日向坂46の男子メンバー if story ~〇〇が菜緒と結婚~
2032年4月5日、13回目のひな誕祭の翌日に私は卒業を発表した。
『私、藤宮〇〇は8月13日の二期生加入15周年をもって日向坂46を卒業いたします。』
◇
そして卒業セレモニーの翌日、私たちは二期生10人でお疲れ様会をするために個室居酒屋に来ていた。
美穂:みんなグラス持った~?
二期:いぇ~い!
美穂:〇〇、15年間お疲れ様!乾杯~!!
二期:乾杯~!!
ジョッキのビールを一気に呷り、すべて飲み干す。
〇〇:くぅ~!!
美玖:すげぇ…(笑)
〇〇:今日はとことん飲むぞ~!
菜緒:吐かないでよ?(苦笑)
そして数時間後、
〇〇:…💤…💤……
愛萌:〇〇~…
〇〇:ん~……💤💤
私は酔いつぶれて寝てしまった。
◇
〇〇:……んっ…
そして目が覚めると、
〇〇:…うぉっ……
菜緒:💤💤
下着姿でベッドに寝ており、隣には菜緒が眠っていた。
〇〇:……。
必死に昨日の記憶を引っ張り出そうとするが、朧気すぎて何も出てこない。すると、
菜緒:……んん…、…〇〇、おはよう……
〇〇:お、おはよう…
菜緒が目を覚ました。
〇〇:…私と何かあったとか無いよな……?
菜緒:ん…?
菜緒:…あぁ、〇〇、私の部屋に着くなりすぐに服を脱ぎだして私のベッドで爆睡し始めたから、菜緒も諦めて隣で寝た
〇〇:(私、何やってんだ…?)
菜緒:今日、仕事は?
〇〇:翌日仕事あるときにあんなバカ飲みすると思うか?
菜緒:まぁね、じゃあ私準備したら家出るから鍵はポストに入れといて
〇〇:いや、私もう帰るよ(笑)
菜緒:あっそ、じゃあね~
〇〇:ご迷惑をおかけしました…(苦笑)
私は菜緒の家を出て、自分の家に帰る。
◇
それから数か月後、琴音から一本の電話が。
〇〇:もしもし、久しぶり
琴音📞:久しぶり、最近調子どう?
〇〇:ぼちぼち、かな……
琴音📞:そうだ、〇〇に報告があるの
〇〇:何?
琴音📞:〇〇、伯父さんになるよ?
〇〇:…おぉ、おめでとう
琴音📞:反応薄っす……(苦笑)
それは琴音からの妊娠報告だった。
〇〇:予定日はいつ頃なん?
琴音📞:四月の終わりごろ
〇〇:ほぇ~…
琴音📞:〇〇は結婚の予定とか無いん?
〇〇:そもそも相手がおらんもん…(苦笑)
琴音📞:菜緒ちゃんとかひなのちゃん辺り狙っちゃえば?(笑)
〇〇:なんで日向OGなんだよ、そういう目で見ねえよ(笑)
琴音📞:じゃあまぁ元気にやんなよ?
〇〇:うい、琴音も身体には気をつけろよ
琴音📞:ういっ、またね
〇〇:また
電話が切れ、私は琴音の言葉を心の中で反芻する。
〇〇:…OG…か……
◇
そして、ひなくり2032in日本武道館。私は招待を受け、会場にやってきた。
関係者席に着くと、隣の席に誰かが座る。隣に目線を向けると、座っていたのは…、
菜緒:久しぶり
〇〇:おう
菜緒だった。
菜緒:ちゃんと卒業後も来るんだね?(笑)
〇〇:まぁな…(苦笑)
菜緒:(笑)
そしてライブが始まり、あっという間に時間は過ぎていく。
〇〇:ふぅ~、終わった~
菜緒:腰が痛い…(苦笑)
退場前にイスから立ち上がり、伸びをする。
〇〇:明日仕事は?よかったら飲み行かん?
