
503-04組の沖縄旅行 最終日
〇〇:……。
四日目の朝、〇〇は陽の光で目を覚ます。
〇〇:…昨日の声、他の部屋まで聞こえてないといいけど…///
〇〇は隣で寝ている好花を起こさないようにベッドから出て、着替えて洗面所に向かう。
〇〇:……ふぅ~…、
タオルで顔を拭きながら、部屋のコーヒーメーカーを起動させる。
〇〇:……。
〇〇:…いい香り…、
〇〇はコーヒーの入ったマグカップを持ってソファに腰掛ける。
好花:💤……んっ…、
好花:……〇〇?
〇〇:んっ、おはよう
好花:……(笑)
好花:服着てんねや…(笑)
〇〇:あたりめぇだろ(笑)
好花:私も着替えよ〜、
好花も目を覚ましてベッドから起き上がる。
好花:…みんなに何か言われても〇〇の責任にするからね?(笑)
〇〇:何でだよ…!(笑)
◇
一方その頃、ひなのたちの部屋では、
祐介:💤💤
ひなの:……最悪なの…、
月経周期がズレて、ひなののシーツにシミがついていた。
ひなの:よりにもよって人様のホテルで……、
ひなのはスマホを取り出し、果歩に連絡を取る。
(ガチャッ)
果歩:ひなのちゃん?どうしたん…?
ひなの:ちょっと来て…?
ひなのは果歩にベッドの様子を見せる。
果歩:…あぁ〜……、
果歩:分かった、大丈夫、こういったトラブルの対処も料金内やから、
ひなの:ごめんね?
果歩:ううん(笑)
果歩:とりあえず祐介に見られないように布団整えとこ
ひなの:うん…、
果歩:……ナプキンある?
ひなの:万が一用に携帯してた一枚だけだったから、これから買い行く
果歩:そうよな、今のうち行ってき?
ひなの:うん、行ってくる
ひなのがコンビニに出かけたところで、果歩もホテルスタッフに連絡を入れる。
◇
そして朝ごはんの時間になり、一同はテラスで朝ごはんを食べる。
彩花:未来虹ちゃん、そっち持って?
未来虹:は〜い
すみれ:果歩はまだメイクしてんの?
〇〇:…あいつそんなメイクしないだろ、二度寝してるだけじゃね?
すみれ:有り得る…(苦笑)
ウェイター:朝食お持ちしました
美玲:ありがとうございま〜す
明里:美味しそ〜う!
ひなの:いただきま〜す!
祐介:早ぇな(笑)
すみれ:果歩起こしてくる
彩花:いってらっしゃい
一同は次々と席について朝食にありつく。
果歩:…すんごいこぼれる…(苦笑)
祐介:クロワッサンやからそれはしゃあない
〇〇:……ほんで正恭、美穂
正恭、美穂:ん?
〇〇:交際おめでとう(笑)
全員:……。
全員:!?!?!?
全員:えぇぇぇぇ〜〜〜!?!?!?!?!?
正恭:なっ、おまっ、何で知ってんだよ!?
彩花:待って!二人付き合ったの!?(笑)
美玲:早く言ってよ〜!(笑)
明里:おめでとうございます!!(笑)
すみれ:ていうか今まで付き合ってなかったん!?(笑)
ひなの:ホントだよ!(笑)
美穂:いや、なんかその場の雰囲気でね…(笑)
正恭:〇〇は何で知ってたんだよ?(笑)
〇〇:…いや、別に知ってた訳やないで?(笑)
美穂:じゃあなんで?
〇〇:昨日の夜中に美穂から『明日の飛行機って何時だっけ?』ってメッセージ来たやろ?
好花:グルチャのやつ?
未来虹:うん、それは知ってる
〇〇:でも美穂って別にそんなの気にするタイプじゃないんね?修学旅行のスケジュールも把握してなかったような奴やし、
〇〇:だから、何らかの理由で変にハイテンションになってたんだな、と思ってカマかけた
ひなの:でもお酒の勢いで、って可能性もあるじゃん
〇〇:あいつ誕生日24日だからまだ飲めねぇぞ?
彩花:別の理由でハイテンションになってた可能性は?
〇〇:だからカマかけたんやろ?
〇〇:付き合ってなかったら『付き合ってねぇよ』『はよ付き合えや』で終わるやん(笑)
全員:確かに……(笑)
美玲:とにかくおめでとう!二人とも…
全員:おめでとう〜!!
