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87-両親のお墓参りに行く佐々木家

久:準備できた~?

陽:オッケー!

この日は電車に乗って両親のお墓参りに行くことに。

愛:ライター点く?

史:…まだまだ余裕だね

水桶の中に、柄杓、ブラシ、線香、ライター、花切りバサミを入れ、家を出る。

そしてスーパーに到着し、花を購入する。

陽:どれにする?

久:う~ん…、〇〇

〇:うい、…これかな?

久:うん、じゃあもう一つはこれにする?

美:いいんじゃない?

レジに通し、お会計を済ます。

久:…よしっ、行こ

スーパーを出て駅に向かう。

芽依:…お供え物買わなくて良かったの?

久:…あっ……

〇:俺買ってくるから先行ってて?

久:ごめん

〇〇がスーパーに戻り、饅頭を購入し、急いで合流する。

〇:お待たせ

久:ごめん、ありがと

駅に到着し、交通系ICを持っていないひよりと芽依の切符を券売機で購入する。

菜:ごめん、チャージしてきていい?

〇:いいよ

改札を通り、ホームに降りると、ちょうど電車がやってきた。

愛:お正月だから空いてるね

電車内は佐々木家の貸し切り状態だった。

陽:陽菜ボックス席~!

芽依:芽依も~

ひより:じゃあひよたんも

史:私たちは反対側座ろっか

美:そうね

そして電車が出発する。

ひなの:…懐かしい?

〇:……そうね

長崎駅とは反対方向に走っている今、〇〇の皇海学園時代の通学路を進んでいた。

久:…そろそろ乗り換えよ~

終点駅で路線を乗り換え、海沿いの線路をずっと走っていく。

ひより:陽菜は見慣れてるでしょ?この車窓…

陽:もちろん!(笑)通学路だもん…(笑)

そして目的の駅に到着し、電車を降りる。

史:左だっけ?

久:うん

駅から15分ほど歩くと、お寺が見えてきた。

久:あけましておめでとうございます

住職:あっ、佐々木さん、あけましておめでとうございます

住職:毎年来られて、きっとご両親も喜んでおられますよ

久:そうですね……

久美が住職に新年のあいさつをしている間に、他のきょうだいがお墓の掃除の準備をしていた。

ひなの:水入れ過ぎたかも…

ひより:ファイト(笑)

陽:…どこだっけ?

〇:左側の手前から六番目を曲がる

菜:桶とブラシ、プリーズ

ひなの:ほい

菜緒と美玖、史帆、〇〇がブラシや柄杓を持ってお墓の周りを綺麗にしていく。

久:この辺、汚れ溜まりやすいから気を付けて?

〇:了解

しばらくしてお墓が綺麗になった。

愛:…お線香あげる人から……

お線香に火を点けた愛萌がみんなに配っていく。

ひより:……。

芽依:……。

陽:……。

〇:……。

菜:……。

美:……。

ひなの:……。

史:……。

久:……。

愛:……。

順に線香をあげ、手を合わせていく。

愛:……もうすぐ13年か…

〇:……だね…

2011年の震災で亡くなった佐々木家の両親。三月には亡くなってから13年を迎える。

久:…パパ、ママ、また来るね……

立ち上がり、十人はお寺を後にした。

ちょうどお昼時だったので、近くのお蕎麦屋さんに寄ることに。

(ガラガラガラ……)

店主:へいらっしゃい

久:お久しぶりです

店主:おぉ!久しぶり!大きくなったな~!

お墓参りのときはいつもこのお蕎麦屋さんに寄っており、店主とも顔馴染みだった。

席に着き、メニューを開く。

美:メニュー何にする?

陽:とろろそば

史:せいろそば

久:私も

〇:鴨南蛮

愛:せいろそば

ひより:カレーそば

芽依:ざるそば

ひなの:私もざるそば

菜:美玖は何にする?

美:何にしよっかな…?

菜:菜緒は…、卵あんかけそば

美:せいろそばかな…?

久:お願いします

店主:了解(笑)

しばらくしてお蕎麦がやってきた。

店主:はい、召し上がれ

全:いただきます

一斉に蕎麦を啜る。

陽:んんひ~!

店主:美味しそうに食べてくれると、おじちゃんも嬉しいよ(笑)

〇:ずっと変わらぬ美味しさ…

店主:(笑)

お蕎麦を食べ終えた〇〇たちはお会計をして、お店を出る。

両親のお墓参りに行った佐々木家です。

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