地震の話


机の下にももぐれるニャ


明け方地震が来た。
我が部屋はマンションの建物自体が良いのか、地盤が良いのかあまり揺れないのが自慢だ。(どなたかこの部屋買いませんか!?←突然すぎる。)とは言え、今回は結構揺れた。
嫌な揺れ方ではないから大丈夫かなぁ。と思いながらいつの間にか寝ていた。ネコーズも全く騒ぐこともなく、私のところにも来ない。野生のカン?何それ美味しいの?それくらいの鈍感さでやってる。かわいい。何してもかわいい。
嫌な揺れ方といえば3.11だ。
その日私はソファにダラリと寝そべりながらパスタスナックを食べ、テレビを見ていた。パスタスナックはネジネジのパスタを揚げて味付けした私の大好きなお菓子だ。
絵に描いたようなぐうたらっぷりを発揮しているとカタカタカタという音と共に揺れた。揺れはドンドン強くなり「伸びるぞ」と心の中でよく分からない言葉が浮かんだ。以来地震が長引きそうな時は「伸びる」という表現を使っている。
TVがバチっと消えた。
異常に長い時間に感じ、おさまってから玄関を飛び出し、廊下に出るとお隣さんも飛び出してきた。
「玄関の開く音が聞こえたのでいらっしゃると思って」心細そうな緊張した顔と裏腹にちゃんとダウンコートを着込み手に懐中電灯を持っている、かたや私はいわゆるダル着だ。完全に丸腰だ。パスタスナックを持ってなくて良かった。
緊張感も頼り甲斐もないデクノボー系隣人にガッカリする事もなく「少し心が落ち着きました。ありがとうございます」と優しい笑顔のお隣さんにこちらが救われながら各々部屋に戻る。
「あ、子供達迎えに行かなきゃ」突発的にそう思い着替えてお財布を持ってまた部屋を飛び出した。およげ!たい焼きくんか。店のおじさんと喧嘩したわけじゃないからまだいい。
で、気づく。「エレベーター動いてないじゃん
当時、私はなかなかの高層階に住んでいたのだがわけのわからないテンションで一気に!とまでは行かないが休み休み、でも私史上最速で階段を駆け降りた。駅に着いてガックリと膝をつきそうになる。「許してくれセリヌンティウス」と1人「走れメロス」ごっこをしていたわけではなく、電車が動いていない。
当たり前のことだがその時は全くその考えに及ばなかった。
駅のTVで予想以上の惨状を知り、震えた。
その後のことは皆さんそれぞれの想いもあるので割愛する。私にもここに書いていたらロッキンオンジャパンのインタビューよろしく何万字にもなってしまうほどたくさんの出来事があった。

繰り返される計画停電で冷蔵庫も使えなくなり頂いた苺の腐敗を恐れて、これまたわけのわからないテンションでジャムを作りまくっていたせいか、今でもパスタスナックと甘いイチゴジャムの匂いはあの日の記憶を甦らせる。
出来れば怖い思いはしないで生きていきたい。




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