正恭:ありがとう(笑)
美穂:いや〜ん、なんか照れちゃう(笑)
◇
そんな朝食を終えて、一同は部屋に戻って荷物をまとめる。
好花:さすが幼馴染やな
〇〇:まぁね〜(笑)
好花:この旅行でカップル二組誕生か〜(笑)
〇〇:まぁ何となく予感はしてたけどね、
好花:勘?
〇〇:こればっかりは勘だよ(笑)
◇
そしてホテルをチェックアウトして、荷物を車に積み込む。
〇〇:それじゃあお世話様でした
彩花:ありがとうございま〜す
総支配人:またお越しくださいませ〜!
車はホテルスタッフに見守られながらロータリーを出て、砂山ビーチに向けて走り出す。
果歩:💤💤
ひなの:…にしても、まさかこんなのんびりするとは思わなかったよね(笑)
未来虹:マリンスポーツやる予定だったのに、もう空港に行く時間まで一時間半くらいだもん…(笑)
祐介:…まぁなんだかんだ朝食で1時間以上使ってたからな
美玲:そんなことある?普通…(笑)
すみれ:酒飲んでんじゃないかって言うくらい二人のこと弄んでたもんなぁ…(笑)
ひなの:最悪すぎる…(笑)
◇
そして砂山ビーチの駐車場に到着する。
彩花:サンダルとマリンシューズどっちがいいと思う?
明里:サンダルです
〇〇:早く履き替えろ、鍵閉めるぞ
彩花:(笑)は~い、
車を降りてビーチに向かう砂山を上る。
ひなの:…デジカメどこやったっけ?
美玲:ひなのちゃん?私持ってる(笑)
ひなの:あっ……(笑)
美玲:みんな~!はいチーズ!
(パシャッ)
そうしてビーチが見えてくる。
美穂:おぉ~!
彩花:綺麗~!
好花:(パシャッパシャッパシャッ…)
明里:いぇ~い✌
好花:(笑)
すみれ:砂がサラサラ~…!
果歩:土地ごと持って帰りたいね
〇〇:(笑)土地条件だけじゃねぇと思うぞ?
祐介:宮古島の気象条件だからこのサラサラなだけやからな(笑)
ひなの:男性陣は夢が無いね~…(苦笑)
正恭:ひとくくりにされた……(苦笑)
美穂:(爆笑)
一同はビーチを散策する。
明里:なんかいい漂流物無いかな~
〇〇:…まぁ間違っちゃないが言い方あるだろ…(笑)
ひなの:ん~……、
未来虹:何かいいのあった?
ひなの:無い
未来虹:(笑)
彩花:鮮やかな貝殻とかあればいいんだけどね~、
美玲:それ絶対触っちゃダメなやつ…(笑)
彩花:そういう鮮やかじゃないです(笑)
◇
そして一行は何も拾わず車に戻る。
〇〇:最後どこか一か所くらい行く?
祐介:…いや、飛行機に乗り遅れたらシャレにならんから空港向かおう
美玲:だね、
〇〇:OK
一行は車に乗り込み、空港に向かう。
◇
〇〇:ありがとうございました~、
店員:またのご利用をお待ちしております
レンタカーを返却して空港に向かった一行は、カウンターでチェックインを済ませる。
〇〇:…手荷物検査の時間考慮してもあと40分くらい時間あるから、お昼ご飯と追加のお土産と済ましちゃって?
2階に上がり、各々お店に寄る。
ひなの:お兄ちゃん何食べる?
〇〇:ラフテーそば
ひなの:じゃあ私も、
ひなのと〇〇はそば屋の券売機で食券を購入し、店員さんに渡す。
ひなの:…カレカノの異性のきょうだいって嫉妬の対象?
〇〇:…知らねぇよ、芽実ちゃん女の子だし…(笑)
ひなの:祐介くんも一人っ子だからな~…、
〇〇:…でも好花は、俺がきょうだいと取っ組み合いしてようが添い寝してようが気にしない、
好花:でも、彩花や美穂含め他の女子とのスキンシップは認めないって言われたな…、
ひなの:そりゃそうでしょ(笑)よく家族は認めたね、取っ組み合いなんてそうそう無いけど、
そばが到着し、二人は手を合わせる。
〇〇:…そう言うひなのはどうなの?藤嶌とかすみれちゃんとの関係はどこまで認めるん?
ひなの:…三人でご飯食べたり遊んだりする分にはあんま気にしないかな…?
ひなの:一対一になったらちょっと不安だけど…、
〇〇:まぁそうよな…、
ひなの:お兄ちゃんは好花ちゃん以外と二人っきりになることは…?
〇〇:ん~……、無いかな…?
