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第六話
菜緒:清水坂は観光客が多いから気ぃつけてな?
陽子:はい、いってきます!
菜緒:いってらっしゃい
清水寺の駐車場に降りて、徒歩で二年坂・産寧坂をのぼっていく。
すみれ:ほんとに人が多い〜
〇〇:渡辺さん、はぐれないでよ?
莉奈:子供扱いされた〜(笑)
人混みをくぐり抜けて、拝観券を購入して清水寺の中に入る。
〇〇:わぁ〜、綺麗〜
すみれ:ね〜
清水の舞台から景色を眺めていると、
瑶季:あっ!莉奈たちじゃん!
果歩:やっほ〜!
例の子たちと鉢合わせた。
陽子:みんなも清水寺来てたの?
瑶季:地主神社で恋愛成就祈願したいじゃん…!(笑)
果歩:陽子たちはこの後どこ行くの?
陽子:この後清水坂で食べ歩きする
果歩:へぇ〜、私たちはこの後下鴨神社に行くの
理央:陽子たちも行く?
陽子:行かないよ(笑)班別行動だし…
理央:えぇ〜?
ふと目が合う。
理央:いいじゃん、自由行動なんだし〜
〇〇:……。
果歩:理央、もう止めな?
理央:は〜い、またね〜
瑶季:バイバイ〜!
すみれ:バイバイ〜
帆夏:…〇〇さん?
〇〇:どうしたの?
帆夏:…ううん、何でもない(笑)
〇〇:何それ(笑)
陽子:はいみんな!写真撮るよ〜!
正源司さんが舞台を背景にカメラを構える。
莉奈:デジカメで自撮りって前代未聞だけど…(笑)
陽子:はい、入って入って!
画角に収まるように身体を寄せあってシャッターを押す。
(パシャッ)
すみれ:…撮れた〜?
陽子:…こんな感じ
帆夏:おぉ!上手く撮れてる…!
〇〇:…じゃあぐるっと見て回ったら外行く?
陽子:そうね〜
◇
外に出てきた私たちは沿道のお店で食べ歩きをして回る。
すみれ:美味しい〜
帆夏:んっ!めちゃくちゃ美味しい…!
陽子:みんなここでお土産とかも買ってよ〜?
私たちはとあるお土産屋さんに入り、家族へのお土産を購入する。
店員:小分けの袋入れておきますね
〇〇:ありがとうございます
店員:ありがとうございました〜
買い物を終えた私は一足先にお店の外に出る。
〇〇:……。
そしてお店の外で四人を待っていると、
外国人:Excuse me, I need to get to the location on this map...
外国人観光客に話しかけられた。
〇〇:あ〜、え〜っと…、
〇〇:follow me,please…
外国人:Thank you very much, that helps.
私は地図の指された場所に向けて観光客を連れていく。
…………………………
陽子:…あれ?〇〇さんは?
帆夏:まだ買い物中かな…?
莉奈:探してくる
買い物を終えてお店から出てきた正源司さんたちは私の姿が見えず、店内外を探す。
すみれ:どこにもいないよ〜
陽子:タクシーに戻っちゃったんかな〜?
四人は私を探しに駐車場の方へ行ってしまった。
…………………………
〇〇:Here…?
外国人:Here it is! Thank you very much!
〇〇:You're welcome…
案内を終えた私は四人に合流するため、お土産屋さんに戻る。
〇〇:…まだ買い物してんの…?(苦笑)
お店の外にまだ誰もおらず、私はお店の中を探す。
〇〇:……なんで誰もいないの…?
お店の中にも誰もおらず、私の頭の中にはあることがよぎる。
――――――――――
果歩:私たちはこの後下鴨神社に行くの
理央:陽子たちも行く?
理央:いいじゃん、自由行動なんだし〜
――――――――――
〇〇:……。
(…クシャッ……)
〇〇:…っ……(涙)
(ビリッ!ビリッ!ビリッ!)
〇〇:…最っ低……(涙)
〜続〜