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50-北海道観光3日目
(ゴソゴソ……)
〇:……ん…?
早朝、〇〇の布団に誰かが入ってきた。
ひより:んっ……💤💤
〇:…ひより?
声を掛けるが反応はない。スマホの時計を見ると、まだ5時前だった。
〇:…ふふっ(笑)
ひよりの身体を自分の方に引き寄せて、布団を被せてあげる。
そして朝8時、全員のスマホのアラームが鳴り響く。
(ピピピピッ……)
久:ん~…、みんな~、起きて~!
美:ん~
愛:…はぁ~
〇:ふぁ~、…ひより、朝だよ
ひより:ん~
愛:…ん?何で〇〇とひよりが同じ布団で寝てたの?
〇:5時前くらいにひよりが俺の布団に入ってきた
久:ラブラブだね~
他のみんなも起こして朝ご飯を食べる。
菜:ん~、…クマ牧場だっけ?
美:うん
史:歩いて行けるんだっけ?
陽:向こうのロープウェイに乗って行くんだって!
久:走らないでね?
ひなの:〇〇、よろしく
〇:はいはい…
ロープウェイの乗り場に到着し、乗り込む。
〇:…陽菜以外全員ローテンションじゃん(苦笑)
菜:…眠い!
史:旅行は体力使うのよ…
旅行も最終日となり、みんなの疲労もピークに達していた。そんなことを話しているうちに、山頂に到着した。
久:よしっ、気合い入れるよ
愛:ちゃんと子どもたちの手綱を握っとかなきゃいけないからね
まずは子グマ牧場にやってきた。
ひより:うわ~、可愛い~
陽:こっちおいで~
(パシャッ)
美:うん、いい絵が撮れた
史:ふふっ(笑)
続いて、クマのアスレチックに向かう。
芽:おぉ~!スゴッ!
久:クマって器用なんだね
菜:図体の割にね
〇:ひっで~(笑)
次に、第2牧場にやってきた。
愛:こっちがメスなんだって
陽:じゃあオスは?
〇:向こうにいるよ
久:あっ、見て、おやつおねだりしてるよ?
ひなの:おやつなんて買ったっけ?
美:買ってくる?
陽うん!
久美と美玖が買いに向かう。
久:全員分はいいよね
美:とりあえず子どもたち3人分買って、あとは2,3個あれば
クマのおやつを6つ買ってみんなのもとへ戻る。
久:買ってきたよ
陽:ありがと~!
芽:お~い!こっちだよ~!
すると、クマがこちらに集まってくる。
〇:危ないからカバン持ってるよ
ひより:ありがと
3人がおやつを放り投げると、クマたちはそれを器用にキャッチして食べる。
愛:へぇ~、器用だね
美:愛萌もやる?
愛:やりたい!
年上組もおやつをクマに投げる。
〇:あっ、落ちた(笑)
陽:空っぽ~
ひなの:もう全部あげたの?早いね
一行は最後に第1牧場にやってきた。
陽:こっちがオス?
愛:そう
ひより:デッッカ…!
久:2倍くらい差がありそうだよね
菜:よっ!
菜緒がおやつを放り投げる。
史:〇〇、はい
史帆は〇〇にクマのおやつを放り投げる。
〇:おい!(笑)俺はクマか!(笑)
ひより:お兄ちゃん、はい
ひよりも史帆のボケに乗っかる。
〇:…2人ともあとでぶっ飛ばすよ?(笑)
だが、2人とも微塵も意に介す様子はない。
菜:無くなった~!
芽:こっちも!
ひなの:あとお兄ちゃんだけだよ
ひなのが〇〇の手にあるおやつを指差す。
ひより:お兄ちゃん、パス!
〇:ほらよ!
ひより:ナイス~!
ひよりが最後のおやつを投げ、全員のおやつが無くなった。
久:じゃあそろそろ帰るか…!
再びロープウェイに乗り、麓に降りる。そして、バスと電車で札幌駅に向かう。
愛:…もうお別れか……
〇:だね……
菜:……あっという間だったなぁ…
史:あ~、やだやだ……
〇:(苦笑)
久:…陽菜、ひより、芽依、お兄ちゃんにサヨナラしな……
陽:ヤダ……!(涙)
ひより:陽菜……
芽:……しょうがないでしょ?
陽:ヤダ~……(涙)
駅のホームで泣き出してしまった陽菜。心配した駅員さんが駆け寄ってくる。
駅員:いかがなさいましたか?
久:あっ、すみません
美:『お兄ちゃんと離れたくない』って泣き出してしまって……
駅員:あっ、なるほど、…ティッシュお貸ししましょうか?
美:すみません、ありがとうございます
〇:陽菜、一旦泣き止んで?
陽:お兄ちゃん……(涙)
〇:しばらくしたら今度はお兄ちゃんが長崎に帰るから、約束しよ?
陽:うん……(涙)
2人で指切りを交わす。
久:……そうなの?
〇:うん(笑)彩花と美玲先輩と同日程で帰ることになってる(笑)
菜:…そういうの、もっと早く言えよ(笑)
泣き止んだ陽菜を連れて、9人が電車に乗る。
アナウンス:この列車は、千歳線快速エアポート124号、新千歳空港行きです。停車駅は、新札幌、北広島、恵庭、千歳、南千歳、終着、新千歳空港です。列車は、前が1号車、後ろが6号車です。荷棚に表示している青色の矢印の方向へ進みます。車内は全て禁煙で、4号車は指定席、Uシートです。
〇:…じゃあね
久:うん…、またね……
菜:帰ってくるときはちゃんと連絡しろよ?
〇:了解(笑)
電車の扉が閉まる。
(プシューーッ)
走り出した電車を敬礼で見送る。
〇:…行ったか……
駅員:…ご家族に愛されていらっしゃるんですね
〇:ふふっ(笑)帰省が楽しみです(笑)
〇〇はそのままホームを上がり、自分のマンションへ帰った。
充実した北海道旅行となった佐々木家です。