菜緒:ええよ、明日夕方だけやし
そして席から立ち上がり、会場を出る。
◇
(ガラガラガラ…)
店:いらっしゃいませ
〇:👉
店:どうぞ
私たちは居酒屋の奥の個室に入り、メニューを開く。
〇:適当に注文するか…
タッチパネルを操作し、料理を注文していく。
菜緒:…仕事の方はどんな感じ?
〇〇:まぁまぁぼちぼちよ…
すると、
店:お待たせしました、ハイボール二つです
二人:ありがとうございます
飲み物が届き、乾杯をする。
〇〇:乾杯
菜緒:乾杯
(ゴキュッゴキュッゴキュッ……)
〇〇:ぷはぁ〜…
菜緒:ふぅ〜、…私さ、最近思ってることあるのよ
〇〇:ふ〜ん…、
菜緒:〇〇より良い男性が周りにおらん
〇〇:…ぶふっ……!(苦笑)
〇〇:恋愛したいんかい!(笑)
菜緒:だって菜緒も30よ?
〇〇:早いなぁ〜…
菜緒:…付き合う?"バディ"同士…
〇〇:そうね〜…、付き合う?
菜緒:じゃあよろしく(笑)
こうして、私と菜緒は交際を始めた。
◇
〇〇:ただいま〜
菜緒:おかえり〜
数ヵ月後には同棲を開始し、事務所を通して交際を公表した。
菜緒:もうすぐでご飯できるから先お風呂入ってきちゃって?
〇〇:え〜、一緒に入ろ?
菜緒:…はいはい、じゃあ待ってて?(笑)
〇〇:了解(笑)
そして夜ご飯が出来上がり、ダイニングテーブルに座る。
〇〇:いただきます
菜緒:召し上がれ
手を合わせて、菜緒の料理を口に運ぶ。
〇〇:…ほんと料理の腕あげたよな、
〇〇:覚えてる?(笑)がな推しのリレークッキングで炊き途中の炊飯器3回開けてたの…
菜緒:覚えてる(笑)さすがに上達するよ、あれ後から一人暮らししてるし…
〇〇:そうか、あの時まだ寮生活だったのか…
菜緒:よく〇〇の部屋に入り浸って本読んでたな(苦笑)
〇〇:そうだよ、引越しの荷解き終えた初日からベッドの上に座って二人で小説読んでんねんから…(笑)
そしてご飯を食べ終え、菜緒が洗い物をしているうちにお風呂を追い炊きする。
〇〇:菜緒、お風呂沸けたで
菜緒:おけ、入ろ
私と菜緒は脱衣所に向かい、服を脱ぐ。
◇
お風呂を出た私たちはソファに座り、互いの髪を乾かす。
菜緒:…明日は朝から仕事?
〇〇:うん、…なんで?
菜緒:菜緒に言わせるん…?…///
〇〇:アホか…(笑)…///
髪が乾き、それと同時に洗濯が終わる。
〇〇:……ふぅ〜…
洗濯物を全てハンガーにかけ、ポールに吊るす。洗濯カゴを片付けてリビングに戻ると、
菜緒:💤💤
菜緒はソファで熟睡していた。
〇〇:早すぎやろ……(苦笑)
私は菜緒をお姫様抱っこしてベッドに運ぶ。
〇〇:相変わらず赤ちゃんなんやから…
菜緒をベッドに寝かせ、布団をかけたら私も隣に入る。
〇〇:おやすみ……💤💤
◇
それからさらに数ヵ月後、二期生加入16周年を数日後に控えたある日、
〇〇:…なぁ菜緒、
菜緒:ん?
〇〇:明日、二人とも夜休みやんか
菜緒:うん
〇〇:久しぶりにデートでもせぇへん?
菜緒:ええよ
私は菜緒をデートに誘った。
翌日の仕事終わり、私は車で待ち合わせ場所の駅に向かった。
〇〇:お待たせ
菜緒:大丈夫、菜緒が早く来ただけやから
〇〇:じゃあ行こっか
私は菜緒をとある場所に連れていく。
〇〇:…ここやな
到着したのは、都心から少し離れた山の上だった。
菜緒:何しに来たん?
