだ。
「がんばれ!応援してるぞ。もっと良い世の中にしていくために、がんばってくれ!」
「あなたたちが頑張ってくれてるからこそ、今の生活がもっと豊かになる。 便利になって、そして痛みや苦しみが減っていく。そういう社会ができているんだ。もっともっと頑張ってくれ!」
企業には、挑戦者としての性格と、もう一つ、私たちの生活を守ってくれている守護者としての性格があります。
私たちの生活インフラ、ライフラインを守ってくれています。
例えば冬に暖かい暖房を使える、病気になった時に薬が飲める、新型コロナ感染症が広がればそれに対するねワクチンを作ってくれる。
非常時にあっても安心できる生活を取り戻してくれる、健康な生活を作ってくれてるのは、やはり企業です。
これは、上場企業であっても非上場の企業であってもそうです。
こういった企業に、投資家として「ありがとう」を言いたい。
そう、投資家が言うべきことは、「がんばれ」と「ありがとう」なのです。
金儲けが目的の人もいていい。私は金儲けの人を否定しないし、チャートだけ見て売買する人も否定しない。その人たちを否定しないけれど、私にとって株式投資は「がんばれ」と「ありがとう」です。
個人投資家の私たちが投資する上場企業が、良い商品を作って、良いサービスを作って持続可能な良い社会を作ってくれる。
そういった挑戦者であり守護者である企業のプロジェクトを、投資という形で応援するのが株式投資です。
CHAPTER❸ “ひねけん”とアクションラーニングが目指すところ
3-1 「社会参加」と「生涯学習」が、充実した生活を個人投資家にもたらす
株式投資の本質は、「世の中を良くするプロジェクトへの参加」です。
このプロジェクトに参加することによって、個人投資家にとって何かいいことがあるのでしょうか?
2つあります。
「社会参加」と「生涯学習」です。
株式投資はプロジェクトへの参加ですから、当然の権利として、株主総会に出席し、プロジェクトの推進状況について話を聞き、質問し、意見を表明することが認められています。
株主総会に出席して、70歳になっても80歳になっても「コロナ猛威で大変な中、この社長頑張っとるな。議案賛成! 再任に賛成!」ってこともできるし、「いやいやちょっと今年は不祥事あったぞ。ちょっと喝を入れてあげないかんぞ!」という思いを持って株主総会に出席して発言することもできます。
株主として「意見が聞きたい!」「もの申す!」といったことが、直接経営者に向かって言えます。
これは、選挙への投票に似ています。
選挙に行って、党や候補者に投票します。
そのためには、それぞれの党について、多少なりともリサーチをし、候補者の話を聞いたりパンフレットを見たりして、吟味する必要があります。
ニュース番組を見ることもあるでしょう。
このように情報収集して、自らの価値観に照らして評価し、一定の結論を下します。
その結果が、1票という小さな形ではありますが、選挙結果に影響を与えます。
これが社会参加です。
株式投資では、企業の業績や、直近1年間の施策の成否などを調べ、YouTubeなどで社長の決算説明を聞いたりして、リサーチします。
疑問に思うことはメモし、株主総会当日での質問や、IRへの問い合わせで解決します。
そして、株主総会では、経営者の選任に対して賛成・反対を投じることにより、意向を表明します。
これもやはり社会参加なのです。
選挙への参加も、株主総会への参加も、小さな1票かもしれませんが、社会に影響を与える、大切な行動です。
その集積が、社会を形成しています。
社会参加することは、人々の権利であり、責務であると思います。
テレビの間で文句を言っても、ネットニュースに愚痴っても、なにも社会は変わりません。
しかし、私たちひとりひとりが良識を持って、選挙に参加し、株主総会に参加すれば、社会は(きっと良い方向に)変わります。
このことは、私たちの生を充実したものにしてくれるはずです。
選挙も、株主総会の議決権行使も、70歳になっても80歳になっても実行できます。生涯現役です。
もうひとつ、株式投資が個人投資家にもたらしてくれるのが「生涯学習」すなわち「学び」です。
株式投資をすることで、「生涯学び続ける機会を得る」ことができます。
70歳になっても80歳になっても株式投資を行う人は、日経新聞を開いて「そうか、今こんなことが流行っているのか」「5Gって何?」「メタバースって何や?」とか言いながら、学び続けます。
街を歩いていて、行列ができている店があれば、「どこの店や?なんで流行ってるんや?上場企業で同じ業態のところあるか?」と疑問がむくむく湧いてきます。
株式投資をすることで、感覚、感性を大事に持ち続けることができます。
株式投資をしていると、学ぶことが日常となります。個人投資家のなかには、驚くような知識量と見分を有している人がたくさんいます。それは、きっと株式投資をしていることによって得られている部分が大きいのではないかと思います。
このように、いつまでも「社会参加」し続け、「生涯学習」し続けられるのが株式投資です。
個人投資家に、充実した生をもたらしてくれます。
私にあのキューリ君のキーホルダーくれたふみこおばあちゃん。もう亡くなっちゃったんですけれども、年をとって孫も大きくなって手が掛からなくなると退屈になるんですよね。
おばあちゃん、いつも大相撲見てました。背中がまるーくなってずーっとNHK見てました。本人も、気がついたら他に趣味が無かったんでしょうね。
でも今の時代なら株式投資ができるわけで、スマホやパソコンで年配の方でも社会参加し続けられる。
「やることないわ。暇やわー」じゃなくて、社会参加をずっと続けてほしい。株式投資を通じた社会参加、みんながいくつになってもやり続けられるような、そんな社会になって欲しいと私は思ってます。
3-2 ひねけんのアクションラーニング社が運営する2つのメディア
そのために私は、アクションラーニングで何をやってるのか?
