
502-04組の沖縄旅行 三日目
そして三日目、朝から果歩・すみれ・祐介の思考回路は停止していた。
すみれ:え~っと…?
果歩:ナイトシュノーケルで離岸流に巻き込まれて…、
祐介:ツアーの人を誘導しつつ岸に戻った…?
〇〇:うん、
好花:…何か変なとこあった?
果歩:いやいやいや、離岸流でしょ…!?
果歩:なに日常茶飯事ですけど…、みたいな空気出してんの…!?
九人:いや日常茶飯事だ(です)けど
三人:…へっ……?
〇〇:ちなみに面倒臭さで言うと、夏休みの作文で読点付け忘れて書き直しになるレベル
すみれ:何その絶妙に分かる例え…(笑)
祐介:…まぁみんなが無事なら良かったわ…、
ひなの:今日も潜るでいいの?
〇〇:うん、それ以外やること無ぇし…(笑)
未来虹:ほんじゃあ朝ご飯食べたら行きますか…!
◇
朝食を食べ終えた一同は、荷物を持って昨日のダイビングショップに向かう。
店員:いらっしゃいませ〜
〇〇:おはようございます
店員:おはようございます、もう準備してますよ
果歩:ありがとうございます(笑)
兵庫組は奥に連れられ、長崎組も更衣室で着替える。
〇〇:今日は何本目標?
正恭:そうだな…、4本か?
〇〇:いいな…、
ドライスーツに着替えて、機材のセッティングをする。
店員:…大学のサークルか何かの集まりなんか?
〇〇:はい?
店員:いや…気になっただけだ、
〇〇:…まぁ半数は同じ高校の出身ですね
〇〇:後は兄弟とか大学繋がりです
店員:なるほど…、
彩花:お待たせ
明里:ほんと早いですね…(笑)
女性陣もやってきて、機材のセッティングを行う。
◇
〇〇:じゃあいってきます
店員:おう、気をつけてけよ
セッティングを終えた長崎組は一足先にビーチに向かう。
〇〇:じゃあ身体ほぐしたら行くぞ
全員:OK
ストレッチで身体をほぐしたら機材を装着してエントリーしていく。
〇〇:……。
好花:《向こうに行きましょう》
〇〇:《OK》
今回は塊にならず、二人以上でバディを組む体制をとる。
〇〇と好花は海底に沿って沖へ出ていく。
〇〇:……。
好花:……。
そして一気に水深20m地点までやってきた。
〇〇:《止まってください》
好花:《OK》
二人はある光景を見つけ、安全のためその場に停止する。
※※:……。
※※:《浮上します》
二人:(笑)
二人:《OK》
二人は目の前の男性のハンドシグナルに従って浮上する。
〇〇:こんにちは
※※:どうも、カップルでダイビングか?いいねぇ~(笑)
〇〇:(笑)お兄さんは普段からここで魚突きを?
※※:そう、普段は素潜りで甲殻類とか貝類を獲ってんだけどな、
※※:にしても、カップル揃ってアドバンスド持ちとは中々やるねぇ~
※※:普段からよく潜るの?
〇〇:実家が長崎の海の近くなので…(笑)
※※:そうか、じゃあ大人から口酸っぱく言われてるか、
好花:密漁ですか…、
※※:そう、この辺でもたまにあんのよ、
〇〇:そんなんしたらシバキ回されるの分かってるんでしないです(笑)
※※:俺らも四六時中見張ってるわけにもいかないから難しいよな~、
〇〇:ですね~…、
そして〇〇と好花は漁師の男性に別れを告げてダイビングを再開する。
〇〇:……。
好花:……。
◇
彩花:……。
ひなの:……。
未来虹:……。
三人も〇〇たちとは別方向に潜っていた。
彩花:《向こうに行きましょう》
二人:《OK》
さらに深度を下げていく。
そして18m地点で潜降を止めて停止する。
ひなの:《この深度を維持してください》
彩花:《OK》
ひなのと未来虹はライセンスの制約上、これ以上は潜降出来ない。
三人はゆっくりと海底に下りる。
未来虹:《OK》
ひなの:《OK》
彩花:(笑)
彩花の目の前を魚が通り過ぎる。
ひなの:(笑)
未来虹:《魚》
彩花:《OK》
◇
そして一本目を終えた一同は一度ビーチに上がる。
好花:20m行くとさすがに堪えるなぁ…、
美穂:〇〇たちも20行ったんだ…(笑)
彩花:2本目、〇〇とバディ組んでいい?30オーバーまで行きたい
好花:…って言ってますけど、
〇〇:…NDL(無減圧潜水時間)は何分?
