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72-ラブレターをもらう陽世
ある日、陽世が学校に登校すると、下駄箱に手紙が入っていた。
ぱ:おぉ〜……
手紙をカバンのポケットに入れ、靴を履き替える。
教室に入り、カバンを置いたら手紙の封を切る。
※:何それ?
ぱ:私の下駄箱に入ってた
興味を持った友人も手紙を覗き込む。
※:『放課後、中庭に来てください』だって(笑)
ぱ:勝手に音読すな!(笑)
どうやら、後輩からのラブレターのようだ。
※:行くの?
ぱ:そりゃ行くでしよ、呼ばれてんだから(笑)
※:偉いね(笑)
ぱ:※※は行かないの?
※:だって誰かも分からない相手じゃん
ぱ:それはそうだけど…
※:怖くない?相手の素性を知らないのよ?
ぱ:……いや、別に
※:…陽世はメンタル強いからね(笑)
ぱ:そんなことないわ(笑)
陽世は手紙を机の中に入れ、1時間目の準備を始める。
◇
そして放課後、荷物をまとめて中庭に向かう。
ぱ:…誰もいない……
中庭には誰もいなかった。
ぱ:はぁ……
呆れて帰ろうとしたとき、
ぱ:うわっ!
?:うぉ!
後ろからやってきた男子とぶつかりそうになった。
ぱ:すみません…!
?:あの…、佐々木先輩
ぱ:へっ……?
※:ラブレター送った※※です
ぱ:あ、あぁ…!なるほどね、いないから悪戯かと思っちゃった(笑)
※:HRそんな早く終わらないですよ(笑)
ぱ:…じゃあ、私をなんで呼び出したか教えてくれる?
※:……はい
お互いに向き直る。
※:佐々木先輩
ぱ:はい
※:先輩のことが好きです!付き合ってください…!
ぱ:…うん
※:……はい
ぱ:…私のどういうところを好きになったの?
※:それは……、先輩、前に女の子助けてたじゃないですか?
ぱ:女の子……?
※:眼鏡かけた2つ結びの……
ぱ:……あぁ!芽実ちゃん?
※:いや、名前は知らないですけど…
ぱ:あの子あれなのよ、はるのお姉ちゃんの友達の妹ちゃん
※:はぁ……、ていうか先輩の一人称はるだったんですね
ぱ:あっ……///
※:可愛いですね(笑)
ぱ:絶対イジってるじゃん(笑)
※:…で、お返事は……?
ぱ:……それを見て好きになったの?
※:はい
ぱ:…ごめん、君とは付き合えない
※:…どうしてですか?
ぱ:いや、あの〜、あそこ見て好きになったって言われても、正直ピンと来ない
※:そうですか……
ぱ:ごめんね?せっかく勇気出して告白してくれたのに…
※:いえ、お気になさらず
※:じゃあ、俺帰りますね
ぱ:うん、気をつけて帰りな?
※:先輩もお気をつけて!
そうして※※が去った後、
ぱ:……なんかあの子いい子だったなぁ…
そんなことを呟きながら、陽世も帰路に着く。
後輩から告白された陽世です。