
85-みんなで年越し
大晦日の夕方、佐々木家は大忙しだった。
陽:お蕎麦、どのくらい延ばせばいい?
〇:…もう少し延ばしていいよ、1.3㎜
久:芽依、天ぷら粉混ぜれた?
芽依:うん
佐々木家の10人+佐々木姉妹、松田姉妹、彩花で年越しをすることに。
〇:油の温度は?
久:大丈夫
芽依:はい
久:どうも
(ジュワァァァ)
陽:おぉ、すごい音!
ひなの:陽菜は自分の手元に集中しなさい
陽:あげる!
そう言って、陽菜はひなのに麺棒を渡してキッチンに行ってしまった。
ひなの:あげるって……(苦笑)
〇:変わるよ
ひなの:ありがと
〇〇が陽菜の代わりに蕎麦生地を延ばす。
美:…うどん屋でアルバイトしてんだっけ?
〇:うん
美:どうりで上手いわけだ
〇:(苦笑)
菜:ただいま~
すると、買い出し組が帰ってきた。
久:おかえり
愛:今どんな感じ?
〇:蕎麦は、これとあともう一枚延ばしたら、切って茹でる。
久:天ぷらは、今揚げ始めたところ
史:何か手伝えることある?
〇久:洗い物
史:了解(笑)
ひより:ひよたんも麺延ばした~い
〇:ちょい待ち
延ばし終えた麺を別の場所に移し、ひよりに場所を譲る。
〇:じゃあまず、両面に打ち粉をまぶす
ひより:ほい
〇:そしたら、均等に延ばしていく
ひより:ほう…
ひよりが打ち粉を生地に擦りこみ、麺棒で延ばしていく。
〇:そしたら、一方向からだけじゃなくて、回したりひっくり返したりしていく
ひより:へぇ~、さすが(笑)
そして、生地を全て延ばし終えた。
久:愛萌、肉と野菜切り終わった?
愛:うん、今出汁の準備中
〇:天ぷらは終わったの?
久:第一陣は
〇:了解
〇〇達は麺を切り出す作業に移る。
〇:そしたら、久美姉ちゃんの足元の引き出しから包丁二本持ってきて
史:ここに出してある
ひより:どうも~
〇:一本は美玖姉ちゃんね
美:ほい
〇:そしたら、切り幅も1.3㎜で切っていく
ひより:了解
最初に〇〇と美玖で切っていく。
〇:…こんな感じ
ひより:うい
ひよりにバトンタッチし、ひよりが切り出していく。
〇:もう気持ち細く
ひより:ん~
美:こんなもん?
〇:いいんじゃない?
◇
麺の準備も終わり、茹でていくことに。すると、
(ピンポーン)
久:…マジか
芽依:芽依行ってくる
(ガチャッ)
芽依:いらっしゃいませ
み:お邪魔します
好:これお土産ね
芽依:ありがとうございます
5人が到着し、リビングへと向かう。
久:いらっしゃ~い
み:お邪魔します
愛:ごめんね~、まだ準備が終わってないのよ~
ぱ:すいません、早すぎましたか?
菜:ううん、大丈夫(笑)
好:手伝いますよ
久:ありがとう、助かる、この天ぷら向こうに持ってってくれない?
好:了解です
み:ゴミまとめちゃいますね
菜:ありがとう
〇:彩花、ちょっといい?
彩:どうしたの?
〇:レンジの上のお盆にラップ敷いて持ってきてくれない?
彩:分かった
〇:ごめん(苦笑)
ぱ:…私たちどうしよっか?
芽実:どうしましょ?(笑)
〇:そこの現役コンビ
ぱ芽実:っはい(笑)
〇:悪いんだけど、ここの床掃除機かけてもらってもいい?そこに掃除機あるから
ぱ:了解です
彩:〇〇、持ってきたよ
〇:サンキュ、そしたら鍋に水張って沸かしといてもらえる?
彩:りょ
〇〇が切った麺をお盆に乗せていく。
〇:蕎麦通りま〜す
久:は〜い
彩:強火でいい?
〇:とりあえず沸くまではいいよ
そして沸騰してきたので、火の強さを弱める。
〇:Hey Siri、タイマー20分セットして
蕎麦を半分鍋に入れ、タイマーをセットする。
彩:全部は入れないの?
〇:入りきらないだろ…(苦笑)
久:〇〇、天ぷら終わったからこっちのコンロも使っていいよ
〇:分かった
〇〇はもう一つ鍋を取り出し、水を入れて火にかける。
陽:お兄ちゃん、あとどんくらい?
