41-酷暑に見舞われる佐々木家
菜:ただいま~
ひなの:おかえり〜
大学の講義を終え、帰ってきた菜緒。荷物を玄関に置いてお風呂場へ向かう。
菜:はぁ~、汗でベットベト…
脱いだものを洗濯機にぶち込み、シャワーを浴びる。
菜:あぁ~、さっぱりした~
お風呂から上がり、バスタオルを巻いて自分の部屋に行く。部屋着に着替え、髪を乾かす。
菜:ひなの〜、お昼何食べた?
今日の大学がなかったひなのはリビングでくつろいでいた。
ひなの:冷凍庫のパスタ
菜:菜緒もパスタ食べよっかな〜
ひなの:もう1時過ぎだけど…
菜:大丈夫まだお昼だから
冷凍庫からパスタを取り出し、お皿に乗せてレンジで温める。
(チンッ)
菜:熱っつ…!
ひなの:そりゃそうでしよ(笑)
ひなのの向かい側に座り、パスタを頬張る。
菜:いただきます
ひなの:美味しい?
菜:うん
菜:…さすがにエアコンは入れてるのね?
ひなの:そりゃ外気温38℃でエアコンつけないのは自殺行為よ(笑)
節電のため26℃に設定されている佐々木家のエアコン。
菜:ごちそうさま
菜緒はパスタを食べ終え、流しに浸け置きする。
菜:ふぅ〜、…ひなのは今日バイトあんの?
ひなの:ない
菜緒はソファに寝転がる。
菜:……眠っ
ひなの:おやすみ
菜:おやすみ
菜緒が寝たあとも、ひなのはリビングでくつろいでいた。
ひなの:……暇だな…
スマホを閉じ、愛萌の部屋から本をいくつか拝借する。
ひなの:……。
(ピンポーン)
ひなの:は〜い
玄関のチャイムが鳴り、玄関に向かう。
(ガチャッ)
ひなの:はい
久:ただいま
ひなの:?早くない?
玄関を開けると、久美が立っていた。
久:ちょっと手伝ってくれない?
久美の後に続き車に行くと、ひよりが座っていた。
久:ひより、立てる?
ひなの:…熱中症?
久:うん
ひよりの腕を肩にまわし、支えながら家の中に向かう。階段を登り、ひよりのベッドに寝かせる。
久:氷持ってくるね?
ひなの:お願い
久美が部屋を出ていく。
ひなの:…気持ち悪いとかない?
ひより:大丈夫…
ひなのはそっとひよりの手を握る。
しばらくして、久美が持ってきた氷嚢を首や脇の下、膝の裏に置き、身体を冷やす。
久:…そんなに重症ってわけでもなさそうだし、しばらくすれば落ち着くでしょ
ひより:……喉乾いた…
久:了解、ひなのはうちわで扇いでおいてもらえる?
ひなの:分かった
久美が経口補水液を持って戻ってくる。
久:身体起こすよ?
ひより:うん
久:ゆっくりでいいからね?
(ゴクッゴクッ)
ひよりがコップ一杯に注がれた経口補水液を飲み干す。
久:……とりあえずお姉ちゃんは大学戻るから、ひなの後はお願いできる?
ひなの:オッケー
久:ひよりも安静だからね?
ひより:うん……
久美が大学に戻り、ひよりもまたベッドに横になる。
ひなの:…なんか、ひよりのちっちゃい頃を思い出すわ
ひより:ひよたんの?
ひなの:ちっちゃい頃は風邪拗らせて肺炎になったりしてたのよ?
ひより:…全然覚えてないけど、病院に入院してたのは覚えてる……
ひなの:言っても8年前とかだからねぇ
徐々にひよりのまぶたが重くなっていく。
ひなの:…もう寝るか、おやすみ
ひより:うん…
ひなの:なんかあったら電話して?下にいるから
ひなのはそっとドアを閉め、部屋を後にする。
菜:ひより、どうだった?
リビングに降りると、菜緒が目を覚ましていた。
ひなの:まぁ、熱中症じゃない?
菜:愛萌そっくり…
ひなの:愛萌お姉ちゃんはもう少し重い(苦笑)
暑さに振り回される佐々木家です。