〇〇:着いてからのお楽しみ
私たちは車を降りて、展望台に続く階段を上がっていく。
菜緒:おぉ〜、結構見晴らしええんやな、ここ…
〇〇:もうすぐで始まるよ?
菜緒:何が?
私はとある方向を指さす。すると、
(ヒュ〜〜〜、パァーン!!)
麓の方で花火が上がる。
〇〇:今日、この近くで花火大会があんねん
菜緒:ほぇ〜、調べたんや…(笑)
そして私は、ポケットからとあるものを取り出す。
〇〇:菜緒、こっち向いて?
菜緒:どうしたん?
私は菜緒の前に跪き、ポケットから取り出した指輪の箱を開く。
〇〇:私と結婚してください
菜緒は一瞬の間をおいて、微笑む。
菜緒:もちろん、こちらこそよろしくお願いします
私は箱から指輪を取り出し、菜緒の左手薬指にはめる。
〇〇:"バディ"から"パートナー"に昇格かな?(笑)
菜緒:やかましい(笑)
◇
そして2033年8月13日、土曜日で区役所は閉庁しているが、窓口から婚姻届を提出し、私たちは晴れて夫婦となった。
そしてその日の夜、年に一度の二期生同窓会のために、私と菜緒はとある居酒屋に来ていた。
〇〇:おひさ〜
美穂:やほ〜、元気してた?
〇〇:ぼちぼち(笑)
菜緒:美穂こそ旦那さんとはどうなの?(笑)
美穂:ラブラブよ〜?(笑)
先に飲み物を注文し、乾杯する。
愛萌:〇〇、音頭よろしく
〇〇:(笑)二期生加入16周年を祝って、乾杯!
二期:乾杯!!
そうして宴が始まった。
陽菜:〇〇は、菜緒とはどうなの?順調?
〇〇:まぁそれなりに
明里:プロポーズは?もうしてもいい頃じゃない?
私と菜緒は顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。
愛萌:明里こそ旦那さんとはどうなの?(笑)
明里:明里はだって結婚したの2年前だし…(笑)
そして乾杯から30分ほどした頃、
〇〇:みんなちょっといい?
みんなが食事の手を止める。
〇〇:私と菜緒からみんなに報告があるから
美玖:おっ、まさか…!?
好花:ついに…!?
〇〇:私と菜緒、今日のお昼に婚姻届を提出してきて、晴れて夫婦になりました
二期:フゥーーー!!!!
美穂:やるやん、〇〇!(笑)
愛萌:おめでと〜!
ひより:二人が夫婦か〜
鈴花:でも一番お似合いよね
明里:なんか泣きそうだわ…(笑)
〇〇:泣くなし(笑)
陽菜:披露宴はやるの?
菜緒:披露宴はやらないで式だけ挙げて、って感じにするつもり
好花:呼ぶ人迷うもんな…(苦笑)
〇〇:そう、親族と日向坂メンバーとOGとお偉いさんだけ呼んでやるつもり
ひより:それでもまぁまぁの人数だよね(笑)
〇〇:ざっと100人くらい?(笑)
好花:多っ…!(笑)
◇
そして結婚式当日、私はタキシードに着替えて控え室で待機していた。すると、式場スタッフさんが控え室にやってきた。
スタッフ:ファーストミートを行いますので、新郎様はこちらに…
〇〇:はい…
スタッフさんの後に続いて、チャペルに向かう。
スタッフ:では、こちらでお待ちください
〇〇:はい
チャペルの扉を背にして立ち、菜緒を待つ。
しばらくして扉の開く音がして、私の心臓は高鳴る。
(……トントンッ)
肩を叩かれ、振り返ると……、
菜緒:…どう?綺麗?