ひなの:じゃあいいや
〇〇:(笑)
◇
一同は再集合し、関西組は一時間後の便に乗るため、ここで長崎組は分かれる。
〇〇:…別れの挨拶してきな、
ひなの:うん
果歩:…祐介、いってらっしゃい
祐介:おう…、
ひなのと祐介は一団から少し離れて話をする。
ひなの:…これからしばらく会えなくなるね、
祐介:うん……、でも会いに行くから、
ひなの:……。
ひなのが寂しさからうつむく。
祐介:ひなのさん…、
ひなの:……ひなのって呼んで?うちも祐介って呼ぶけん、
祐介:…ひなの、
ひなの:祐介……(涙)
二人の顔が近づき、唇を交わす。
祐介:…週に一回、日曜日は必ず電話しようね、
ひなの:うん……(涙)
祐介:…大好きだよ、
ひなの:…私も……、
最後にギュッと抱きしめ合って、ひなのは手荷物検査をくぐる。
祐介:👋
ひなの:👋
祐介はひなのの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
◇
そして他の一同は一足先に手荷物検査を通過して飛行機に乗り込んでいた。
美玲:荷物入れたら奥行って?
美穂:は~い
正恭:よっこいしょ…、
美玲:…あっという間だね、
正恭:…すっごい濃い四日間だった気がします(笑)
美穂:私もです(笑)
やがて飛行機が動き出し、離陸する。
ひなの:……。
未来虹:…よしよし…、
ひなの:……(笑)
彩花:次に祐介くんに会えるのはひな誕祭かな~…?
ひなの:…それまで会えないんだったら私が京都まで飛ぶよ……(笑)
未来虹:いや、祐介を長崎に強制招集でしょ(笑)
彩花:金持ちだし(笑)
◇
そして、那覇空港・福岡空港・博多駅・武雄温泉駅を経由して長崎駅に到着する頃には18:20を回り、辺りはすっかり暗くなっていた。
明里:疲れた~……、
美玲:もう少しだよ、頑張って…!(笑)
一行は在来線に乗り換え、それぞれの家の最寄り駅を目指す。
アナ📢:まもなく※※、※※、お出口は右側です
彩花:じゃあね
〇〇:おう、またな
美玲:おやすみ~
一番初めに彩花が最寄り駅で電車を降りる。そして、
〇〇:ひなの、降りるぞ
ひなの:んっ…、
明里:おやすみなさ~い
未来虹:おやすみなさい
美穂:バイバ~イ
〇〇たち四人も自分たちの最寄り駅で降りる。
明里:重たっ……!
未来虹:はぁ……(苦笑)
ひなの:(笑)
改札をくぐりロータリーに出ると、
久美:おかえり~
史帆:やほ~(笑)
髙橋姉:おかえり~(笑)
久美と史帆と未来虹のお姉ちゃんが車で迎えに来ていた。
菜緒:おかえり~(笑)
ひなの:(笑)お姉ちゃんたちも今日帰ってきたのか…(笑)
史帆の車の中にはヨーロッパから帰ってきた大四組の姿が。
久美:荷物トランクに詰めたら後ろ乗って?
〇〇:んっ…、
髙橋姉:明里ちゃんもこっち乗ってって?
明里:ありがとうございます…!(笑)
ひなの:じゃあ未来虹ちゃん、明里ちゃん、ゆっくりおやすみ
〇〇:おやすみ
未来虹:おやすみ、二人もゆっくり休んでね
明里:おやすみなさ~い
〇〇とひなのは二人に別れを告げて美玖の車に乗り込む。
〇〇:はぁ~…、懐かしい匂いがする…、
久美:(笑)四日間の沖縄旅行はどうでしたか?
〇〇:楽しかったよ、二・三週間くらい行ってた感覚だけど…(笑)
久美:そんだけ楽しめたんなら良かった、
ひなの:もう動けないから荷物整理明日でいい?(笑)
久美:ダメって言ったって出来ないでしょ(笑)
◇
そして自宅に到着すると、トランクから荷物を降ろす。
〇〇:…どんな荷物量だよ…(苦笑)
美玖:…ちょっとね(笑)
菜緒:まぁまぁ、ご愛嬌ってことで(笑)
愛萌:……(苦笑)
すると玄関から末っ子組が出てくる。
陽菜:おかえり~!
ひなの:ただいま(笑)
ひより:…どんな荷物量してんの…(苦笑)
芽依:とりあえずリビングの掃き出し窓開けてくる
久美:お願い
一同は荷物を掃き出し窓から家の中に運び込む。
◇
史帆:…これで全部?