彩花:……最低12
〇〇:OK、行くか、
店員:追加のボンベです
一同:ありがとうございます
店員:三名も上達してきてるみたいですよ?
明里:おぉ…!
正恭:さっき上がってくるとき見かけたけど、だいぶ水中姿勢が安定してたよな
〇〇:ほぇ~…、
〇〇:…昨日今日でライセンス取らせりゃ良かったな…、
美穂:全員が内心思ってたことをぶちまけやがった…(笑)
店員:(笑)
◇
好花:二人とも、無茶は絶対NGだからね
〇〇、彩花:もちろん
レギュレーターにトランスミッターを接続した〇〇と彩花は、ダイコンが正常に動作していることを確認しエントリーしていく。
〇〇:……。
彩花:……。
凄まじいスピードで海底を下っていく。
〇〇:……。
〇〇:《20m》
彩花:《OK》
ハンドシグナルを出しながら、フィンキックの動きは止めない。
そしてものの数分で水深35mに到達。潜降を止めて深度を維持する。
〇〇:……。
彩花:……。
水中ライトを点灯し、周辺を照らす。
〇〇:《OK?》
彩花:《OK》
〇〇:……。
〇〇のダイコンのNDLは21分を示していた。
〇〇:(あと9分以内か…)
〇〇:《向こうに行きましょう》
彩花:《OK》
〇〇が沖の方に進み、彩花も後に続く。
彩花:《相変わらず〇〇の方向感覚はイカれてるな…》
ほとんど針の振れないコンパスを手にしながら、前方を感覚で泳ぐ〇〇を眺めていた。
そして斜め上方に浮標が見えてきた。
(ピカッピカッ)
〇〇:《どうしましたか?》
彩花:《向こうを見てください》
〇〇:……。
〇〇:(笑)
彩花:《残圧はどのくらい残っていますか?》
〇〇:《140》
彩花:《140》
彩花:《戻ります》
〇〇:《OK》
そして余裕があるうちにビーチの方に戻ってきた二人。
好花:⁇
好花:《残圧はどのくらい残っていますか?》
〇〇:《80》
彩花:《70》
好花:《OK》
好花:《向こうに行きましょう》
二人:《OK》
好花は二人を連れて体験ダイビングの方に向かう。
彩花:《OK?》
すみれ:《OK》
三人は昨日に比べて機材の扱いにも慣れ、ある程度自由に泳いでいた。
ひなの:《こちらに来てください》
祐介:《OK》
ひなのは祐介を呼んで手を取る。
ひなの:《下を見てください》
祐介:……。
祐介:(笑)
ひなの:(笑)
そんな微笑ましいやり取りを、
未来虹:(笑)
〇〇:(笑)
果歩:(笑)
周りも笑顔で見守っていた。
◇
そして2本目、3本目を終えた一同は、ビーチから上がってお店に戻る。
果歩:ふぇ~…、
好花:お疲れ様です(笑)
すみれ:身体が重い……、
果歩とすみれはテーブルに突っ伏し、祐介はお手洗いに向かった。
美玲:4本目潜る前に行きたいところあるんだけどいい?
未来虹:どこですか?
美玲:雪塩ミュージアム
美穂:あぁ~、私も行きたいと思ってた所~、
〇〇:何が…?
ボンベの片づけをしていた〇〇と正恭が戻ってきた。
正恭:どっか行くのか?
好花:雪塩ミュージアム
〇〇:あぁね、とりあえず飯食わね?
彩花:沖縄来て沖縄そば食べてないから食べたい
〇〇:じゃあ沖縄そば食ってから雪塩ミュージアム行くか
店員:そばならおすすめのお店があるわよ
店員さんがスマホを操作してマップを表示する。
〇〇:…ちょっと待ってください?
〇〇もスマホのマップを起動し、お店にピンを打つ。
〇〇:ありがとうございます、
彩花:じゃあ着替えて食べ行くよ
一同:はい
◇
そして車を10分ほど走らせ、沖縄そばのお店にやってきた。
店員:いらっしゃいませ
〇〇:12人って入れます?
