自販機

　母親が嘘臭い話しを聞いてきた。二駅先に変な自販機があるらしい。
｢洋平、生春駅北口に餃子の自販機があってね｣　
｢餃子の自販機？｣
｢それがただの餃子の自販機じゃないのよ。バイリンガル餃子って言うの｣
｢バイリンガル餃子？　意味不明｣
｢バイリンガルって2カ国の言語を喋れるって意味で、その餃子食べるとまず英語がベラベラになるんだって｣
変な話しを朝から聞かされた俺は
｢了解。じゃぁ買ってくれば食べてやる｣
｢よし！　男に二言はないな｣
　学校でもそんな噂は流れてなかった。怖い！　もし変なもんだったら俺死ぬかも……帰宅すると母親が待ち構えていた。
｢焼いてあるから！　さあさあ食べて｣
命の危機を訴えたが、結局十個全部食べさせられ羽目に。一時間過ぎた頃俺は突然立ち上がり、
｢mom I full｣
あれ？　
｢I′m going to take a bath｣
えっ！　俺が話せてる！　
｢unbelievable｣

なんちって。今年の初夢です。