
32-教師にブチギレたひより
芽依:行ってきま〜す
久:はい、行ってらっしゃい
朝6時、芽依が学校へ登校する。
芽:ふぁ〜、眠い〜……
※:芽依、おはよ!
芽:おはよ
道中、部活のメンバーと合流した。
※:朝練だるくない?まだ6時過ぎだよ?
芽:まぁ部活だから諦めてる
※:(苦笑)
しばらく歩くと、学校に到着した。
顧問:佐々木〜、※※〜、着替えたら順次アップに入れ〜
芽※:はい!
そんなこんなで7:50頃に朝練が終わり、教室へ向かう。
ひより:芽依、お疲れさん
芽:あぁ、ひよたんずっとここで待ってたの?
ひより:待ってたっていうか練習を見てた
芽:なんか恥ずかしいんだけど(笑)
そんなことを話しながら、2人は教室に入り席に向かう。
※:芽依おはよう
芽:おはよう
※:数学の課題やってきた?
芽:うん
※:ひよりも?
芽:さぁ?…ひよた〜ん!
ひより:何〜?
荷物を置いたひよりが芽依の元にやってくる。
芽:数学の課題やった?
ひより:……課題あったっけ…?
※:…やってないな
ひより:芽依、お願い!見せて?
芽:やだ
ひより:ねぇお願い〜!
芽:自業自得でしょ?なんで昨日芽依がやってる時にやらなかったの?
ひより:だって〜……
そんな押し問答をしていると、
(キーンコーンカーンコーン)
芽:ほら、チャイム鳴ったから席戻って
ひより:え〜、見せてよ〜
ひよりは芽依に無理やり席に押し戻される。
そして、数学の時間。
先:それじゃ課題の答え合わせ行くぞ〜、ちゃんとやってきたか〜
出席番号順に次々と指されていき、ついに2人の番に。
先:次の大問3の(4)を…、佐々木の姉の方!
ひより:はい……
先:やってきたか?
ひより:やってないです
先:だろうな、じゃあ佐々木妹!
芽:💤💤
※:…寝てますね
先:はぁ〜、姉妹揃ってどうしようもないな
ひより:……は?
先:…何だよ?
ひより:私は課題やってないから貶されてもいいですけど、朝練で疲れて寝ているだけの芽依を貶すのはお門違いです
先:どうせ部活部活でやってないだろ?
ひより:……チッ、憶測で物事を語るのが教師なんか?ふざけるなよ?
そのままひよりは教室を飛び出してしまった。
先:……何だよ…
※:先生、教職としてあるまじき発言でしたよ?
(トントン)
※:芽依、起きて?
芽:ん?芽依指された?
※:指されたけど、それよりも大変なことになってる
そう言って※※がひよりの机を指差す。
先:佐々木妹は課題やってきたのか?
芽:えぇ、それよりひよたんは?
※:先生にブチ切れて出ていった
芽:……何したんですか?
先:片方は課題やってないしもう片方は寝てるしで『姉妹揃ってどうしようもないな』って言ったらこうなった……
芽:……何してるんですか…、私探してきます
そう言って、芽依も教室を飛び出した。
芽:ひよたん……、どこにいるの……?
ひよりの行きそうなところを色々探すが、なかなか見つからない。すると、他クラスで授業していた先生に声をかけられる
先:そこの2年生、授業中だぞ?
芽:それが…、三つ子の姉が先生と喧嘩して教室を飛び出してしまって……
先:何?名前は?
芽:私は2年1組の佐々木芽依で、姉は佐々木ひよりです
先:分かった、他の先生にも協力を仰ぐ!悪いけどみんな自習しててくれるか?
その先生と一緒に職員室に向かう。
先:※※先生?今授業中では?
先:2年生の生徒が教室を飛び出して行方が分からないみたいで……
先:!?分かりました、…後ろの生徒は?
先:その生徒の妹です、この生徒が教えてくれて…
教頭:その生徒の名前は?
芽:2年2組の佐々木ひよりです
先:佐々木ひよりさん…ですね?