店員:大丈夫ですよ
〇〇たちは席に着いて沖縄そばを注文した。
〇〇:……。
好花:何見てるん?
〇〇:ん?ちょっとね…、
好花が〇〇のスマホを覗き込むと、英文が書かれたPDFが映し出されていた。
好花:何なん?それ…、
〇〇:日向くんが出した論文
好花:ほぇ~…、
彩花:藤さんの性格が如実に表れてる論文だよね…(笑)
〇〇:まぁ…うん…(苦笑)
店員:お待たせしました
好花:あ、ありがとうございます
沖縄そばが到着し、箸立てから割り箸を取り出す。
好花:いただきます
ひなの:いただきま~す…、
(ズルズルズルズル……)
正恭:んん~美味しい…、
美穂:一味取って
未来虹:んっ
美穂:ありがと
店員:…みなさん午前中はダイビングされてたんですか?
果歩:え、なんで分かるんですか?
店員:私の幼馴染がダイビングショップで働いてるんです
美玲:……ふふっ(笑)
ひなの:仲がいいんですね…(笑)
店員:ただの腐れ縁ですよ…(笑)
祐介:腐れ縁も行くとこまで行くと、片想いの相手と結ばれただけで泣かれますよね…?(笑)
ひなの:(笑)
果歩、すみれ:……///
店員:いいご友人じゃないですか(笑)
店員:みなさんはどういう集まりなんですか…?
祐介:え~っと…、
祐介:ここ三人が幼馴染で、後ろの二人と向こうの隅の男の子も幼馴染です
祐介:で、その彼と私の彼女が双子の兄妹で…、
〇〇:私と隣の彼女が恋人で、彼女の向かいが彼女の高校の同級生
〇〇:私の向かいが私の中高の同級生、その奥が妹の大学の同級生兼妹の彼氏の従妹
〇〇:その隣の店員さんの目の前の女性が私たちの中高の先輩です
すみれ:ちなみに私と四つ奥の彼女、隣の子と一番奥の彼は互いに大学の同級生です
未来虹:で、この子は私の実家でアルバイトしてます(笑)
店員:え~っと…、何かすみません…(苦笑)
美穂:(笑)どこまで理解できました?
店員:…そこ(祐介&ひなの)とそこ(〇〇&好花)がカップルで、そこ(祐介&果歩&すみれ)とここ(美穂&正恭&〇〇)が幼馴染
店員:で、そこの二人(ひなの&〇〇)が双子、…あと何でしたっけ?(笑)
美穂:もう大丈夫です(笑)ありがとうございます(笑)
〇〇:…まぁ矢印がとんでもないことになってるからな…(笑)
ひなの:んっ、ごちそうさま
すみれ:早っ…(笑)
ひなのは早々にそばを食べ終えて紙ナプキンで口元を拭う。
ひなの:ちょっと出たいんだけどいい?
祐介:ええよ
◇
そしてお会計を済ましてお店を後にした一行は、雪塩ミュージアムを目指す。
〇〇:…ここでいいのか…?
車を駐車場に停めて館内に入る。
正恭:へぇ~、無料なんだ…、
彩花:ソフトクリーム美味しそう…、
未来虹:早いわ(笑)
一行は包装加工ラインを見に向かう。
ひなの:……あれ?
果歩:今日は動いてないのか…、
祐介:残念…(苦笑)
残念ながらラインは動いていなかった。
スタッフ:よろしければ雪塩の製造工程についてご説明いたしましょうか?
美玲:いいですか?ありがとうございます
一同はスタッフさんの説明に耳を傾けていた。
◇
スタッフ:…という工程を経て、皆様の手に届くという流れになります
明里:すご~い…!
スタッフ:ありがとうございます(笑)
美穂:…話聞いてて唾液の量がすごいんだけど私だけ…?
すみれ:私も唾液量すごい…(苦笑)
〇〇:この後好きなだけ塩買ってこい!(笑)
彩花:GO!(笑)
一同はショップに向かい、雪塩やお菓子を吟味する。
〇〇:……。
未来虹:……。
明里:…料理する二人はすっごいしっかり見るよね…(ボソッ
好花:まぁ自分たちが使うもんやからな…(ボソッ
未来虹:…このパウダーと顆粒って料理によって使い分けとかあるんですか…?