美玖:たぶん…、
史帆:OK、鍵閉めるよ
ひより:お風呂追い炊きしといたからよろしく
久美:ありがとう
既にお風呂に入った末っ子組を除く七人は順にお風呂に入る。
◇
〇〇:風呂入ったら一気に眠気襲ってきた…、
ひなの:💤💤
菜緒:💤💤
美玖:大丈夫よ、既に陥落してる人いるから…、
陽菜:じゃあお土産見して~
愛萌:(笑)じゃあ先ヨーロッパ組から
美玖:菜緒起きて
菜緒:んっ……、
大四組はスーツケースを開けて、中からお土産を取り出す。
美玖:…まず久美お姉ちゃんと史帆お姉ちゃんにペアマグカップ(笑)
久美:(爆笑)
史帆:え~、可愛い~(笑)
菜緒:次に、〇〇とひなのにネクタイピンとバレッタ
〇〇:…おぉ、いいデザインじゃん
ひなの:フォーマルな場所でも使えそう…、
愛萌:そして子供たち三人には…お揃いのジャケット、たぶんサイズ合ってるはず
ひより:着こなしムズっ…(笑)
陽菜:ひよたんならいける(笑)
芽依:ちょっと袖通してみる
ひなの:…うん、中のシャツの明度ちょっと抑えれば合わせやすそう
美玖:最後に全員にポストカード、ちょっと恥ずかしいからここで読まないで?///(笑)
久美:えぇ~、手紙書いてくれたの~?(笑)
愛萌:大学卒業して社会人になる節目に、伝えたい思い伝えようと思って…(笑)
史帆:後でたっぷり読ませてもらう~(笑)
陽菜:じゃあ次、お兄ちゃんたち…!
〇〇:はい…(笑)
〇〇たちもスーツケースを開ける。
〇〇:まずは、みんなで食べるように買ってきた食品類諸々
美玖:へぇ〜、雪塩って色んな味があるのね…、
〇〇:それはどちらかというと、雪塩を使ったふりかけ(笑)
〇〇:お肉とかにかけても美味しいらしい
久美:じゃあ今度の焼肉で使ってみよっか
〇〇:あとソーキとかも買ってきたから、
愛萌:めちゃくちゃ飯やん…(笑)
ひなの:お兄ちゃんほんとどこ行ってもご飯だったもんね〜(笑)
〇〇:(笑)…でもう一つが、アクセサリー各種
ひなの:八個買ってきたから好きなの選んで?
陽菜:え〜、どれにしよ〜
芽依:迷う……(笑)
ひより:…ひよたんこれ
久美:でさ、二組はそれぞれどんな旅行だったの?
美玖:私たちはまぁ、フランスからドイツ・オーストリア・イタリア・スペイン・ポルトガルって周って来たけど…、
ひより:どこが一番良かった?
菜緒:良かったのは……フランスとイタリア辺り?
愛萌:でもポルトガルも良かったよね
美玖:…あんたはめちゃくちゃサービスしてもらってたもんね(笑)
〇〇:さすが……(笑)
史帆:〇〇たちはどうだったの?
〇〇:……(笑)
〇〇:自分の口から報告しな?(笑)
ひなの:(笑)
ひなの:…祐介くんと付き合うことになった(笑)
八人:!?!?!?
久美:マジで…!?(笑)
陽菜:おめでと~!!
ひより:よかったじゃん!(笑)
史帆:ひなの~…!(笑)
ひなの:(笑)
◇
深夜3時、
〇〇:乾杯
菜緒:乾杯
〇〇と菜緒はラフテーが食べたくて晩酌をしていた。
菜緒:…んっ、美味しい
〇〇:レンジじゃなくて湯煎調理した方が味がしっかりしそう…、
菜緒:(笑)
菜緒:…でさ、ひなのが祐介くんと付き合った時、正直どう思った?
〇〇:…正直な気持ち?
菜緒:うん、
〇〇:……。
〇〇:……まぁ一番胸に来たのは、ひなのも祐介くんのことが好きなんだな、って気付いたとき、
〇〇:『ひなのは祐介くんと結ばれて、俺の元を旅立っていくんだな』って理解するっさな…、
菜緒:……シスコンだな、
〇〇:うるせぇ(笑)
菜緒:……家族に自分たち以外に大切な存在が出来る、って喜ばしい反面、寂しくも感じるっさ…、
菜緒:それが幼かころから行動を共にしてきた双子やったら尚更…、
〇〇:……。
〇〇は、好花と付き合い始めた数日後、ひなのにドライブに誘われたことを思い出す。
〇〇:……そっか…、
〇〇は一年越しに当時のひなのの心境を理解することが出来たのだった。