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72-ラブレターをもらう陽世

ある日、陽世が学校に登校すると、下駄箱に手紙が入っていた。

ぱ:おぉ〜……

手紙をカバンのポケットに入れ、靴を履き替える。

教室に入り、カバンを置いたら手紙の封を切る。

※:何それ?

ぱ:私の下駄箱に入ってた

興味を持った友人も手紙を覗き込む。

※:『放課後、中庭に来てください』だって(笑)

ぱ:勝手に音読すな!(笑)

どうやら、後輩からのラブレターのようだ。

※:行くの?

ぱ:そりゃ行くでしよ、呼ばれてんだから(笑)

※:偉いね(笑)

ぱ:※※は行かないの?

※:だって誰かも分からない相手じゃん

ぱ:それはそうだけど…

※:怖くない?相手の素性を知らないのよ?

ぱ:……いや、別に

※:…陽世はメンタル強いからね(笑)

ぱ:そんなことないわ(笑)

陽世は手紙を机の中に入れ、1時間目の準備を始める。



そして放課後、荷物をまとめて中庭に向かう。

ぱ:…誰もいない……

中庭には誰もいなかった。

ぱ:はぁ……

呆れて帰ろうとしたとき、

ぱ:うわっ!

?:うぉ!

後ろからやってきた男子とぶつかりそうになった。

ぱ:すみません…!

?:あの…、佐々木先輩

ぱ:へっ……?

※:ラブレター送った※※です

ぱ:あ、あぁ…!なるほどね、いないから悪戯かと思っちゃった(笑)

※:HRそんな早く終わらないですよ(笑)

ぱ:…じゃあ、私をなんで呼び出したか教えてくれる?

※:……はい

お互いに向き直る。

※:佐々木先輩

ぱ:はい

※:先輩のことが好きです!付き合ってください…!

ぱ:…うん

※:……はい

ぱ:…私のどういうところを好きになったの?

※:それは……、先輩、前に女の子助けてたじゃないですか?

ぱ:女の子……?

※:眼鏡かけた2つ結びの……

ぱ:……あぁ!芽実ちゃん?

※:いや、名前は知らないですけど…

ぱ:あの子あれなのよ、はるのお姉ちゃんの友達の妹ちゃん

※:はぁ……、ていうか先輩の一人称はるだったんですね

ぱ:あっ……///

※:可愛いですね(笑)

ぱ:絶対イジってるじゃん(笑)

※:…で、お返事は……?

ぱ:……それを見て好きになったの?

※:はい

ぱ:…ごめん、君とは付き合えない

※:…どうしてですか?

ぱ:いや、あの〜、あそこ見て好きになったって言われても、正直ピンと来ない

※:そうですか……

ぱ:ごめんね?せっかく勇気出して告白してくれたのに…

※:いえ、お気になさらず

※:じゃあ、俺帰りますね

ぱ:うん、気をつけて帰りな?

※:先輩もお気をつけて!

そうして※※が去った後、

ぱ:……なんかあの子いい子だったなぁ…

そんなことを呟きながら、陽世も帰路に着く。

後輩から告白された陽世です。

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