店員:そうですね、顆粒に比べてパウダーは素材馴染みが良いので、お肉の下味ですとか天ぷらのつけ塩などに最適です
未来虹:なるほど…、
未来虹はパウダーと顆粒を食べ比べる。
〇〇:…好花、
好花:はい?
〇〇:好きなフレーバー選んで?
好花:えぇ…使うの〇〇やん…、
〇〇:好花の口に入るもんやろ…、
好花:じゃあ…抹茶
〇〇:OK
〇〇は抹茶塩を含む数瓶とパウダーの雪塩を数パック、カゴに入れる。
店員:よくお料理されるんですか…?
〇〇:外食する気力が無くなりがちなので…(苦笑)
店員:…珍しいですね、作る気力が無くて外食する人はよくいますけど…(笑)
そして彩花たちは、
彩花:やっぱりゴーフルって見たら買いたくなるよね…(笑)
果歩:…『ゴーフルと君』か…(笑)
明里:わぁ~、スーツケースに入り切る気がしない…(笑)
ひなの:……(苦笑)
祐介:ただでさえ荷物多い人やろ…(笑)
お菓子を大人買いしていた。
◇
〇〇:ソフトクリーム食べる人~
彩花:は~い!
明里:食べま~す!
ラウンジにやってきて、券売機でスイーツを発券する一行。
〇〇:コーンとカップはどうする?
彩花:コーン
未来虹:私カップ
美玲:黒糖きな粉の方食べたい
好花:私コーンにアイスラテ
ひなの:祐介くん、何食べる?
祐介:俺は…ひなのさんが選ばなかった方食べるよ
ひなの:じゃあ私きな粉にするからノーマルにして?
祐介:OK
明里:私やっぱアイスコーヒー追加で
〇〇:OK
〇〇は食券をカウンターに運ぶ。
店員:少々お待ちください
◇
ソフトクリームとドリンクを受け取り、車に荷物を置いてすぐ近くのビーチにやってきた一行。
彩花:みんな寄って〜
彩花:はいチーズ
(パシャッパシャッ)
明里:いただきま〜す!
美穂:んっ!おいひい…!
ひなの:ん〜!んふふふ…(笑)
祐介:美味しそうに食べるね…(笑)
好花:〇〇、あ〜んっ
〇〇:んっ、
好花:どう?
〇〇:美味しいよ、俺のも食べる?
好花:いただきま〜す
すみれ:……(クイっ)
祐介:(苦笑)
すみれがアイコンタクトで祐介に指図する。
祐介:ひなのさん、あ〜んっ
ひなの:あ〜ん…ふふっ…(笑)
祐介:……///
正恭:…つくづく祐介くんってイジり甲斐があるよな…(笑)
彩花:初々しいじゃん…(笑)
ひなの:祐介くん、あ〜んっ
祐介:んっ……///
果歩:…なんか幼馴染のイチャイチャシーンってアレやな…(苦笑)
〇〇:…双子もさして変わらん……(苦笑)
美穂:そう考えると、〇〇と好ちゃんって食べさせ合いしてもイチャイチャに感じないよね、
好花:そうですか?
美玲:そりゃこの二人6年以上の付き合いだからね、半年前に出会ったあそこの二人ほどの熱量は無いんじゃん?
〇〇:まぁひなのたちもしばらくすれば落ち着くだろ…、
未来虹:…祐介の熱が冷めなければ別れることは無いだろうけど…アツアツのカップルって別れやすいイメージ無い?
彩花:分からない…(苦笑)
ひなの:不謹慎…(笑)
◇
そしてソフトクリームを食べ終えた一同は、ゴミをまとめて車に乗り込む。
好花:ホテルに戻るでいいの?
〇〇:うん、ホテルでゆっくりする組と潜る組に分かれるから
そしてホテルに戻ると、ホテルの中に入る人、ホテルの前のビーチで遊ぶ人、ダイビングショップに向かう人に分かれる。
ひなの:ふぅ〜……、
部屋に戻って早々、ベッドに沈むひなの。
祐介:疲れた…?