〇:…二つ目茹で始めたばっかだし、あと20分かね~?
陽:長~…
史:気長に待つしかない…(苦笑)
◇
そして20分後、蕎麦が茹で上がった。
〇:熱つつつ……
流しの水を出し、ざるにあける。
〇:う~わ、すんげえ湯気(笑)
彩:もう片方も行くよ~
〇:あいよ~
二つのざるになみなみにはいった蕎麦。そのまま冷水で締めていく。
〇:陽菜~、お皿とって~
陽:は~い!
水受け皿を下に置き、蕎麦をリビングのローテーブルまで持っていく。
〇:お待たせしました~(笑)
ひより:よっ、待ってました!(笑)
蕎麦をテーブルの中央に置き、ソファに座る。
菜:はい
〇:ありがと
菜緒からつけ出汁を受け取る。
久:じゃあ全員、手を合わせて
全:いただきます
各々が蕎麦や薬味、天ぷらや付け合わせを取っていく。
史:熱っつ…!
芽依:ちゃんと冷ましなよ…(苦笑)
芽実:んっ!むっちゃ美味っ!
〇:(笑)ありがと、珍しいね、こんなリアクションするなんて…(笑)
菜:これ何の天ぷら?
美:…鱚の天ぷらじゃない?
み:どれですか?
美:これ…
陽:いただきま~す
み:(笑)じゃあ私も
久:遠慮しないで食べてね?
ぱ:いただいてます(笑)
好:天ぷら揚げるの上手いですね
久:そう?ありがと(笑)
ひより:つけ出汁のおかわりある?
愛:あるよ
彩:私もお願いします(笑)
愛:は~い(笑)
ひなの:待って、お蕎麦が取れない…(笑)
〇:しょうがないな…(苦笑)
◇
そして一時間も経つ頃には、
〇:…すげぇ…、あんなにあった蕎麦が全部なくなってる…(笑)
蕎麦が全てなくなっていた。
陽:ふぅ~、お腹いっぱい…
久:もういい?片付けるよ?
史:どうぞ~?
〇:よろしく…
久:はいはい…(苦笑)
み:手伝いますよ
久:ありがと
好:どこ運びます?
久:とりあえずゴミは捨てちゃって、流しに置いといてくれれば大丈夫
その間に、受験生の芽実は勉強道具を自分の膝の上に広げていた。
史:…皇海学園の高等部ってどんくらいなの?
〇:ん?……あぁ…、…そんなにじゃない?
ひなの:だめだよ、お兄ちゃんあれだから…(苦笑)
〇:なんだ?あれって…(笑)
食器を運び終えた好花も戻ってきて、単語帳を開く。
〇:…松田、もし勉強道具あるなら上で教えよっか?
好:じゃあお願いします
〇〇と好花は立ち上がり、二階の元〇〇の部屋に向かった。
好:今日は数学で
〇:了解
◇
(コンコンッ)
菜:二人とも、ココア持ってきたよ
〇:サンキュ
好:ありがとうございます…
菜緒が飲み物をもってきた。
菜:大丈夫?(笑)すごい疲れた顔してるけど…
好:心が折れそうです…
菜:聞いたよ?けやき大、視野に入れてるんだって?
好:そこなんですよ…、けやき大って文系志向のはずやのに数学が鬼ムズイんですよ……
菜:まあ、そこは気合いで行くしか…(苦笑)
〇:雑だな…(苦笑)
◇
さらに勉強を続けたところで、時計を見るとそろそろ年越しの時間だった。
〇:下行こっか
好:はい
下に降りると、まさに年越しの準備をしていた。
史:もうちょっとそっち持ってって?
〇:…ジャンプする気満々じゃん(苦笑)
リビングのローテーブルを史帆たちが動かしていた。
〇:芽実ちゃんは誰かに教わってたの?
彩:私たちが教えてた!(笑)
〇:あら、心配だ(笑)
彩:何でよ(笑)
久:ほらそこ、喧嘩しないでクラッカー持つ(笑)
久美がクラッカーをみんなに配る。
〇:ジャンプすんじゃないの?
久:史帆たちだけね?
好:(爆笑)
〇:恥ずかしい…(笑)
そして、そのときが来た。
全:10!
全:9!
全:8!
全:7!
全:6!
全:5!
全:4!
全:3!
全:2!
全:1!
全:HAPPY NEW YEAR!!
(パパパパンッ!!)
史:ふぅ~!
陽:いぇ~い!
〇:…床抜けそう…(苦笑)
みんなで年越しをした佐々木家と五人です