大きく言うと2つのメディアを運営しています。「バリュートレンド」というWebサイトと、YouTubeの「ひねけんチャンネル」。
2つのメディアで何をやってるかというと、1つは個人投資家に向けた投資教育。「教育」なんて言うと何かちょっと偉そうな感じになっちゃうんですが、
「長期投資で企業を応援しませんか?」
「決算書からこんなことが分かりますよ」
「投資のことをこんな風に考えてみてはどうでしょう?」
みたいなスタンスで、投資教育事業をしています。
そしてもう1つは、長期投資をする個人投資家に向けて、情報発信したいという上場企業がたくさんあります。
そういった企業の決算内容や中期経営計画を解説したり 、社長にインタビューして事業内容を説明してもらうとともに、企業のトップがどんな人柄なのかを視聴者(個人投資家)に知ってもらう、というような、上場企業のIR支援事業をしています。
このようにアクションラーニングは、2つのメディア
<バリュートレンド>
<ひねけんチャンネル>
を通して、2つの事業
<投資教育>
<上場企業IR支援サービス>
を行っています。
事業全体を俯瞰で見れば、「個人投資家と上場企業をつなげる」ということをしています。
CHAPTER❹ 『貯蓄から投資へ』へ“ひねけん”の想い
4-1 「貯蓄から投資へ」の政策
これは日経新聞の記者さんからの質問で、
「今、世の中って「貯蓄から投資へ」ですよね。これについて何か思うことありますか?」
というものがありました。
あります。
端的にいえば、まだまだ個人投資家が「投資」に参加しにくい。
環境整備が不十分だということです。
「貯蓄から投資へ」と多くの人が言ってて、政府もそういう方針ですが、個人投資家の立場からすると、まだまだ不十分。
4-2 個人投資家は、圧倒的に不利な立場で戦っている
個人投資家の気持ちを端的に言うと、
「私たちは圧倒的に不利な立場で戦ってあげてるんだ!」
ということです。
この気持ちを『鬼滅の刃』でたとえて言えば、
「(われわれ)鬼殺隊は、わざわざ鬼に有利な夜に戦ってあげてるんだよ!」って、こういう気持ちなんですよ。
このことが分かってますか?と。
株式市場では、機関投資家は圧倒的に有利な立場です。
具体的に言えば情報量。
機関投資家は、便利なツールを色々使い、確度の高い最新の情報を得て投資判断をしています。
また、上場企業に直接インタビューをして、様々な情報を得ている。
それに対して私たち個人投資家は、アクセスできる情報は限られてる。
企業からの情報も、適時開示情報や企業のWeb、IRページに公開された情報に限られてる。
それにも関わらず、個人投資家は挑戦者であり守護者である企業を応援しています。
素晴らしい熱意だと思います。
機関投資家とか証券会社の方とかと話すると、時々いるんですよ。こんなこと言う人が。
「個人投資家はアホ。儲かるわけないじゃないやん」と。
それは違う。
私たち個人投資家は、あなたたちに有利なフィールドで戦ってあげてるんだよ。「ありがとう」って言ってくれ。と、思ってます。
こんな不利な立場で戦ってるんだから、そりゃ個人投資家の中には、やる気が失せる人も多い。
「結局、株式投資は、機関投資家が勝手にやっとるだけやんか」というふうになりますよ。
4-3 個人投資家ひねけんからの3つの提言
では、「貯蓄から投資へ」に世の中の流れを、私たち個人のお金の流れを変えていくために必要なものは何でしょうか?
まず一つ目。
小さい資金の額でも株式投資できるようにする。
投資単位を小さくして、1株から投資できるようにして欲しい。
現在は、売買の最低単位は基本100株ですね。
株価3,000円とすると、購入には最低投資金額でも30万円が必要になる。
このような金額からしか投資できないようでは、個人投資家は、まず個別企業に投資することは不可能です。
投資未経験の普通の庶民が投資できるのは、月5,000円とか1万円 からじゃないかな?
そのためには「1株から投資できるようにして欲しい!」。
これマストです! 絶対必要!