ひなの:そりゃ3本も潜ってたら疲れるよ…(苦笑)
祐介:そりゃそっか…(笑)
祐介も隣のベッドに腰掛ける。
祐介:……。
ひなの:……💤💤
祐介:……(笑)
ひなのが寝てしまったので、祐介は荷物を整理することに。
◇
好花:……うちらもたまにはイチャイチャしてみる?
〇〇:…何するん?
好花:別になんも決めてない…(笑)
〇〇:おい(苦笑)
〇〇と好花はホテル近くのビーチで砂の上に絵を描いていた。
果歩:いいんちゃう?どんなイチャイチャすんのか気になるし(笑)
〇〇:性格悪いかよ…(笑)
果歩たちも海から上がって休憩する。
すみれ:ぶっちゃけここだけの話さ、××とかしたことあるん…?(笑)
〇〇:……(苦笑)
好花:…そこ聞きます?(苦笑)
すみれ:カップルってどのくらいでそういうことするんか気になるやん…(笑)
〇〇:自分で確かめろ(笑)
果歩:(笑)
〇〇は砂を払って立ち上がる。
好花:どっか行くん?
〇〇:海に入る
〇〇は羽織っていたパーカーを脱いで、海へと突っ走る。
(ザッパァーン…!)
好花:(笑)
果歩:好花ちゃんも行ってきたら?(笑)
好花:行きます?(笑)
すみれ:イチャイチャしてらっしゃい(笑)
好花:ははは……(笑)
好花も立ち上がって海に向かう。
〇〇:こっちおいで
好花:(笑)
そのまま〇〇の背中に乗っかる。
好花:〇〇の背中ってデカイな?(笑)
〇〇:好花が細いだけだろ
好花:いやんっ(笑)
〇〇:やかましいわ(笑)
好花:…なぁ、
〇〇:何?
好花:うちと結婚、って考えてたりする?
〇〇:…どうした?急に…、
好花:いや、気になっただけ
好花:するとしたらうちが卒業してからやろうけど…、
〇〇:……好花以外と結婚する気はねぇぞ?
好花:…嬉しいこと言ってくれるやん……///
〇〇:分かったから首絞めんな(笑)
好花:大丈夫、絞めてるの動静脈で気管じゃないから(笑)
〇〇:動静脈は絞めていいもんちゃうねん(笑)
〇〇は好花を引き剥がす。
好花:待って(笑)ここ私足つかないから!(笑)
好花は〇〇の肩にしがみつく。
〇〇:ちっちゃいな…(笑)
好花:やかましい……(笑)
〇〇は好花を抱っこして浜に上がる。
果歩:微笑ましいねぇ〜(笑)
すみれ:非リアの心は抉られたよ…(笑)
〇〇:知らんがな…(笑)
好花:……あ、思い出した
三人:何…?
好花:そういえばあれからストーカーってどうなりました?
すみれ:今……!?(笑)
すみれ:…容疑を認めて民事は示談成立、刑事はそろそろ初公判やけど…(苦笑)
果歩:なんで今…?(笑)
好花:なんか思い出したんで…(笑)
〇〇:っていうか示談にしたんだ
すみれ:呑気に争ってる余裕ないから、坂道グループお付きの弁護士さんに頼んで多めに慰謝料請求したの
好花:日向さんパワー…(笑)
〇〇:でも日向さんってこの手のことに慣れすぎじゃない?20歳そこそこの人間の所業じゃないで?
果歩:そもそもトップアイドルって時点で私らとは住んでる世界が違う…まぁ陽子たちもその後輩やけど…(笑)
◇
ひなの:💤💤
祐介:……。
荷物の整理を終えた祐介はやることも無く、ひなのの寝顔を眺めていた。
(アツアツのカップルって別れやすいイメージ無い?)
祐介:……いつかこの寝顔見ても何も感じなくなるんかな……?
ひなの:💤💤
祐介は先程の未来虹の言葉を思い出し、なんとも言えない感情になる。
祐介:…考えるの止めよ、疲れる
祐介は立ち上がり、冷蔵庫からレモンサワーを取り出す。
(カシュッ)
祐介:(ゴキュッゴキュッゴキュッ……)
祐介:…ふぅ〜……、
ひなの:……夜ご飯前に酔い潰れないでよ…?
祐介:(笑)おはよう
ひなのが目を覚まし、寝返りを打つ。
ひなの:んん〜っ…、
ひなの:…ホテルにいるの私たちだけ?