教頭:私が詳しい事情を聞くので、他の先生方はその生徒の捜索に向かってください
教頭は芽依に詳しい事情を尋ねる。
教頭:まず君の名前を教えてもらえる?
芽:佐々木芽依です
教頭:君も2組でいいのかな?
芽:はい
教頭:じゃあ、どういう経緯でお姉さんが出ていったのか教えてもらえる?
芽:…うちのクラスは数学の時間だったんですけど、姉は課題をやっていなくて先生に指されても答えられなくて、次に私が指されたんですけど朝練の疲れで寝てしまっていて気づかなかったら、先生が『姉妹揃ってどうしようもないな』って言ったらしくて、それに姉が激怒してそのまま出ていったみたいです
教頭:なるほど……、分かった、私は2組に行くから芽依くんはお姉さんの捜索に加わってくれる?
芽:はい
そして、芽依は再びひよりの捜索に向かう。
先:あ、お姉さん見つかった?
芽:いえ、まだ見つかってないです
先:そうか〜
芽:校外に行った可能性無いですかね?
先:それなら他の先生が何人か学校周辺を捜索しているから……
芽:そうですか……
捜索中の先生と遭遇するが、まだひよりは見つかっていないようだ。
芽:…携帯あります?
先:あるけど……
芽:家にいる姉に電話します
芽依は先生のスマホを借りて、休講で家にいる菜緒に電話をかける。
菜📞:もしもし、佐々木です
芽📞:お姉ちゃん?
菜📞:芽依?どうしたの?
芽📞:ひよたんが先生と喧嘩して教室飛び出して、今行方が分からないの
菜📞:え!?分かった、今からそっちに向かう
数十分後、菜緒が学校に到着する。
菜:すみません、ひよりの姉の佐々木菜緒です
先:お姉さん、わざわざすみません
菜:ひよりは?
先:まだ見つかっていません
菜:芽依、ひよりが出ていった理由分かる?
芽:うん
芽依が事情を話すと、
菜:なるほどね……
菜:…芽依、その先生の家の場所って分かる?
芽:家?まぁ大体の場所なら……
菜:すみません、車だしてもらってもいいですか?
先:分かりました、少々お待ちください
しばらくして、先生が車を近くにもってきた。
先:乗ってください
菜:すみません、失礼します
先:このまままっすぐ向かって大丈夫ですか?
菜:少し遠回りになっても構わないので、県道などの広い道路を通って向かって下さい
先:分かりました
そうして、先生の運転する車でひよりを捜索する。
芽:…でもなんで広い道路なの?
菜:行き先表示の看板を頼りに向かっているだろうから…
芽:ふ〜ん、……あれ?
先:いた?
芽:お姉ちゃん、あれ
芽依の指さす方には反対車線の歩道をひよりらしき人影が歩いていた。
菜:あそこの脇道右折してください
先:はい
車を停車して、菜緒と芽依は車を降りる。
菜:…やっぱりひよりだよね
芽:うん
2人はひよりに駆け寄る。
ひより:!?なんで2人が?
菜:ひよりが行方不明になったって電話が来たんだよ
芽:ひよたんが芽依を庇って怒ってくれたって聞いたから……
ひより:……。
菜:ほら、帰るよ?
ひより:……。
ひよりは黙って静かに歩き出す。
菜:すみません、見つかりました
先:良かった……
そのまま4人で学校へ戻る。
教員用駐車場では、事態を聞きつけた校長、教頭、その他数人の先生方、そして学校から連絡をもらった久美と史帆、美玖が待っていた。
先:ひよりさん、無事見つかりました
先:良かった〜……
菜:先生方、ご迷惑をお掛けしました
久:本当に申し訳ございません
年長組が頭を下げる。
美:ほら、ひよりも謝りなさい?
ひより:…すみませんでした
校長:とにかく見つかって良かったです、……あとは当該教師の処分ですね…
校長:今日はもう遅いですから、改めて話し合いの場を設けさせていただきます
久:分かりました、では失礼します
史:お世話様でした
6人で車に乗り、家に帰る。
久:……ひより、大丈夫?
ひより:うん……
波乱の1日となった佐々木家です。