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第七話

菜緒:おかえり〜

駐車場まで戻ってきた正源司さんたち。

陽子:…〇〇さん帰ってきてないですか?

菜緒:〇〇ちゃんって…水色の浴衣の子?

莉奈:はい、お土産屋でいなくなってしまって…、

菜緒:いや、帰ってきてないで?

すみれ:どこ行っちゃったんだろ〜

菜緒:…私も探すわ、まだ遠くに行ってへんやろし…

運転手さんもタクシーから降りて、私を探す。

陽子:先生にも電話しないと……!

(プルルル……)

久美📞:もしもし、どうしたの?

陽子:先生!〇〇さんがいなくなっちゃいました…!

久美📞:えぇ!?

陽子:お土産屋さんで買い物してたらはぐれてしまって……!

久美📞:もう〜……、〇〇さんの電話番号とか分かる?

陽子:えっ?修学旅行にスマホ持ってきていいんですか?

久美📞:え、持ってきてないの?

陽子:だって持ってきたらダメって言ったの先生ですよ?私の班誰も持ってないですよ

久美📞:ここで真面目発揮しないでよ〜…

久美📞:…どこ行ったか見当ついたりしない〜?

陽子:分からないです〜……
…………………………
一方その頃、

〇〇:……。

私は清水坂を下って鴨川沿いまで出てきた。

〇〇:…いい人たちだと思ってたのに……(涙)

松原橋の欄干にもたれかかると、涙が頬を伝う。

〇〇:……はぁ〜…、

私は涙を拭い取り、そのまま鴨川沿いを北上する。

しばらく歩くと、白川筋を通りかかる。

〇〇:……。

私は立ち止まり、そのまま水路沿いに歩き始める。
…………………………
佐々木先生は正源司さんからの連絡後、すぐに他の先生方にメッセージを送る。

久美:[1組2班の〇〇〇〇が班からはぐれて行方不明です]

久美:[2班は現在清水寺にいます、〇〇はスマホを持参してないそうです]

史帆:[分かりました、2組の生徒にも目撃情報を募ってみます]

彩花:[祇園にいるので清水寺に向かいます]

俊彰:[万が一の場合、警察への捜索届も視野に入れておきましょう]

美玲:[でも確か〇〇さんって????????]



陽子:ダメ、こっちの方にはいない

すみれ:こっちもダメ……、

莉奈:ほんとどこ行っちゃったんだろ…

菜緒:…入れ違いの可能性ってあらへん?

莉奈:入れ違い…

菜緒:そう、何かの理由があって一時的にお土産屋さんを離れとって、戻ってきた時にみんなが居らなかったら……、

陽子:……あっ、

すみれ:何…?

陽子:まさかだけどさ、私たちが果歩たちと下鴨神社に行った、と勘違いしてたら……!?

帆夏:待って…!それじゃあ……!

莉奈:裏切られたと思って…、

すみれ:単独行動を始める……!

陽子:どうしよう…!〇〇さんの行き先なんて分からないよ…!?

ここで運転手さんが口を開く。

菜緒:…一つ気になってんけどさ、あの子…たぶんこの辺の子なんちゃう?

陽子:えっ?

菜緒:私の生まれの話なった時、京都の北の方ゆうて岩倉の名前が出てきてん

菜緒:多分やけど、関東の人で岩倉がパッと出てくる人おらんと思う

すみれ:…〇〇さん、ご両親亡くして引っ越してきたって言ってたけど、

帆夏:でもそんな話一度も…、

菜緒:一先ず私たちもこの近辺の行きそうな場所当たってみよ?


〜続〜

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