祐介:そこのビーチに、〇〇くん、好花ちゃん、果歩、すみれがいる
祐介:あとの人はみんなダイビングショップの方
ひなの:ふ〜ん…、
ひなの:私にもちょうだい?それ…
祐介:んっ、いいよ
ひなの:(ゴクゴクゴクゴク……)
祐介:(笑)
祐介:ひなのさんって兄弟の中だとお酒強い方?
ひなの:ん〜、お兄ちゃんは分からないけど久美お姉ちゃんと菜緒お姉ちゃんは強い、あと三人は弱い
祐介:(爆笑)
ひなの:で予想ね、ひよりと陽菜は強そうだけど芽依は未知数、意外に三人全員強いかもしれない…、
祐介:弱い三人でも俺らに比べたら強いんだろうなぁ…、
ひなの:でしょうね、10杯やそこらで酔い潰れる人初めてだわ
祐介:……(苦笑)
ひなの:はい
祐介:んっ、
ひなのはレモンサワーを返して、またベッドに寝転がる。
ひなの:……一つ訊いていい?
祐介:何?
ひなの:なんで私のこと好きになったの?
祐介:……ぶっちゃけ最初はルックスやった、
ひなの:(笑)
祐介:でも…色んなひなのさんの内面を知っていく内に、その内面に惚れた、
ひなの:例えば?
祐介:少食に見せかけて実はめちゃくちゃ大食いなとことか?(笑)
ひなの:勝手に勘違いしてるだけでしょ(笑)
祐介:あとは…体調悪いのに無理して妹ちゃんの晴れ舞台を見に来ちゃうとことか、
ひなの:まぁあれは……(笑)
祐介:子供の面倒見がいいとことか、
ひなの:そんなんあったっけ?
祐介:リアミ前と京都動物園
ひなの:あぁ〜、よくそんなん覚えてるね、
祐介:好きな人の動向なんかいちいちチェックするやろ
ひなの:(笑)
◇
そして夕方になると、みんなホテルへ戻ってくる。
〇〇:ただいま〜
ひなの:おかえり〜…ってどうした?
〇〇が好花をおぶってやってきた。
好花:いや〜…(苦笑)
果歩:砂に足を取られて負傷…(苦笑)
ひなの:あらら……(苦笑)
祐介:…そろそろ夕ご飯の時間やし、水上コテージ移動する?
〇〇:そうだな、誰か車椅子借りてきてもらえる?
明里:行ってきます…!
好花を車椅子に乗せて水上コテージに向かう。
美玲:ふざけても落ちないでよ?濡れてもいい格好じゃないからね?
正恭:分かってます(笑)
未来虹:そんなことしません…(笑)
桟橋を渡り、先端のコテージに到着する。
ひなの:わぁ〜……、
好花:綺麗〜……、
未来虹:カップル二組はテラス行ったら?(笑)
〇〇:(笑)んじゃあ行くか、
好花:(笑)
〇〇たちはテラス席に座り、海を眺める。
ウェイター:失礼します
すると、料理が運び込まれる。
祐介:ありがとうございます
ひなの:美味しそ〜……!
ひなのは早速手を合わせて料理にありつく。
ひなの:ん〜!おいひ〜…!(笑)
祐介:(笑)それは良かった、
ウェイター:お飲み物いかがなさいますか?
祐介:どうする?
ひなの:ん〜、白ワインかな…?
祐介:じゃあ白ワイン二つ
ウェイター:かしこまりました、ただいまお持ちします
◇
そして夕日が沈む。
〇〇:…明日の今頃は福岡空港か…、
好花:…やな、
〇〇:あっという間だったな
好花:…次はどこ行こうな?
〇〇:……彩花かすみれちゃんの留学先に凸る?(笑)
好花:それいい…!(笑)
彩花、すみれ:よくないわ!!(笑)
〇〇:(爆笑)
美玲:息ピッタリ(笑)
ひなの:でもアメリカは行ってみたい
祐介:そう…?
果歩:…まぁ私ら高校の修学旅行でアメリカ行ってるからなぁ?
すみれ:家族で海外旅行も行くし…(笑)
未来虹:いいなぁ〜……、
美穂:私たちもショートステイでセントポール行ったよね〜(笑)
〇〇:行ったな、陽菜も今度バンクーバーの方行くけど
彩花:陽菜ちゃんって一年間?
