放送されたドラマの話。

ここ近年、お母さん役が増えてきて嬉しい限りである。
少し前は「佐伯さんは生活感がないですから」「お母さんっぽく見えないですから」と言われることがそこそこ多く、いや、だって、わたし生活してるし、お母さん歴19年だし。と悶々としてきた。生活感ってなにかね?生活感なんて、どこにあるんですか!(この元ネタが分かる方とは盛り上がれそう)そんな中でのお母さん役オファーである。嬉しい。究極を言えばオファーはなんでもありがたい。

そんなわけでお母さん役だ。私の娘や息子の役を演じた小さな俳優さんは時にお手紙を書いてきてくれたり、こんな強面の私に明るく可愛く挨拶してくれる。

先日放送されたドラマ「Smile」で私の娘役を演じた植原星空さんは16歳。初めてお会いしたのは劇中にも出てくるビリヤードの練習だ。驚くほど次女に似ていた。声も動きも似ていた。え?いつイギリスから帰ってきてた?(現在次女はイギリスに留学中。)可愛くてちゃんとしてて真摯に現場に取り組む姿勢が美しかった。

喫茶店のシーンの待ち時間で2人でなんとなくメニューを見ていた時、ポツリと「あ、チーズケーキお母さん好きなんです。」と彼女が呟いた。瞬間、なんとも説明のつかないあたたかな気持ちでいっぱいになった。大人になると勝手なエモーショナルが急に湧き上がってくる時がある。その時がまさにそれだった。そのシーンで彼女は利重剛さん扮するプロデューサーに自分の気持ちを強く主張する。この言葉がまた良いのだ。台本で文字で見た時からもう「ここは!」と思っていたのだが実際に体を通して発せられた言葉はものすごい勢いで心を打たれた。

自分のデビューは16歳だった。だいぶ調子に乗っていたと思う。植原さんの謙虚さを見習った方がいいほどに・・・。そして時は流れる。人は嫌でも歳をとる。老いるショック©️みうらじゅんさんと言ってる場合ではない。物覚えも悪くなり内臓も弱りお弁当を2個食べることも出来なくなった。髪も肌もツヤツヤで空気を吸ってるだけでかわいいと言われる事もない。なんなら整形をオススメされた。「40代の芸能人みんなやってるよ」って。みんなって誰だよ。連れてこいよ。とIQ低めなおとなげない自分が修学旅行の時に誰かは買う木刀をかつぐ。

いろんな経験を積み重ねてきた。良い事も悪い事も全て糧にしていけたらと思っているが、これがなかなか難しい。

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「Smile」より1シーン左が植原星空さんです。(わかるから!)

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