ひねけんチャンネルの別の動画でも紹介しましたけれども、株主総会の議決権は100株単位で1議決権、1個の議決権とすればいいわけです。
売買の単位と議決権の単位は切り分けて考えればいい。
ただこれだけのことなんですよ。現実にできることです。
そして二つ目。
投資教育が必要です。
もちろんチャートの見方も必要なんだけれど、まずは「株式投資とは何ぞや?」をキチンと押さえる。
企業というプロジェクトがあって、そこに投資家が出資してみんなで応援する。これが株式投資の本質です。これをまずしっかり押さえた上で、決算書はこうやって読むんだ、企業はこんな風にしてビジネスをやってるんだ、というふうに進んでいく投資教育が必要です。
そういったYouTube動画や、あるいは大学とか高校とか中学校とかでの教育コンテンツが必要だと思います。
こういった地道な草の根の投資教育のインフラ、草の根の教育が必要だと私は思うわけです。
そして三つ目。
機関投資家と個人投資家で得る情報の格差をなくすこと!です。
僕たち個人投資家は 、不利な立場で機関投資家と戦ってあげています。
これ以上、個人投資家の投資意欲を萎えさせないためにも、この情報格差をなくすことが必要です。そしてこれは企業のIR部門にとっても業務の効率化につながるんです。
たとえば、いわゆる「1on1(ワンオンワン)ミーティング」は廃止するべきです。
機関投資家は、上場企業の社長とかIR部門と、1対1 でミーティングしてるんです。
これ時間の無駄かつ不公平です。だって企業のIR部門は同じ話をAという機関投資家にする。同じ話をB、Cという機関投資家にもする。時間の無駄。しかも不公平ですよ。個人投資家は聞けない。
社長やIR担当者が、いろんな機関投資家A、B、C、D・・・に、ひたすら同じ話をする。これって時間の無駄であり、なおかつ不公平。
提案としては、決算毎に機関投資家と上場企業とが1対1でお話しする1on1ミーティングを生放送で1回だけ行って、そのアーカイブをYouTubeとホーム ページで配信すればいい。
そうすれば個人投資家にも情報が伝わり、平等でしょう。しかもIR業務が効率化される、ということなんです。
これもマストですね。これも必ずそうして欲しい。
同じような話ですけども、機関投資家にだけ決算説明会します、ていう会社もあるんですね。これも不公平だから廃止してほしいです。
確かに機関投資家に話してる内容は、非常にハイレベルで専門性が高い話もある。 でもそれについていける個人投資家もいるし、そういう情報を公開するからこそ個人投資家の裾野が広がり、レベルが上がっていくわけですよ。「機関投資家って、なんぼのもんや!」っていう個人投資家が増えて欲しい。
それに今はオンラインで決算説明会ができますから、会場の人数制限とかもない。決算説明会を公開し、アーカイブも公開するようにすれば良い。
繰り返しますが、現在、こういった不平等で非効率な情報開示が行われてるわけです。
しかも100株からしか買えない。金持ちの人しか参加できない。これが今の日本の株式投資の現状なんです。
これで一般庶民の誰がやる気しますか?
「なぜに貯蓄から投資にお金が廻らないんだ?」なんて言っている前に、上記の提案を全部やってくれたら、たちまち個人が「じゃあ株式投資やってみよう!」となります。
個人投資家が、株式投資をしにくい。ということは、すなわち個人投資家がプロジェクトに参加しにくい、ということです。
機関投資家と個人投資家の違いは、機関投資家が他人の資金を運用しておりこれを増やすことが目的であるのに対し、個人投資家は自分の資金ですから増やさなくてもいいのです。
つまり、企業を本当の意味で長期に支援することができるのは、個人投資家です。
その個人投資家を、今の日本の株式市場は冷遇している。
挑戦的な企業がなかなか出てこないのも当然でしょう。
日本の社会が、もっと挑戦者に好意的で、守護者に対して感謝の気持ちを忘れない、そんな社会であってほしいです。
アクションラーニングは、そのような社会を実現するための会社です。
まとめ
それではまとめていきましょう。
みなさん、個人投資家が立ち上がれば世の中は変わっていきます。
株式投資とは、世の中を良くするための壮大なプロジェクトへの参加です。
株式投資を通して、私たちは、世界を良い方向に変えていくことができます。
さらに言うと、私たちが高齢になっても学び続け、そして『社会参加』し続けることができる。そして学び続けることができる。
これが株式投資です。
このような株式投資を「金儲けやろ。チャート見てなんかポチポチやったらええやろ」というご意見も、私は少しも否定しない。そういう人たちや機関投資家がいて株式市場は成り立っています。
が、まず株式投資の本質とは、『プロジェクトへの参加』です。
これを基本的な認識として、「がんばれ」と「ありがとう」が溢れた社会にしていきたいです。
その結果、個人投資家には、豊かな人生が訪れるはずです。