〇〇:一年間
ひなの:…みんな大人になっちゃうね〜…、
ひなのは寂しげに海の方を眺める。
〇〇:……それが人生ってもんだ、
好花:…深いなぁ〜……(笑)
〇〇:(笑)
◇
そして夜ご飯を食べ終えた一同はホテルの部屋に戻る。
好花:部屋戻ったらテーピング交換してもろてええ?
〇〇:ええよ、風呂入ったらな?
部屋に戻った〇〇と好花。お風呂上がりにテーピングを交換する。
〇〇:……。
好花…歩けると思う?
〇〇:歩けるんじゃね?足首ガッチガチにしてるし、
好花:じゃあ…、
好花はイスから立ち上がり、その場で足踏みする。
〇〇:…どう?
好花:大丈夫、たぶん
〇〇:じゃあ車椅子返してくる
好花:んっ、
◇
ひなの:ふぅ~、さっぱり~…、
お風呂から上がったひなのは、髪をターバンタオルで巻きながら出てくる。
ひなの:…あれ?どこ行った?
部屋の中に祐介の姿は無く、ひなのはテラスに出る。
祐介:……。
祐介はテラスのハンモックに腰掛け、泡盛のソーダ割りを嗜んでいた。
ひなの:……(笑)
ひなの:彼女放っぽって何一人で楽しんどぉとかな~?
祐介:うわっ…!(笑)
ひなの:私にも飲まして?
祐介:ええよ
ひなのは後ろから祐介に抱きつき、祐介のグラスを傾ける。
ひなの:…レモン入るるなんて通やなぁ~…(笑)
祐介:(笑)
祐介:…あとね、すっごい顔近い…///
ひなの:何か文句ある…?(笑)
ひなの:沖縄最後ん夜やけん、二人でゆっくり過ごそう?
ひなのも祐介の隣に腰掛け、泡盛のソーダ割りを作る。
ひなの:乾杯
祐介:乾杯
ひなの:…この三日間振り返ってみてどう…?
祐介:…すっごい最高の三日間やった、
祐介:特に、ひなのさんと結ばれたこと…(笑)
ひなの:(笑)
ひなの:…ひなのもばい…?
ひなの:……祐介くんの隣ってなんだか落ち着く…、
ひなのが祐介の肩に頭を預ける。
ひなの:…京都と長崎って遠かね~……、
祐介:……寂しい…?
ひなの:うん…、好き好んで遠距離になる人なんかおらんばい…、
祐介:…いっぱい会おや、
祐介:俺も長崎に行くし、ひなのさんも京都に来たらいっぱい一緒にいられる…、
ひなの:……。
ひなの:…浮気したら〇すから…、
祐介:(笑)そんなことする訳ないやろ…?
祐介がひなのの頭を撫で、ひなのはグラスを呷る。
◇
美穂:……非リアには刺激が……(笑)
正恭:(笑)うるせぇよ……(笑)
仕切りを挟んだ隣のテラスで、美穂と正恭もロッキングチェアでのんびりしていた。
正恭:……ロッキングチェアに腰掛けながらオーシャンビューば目ん前にウイスキーば呷りながら夜空ば眺める、
正恭:こがん贅沢なかなか無かたい…?(笑)
美穂:……みんなでワイワイやるとも楽しかばってん、こがんして二人でのんびり静かに過ごすともよかの…、
正恭:…隣が俺でよかと?
美穂:マサやけんいかとやろ?
正恭:そっか……(笑)
美穂:……。
正恭:……。
すると、正恭がグラスを床に置いて体を起こす。
正恭:…美穂、
美穂:ん~?
正恭:……俺は美穂ん隣におりたか、ずっと…、
美穂:……。
正恭は立ち上がり、美穂の前に立つ。
正恭:…今更こがんこと言うとも照れくさかばってん…///
正恭:俺と付き合うてくれん…///
正恭は頭を下げて手を差し出す。
美穂:……。
美穂:……(笑)
美穂:…酒ん力借りんと告白できんとか…!(笑)
美穂:……まぁ…、
美穂:…よろしくお願いします…///
正恭:(笑)
美穂が正恭の手を取ると、そのまま二人は抱き合う。
美穂:…〇〇、どがんリアクションするじゃろうね…?(笑)
正恭:さぁ……?(笑)