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16-○○とひなのの誕生日
〇:うわぁ~、寒っ
午後六時、〇〇が高校の昇降口を出ると、口から白い息が出る。
〇:もう十一月だしな…って、待てよ…今日俺の誕生日じゃね?
今朝家を出るときに、史帆に「今日は早く帰ってきてね~」と言われていたことを思い出した。スマホの待ち受けには十件を超える着信履歴が映っていた。
〇:やべっ、早く帰らないと…
小走りで、最寄りの駅に向かう。
〇:やばいやばい、早くしないと…
ひなの:お兄ちゃん、こっち
家の最寄り駅に着き、改札を出ると、ひなのが待っていた。
〇:ひなの?何でここで待ってるの?
ひなの:どうせ忘れてるんだろうなぁ…と思って
〇:ほんとゴメン!!
ひなの:ほら、行くよ(笑)
〇〇とひなのは家の近所のバス停でバスを降りた後、早歩きで家に向かう。
〇ひなの:……ただいま~…
家族が怒っているのではないかと、戦々恐々としながらリビングのドアを開けると、
(パ~ン🎉🎉)
全:HAPPY BIRTHDAY!!
ひなの:ありがと~
〇:あはは~…ありがと~
史:〇〇!朝言ったよね!
〇:大変申し訳ございません…
陽:せっかく陽菜たちが準備したのに
菜:まぁ…〇〇らしいといったら〇〇らしいけど…(笑)
久:とりあえず二人は手洗いうがいしてきて、その間に準備しちゃうから
〇ひなの:はい
〇〇とひなのが洗面所から戻ってきて、全員が席に着く。
美:じゃあ芽依、音頭お願い
芽:お兄ちゃんとひなのお姉ちゃんの誕生日を祝して乾杯!
「「乾杯!」」
〇〇とひなのの誕生日を祝う佐々木家です。