世界一美しい花嫁が立っていた。
〇〇:…綺麗すぎて現実味がない……(笑)
菜緒:なんやねん、それ(笑)
〇〇:うちの奥さん、やっぱ美人やな〜、って
菜緒:やかましいわ(笑)
〇〇:(爆笑)
そして、ファミリーミートを行うため、両家家族をチャペルに呼ぶ。
スタッフ:それでは、先程と同様にご家族の肩をトントンと…
二人:はい
二人で並んで歩いていき、
(トントンッ)
私は母親と姉二人の肩を叩く。
母親:…おぉ!かっこいいんじゃん?
〇〇:ありがと(笑)
琴音:なんか感動だわ…
音葉:〇〇も大人なんやな…
〇〇:…まぁ音葉よりは大人かな?(笑)
全員:(笑)
ファミリーミートを終えると、関係者控え室に挨拶に行く。
(コンコンコンッ)
〇〇:失礼します
好花:おぉ!
美玖:イケメン…!
〇〇:どうも(笑)
今野:藤宮、結婚おめでとう
〇〇:ありがとうございます
今野:人生、まだまだこれからだからな
〇〇:はい
今野:適度に力抜いて…
〇〇:私が苦手なやつっすね(笑)
今野:そう(笑)
秋元:あの藤宮が結婚か…
〇〇:秋元さんも今日はありがとうございます
秋元:こちらこそ、けやかけの初登場で泣いていた藤宮はどこに行ったんだか…
〇〇:はるか彼方に消え去りましたね(苦笑)
秋元:一生に一度の晴れ舞台、最高のものにするんだよ?
〇〇:もちろん、そのつもりです
そして日向坂メンバーの元に行く。
〇〇:おひさ〜
芽実:珍しく緊張してないんじゃない?
〇〇:緊張はしてますよ?(笑)仕事柄それを表に出さないだけで(笑)
ひより:さすがプロ(笑)
陽子:…〇〇さん、今日の夜ラジオの生放送入ってますよね?(笑)
〇〇:入ってる(笑)
未来虹:ハハハッ(笑)
彩花:式の余韻に浸る気無いじゃん(笑)
そして挨拶を終えた私は、式開始まで控え室で待機する。そして、
スタッフ:新郎様、ご移動お願いします
〇〇:はい
本番のため、チャペルの扉の前に移動する。
〇〇:ふぅ〜……
スタッフ:…では行きますよ
〇〇:はい
スタッフさんの合図で扉が開き、入場する。
入口で一礼をすると、中に入りジャケットセレモニーを行う。
母親:…〇〇の支度してあげるのもこれで最後か……
〇〇:……(笑)
琴音:……。
〇〇:ありがと
音葉:はい
〇〇:(笑)
母親にジャケットを着せてもらい、琴音がポケットにブートニアを入れる。音葉から手袋を受け取ったら、聖壇の方に歩き出す。
〇〇:……。
そして聖壇の前に着くと、続いて菜緒が入場する。
司会:新婦の入場です
チャペルの扉が開き、菜緒と菜緒パパが入場してくる。
菜緒ママが菜緒のベールを下ろして、最後に優しく抱きしめる。
菜緒が菜緒パパの腕を組み、一歩一歩噛み締めるように歩いてくる。
そうして私のもとまでやってきた。
菜緒父:…〇〇くん、菜緒のこと頼んだよ
〇〇:お任せください
菜緒パパから菜緒の手を受け取り、一緒に聖壇を上がっていく。
牧師:新郎〇〇、あなたは菜緒を妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?
〇〇:はい、誓います
牧師:新婦菜緒、あなたは〇〇を夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?
菜緒:はい、誓います
誓いを交わし、指輪の交換を行う。
〇〇:…手が震える……(苦笑)
菜緒:ちょっと…(笑)
列席者:(笑)
指輪の交換を終えると、いよいよベールアップ。
〇〇:……ホンマ綺麗やな…
菜緒:〇〇もイケメンやで?
ゆっくりと顔が近付いていき……、
(……パチパチパチ👏👏)
誓いのキスを交わす。
牧師:それでは、新郎新婦は、結婚証明書に、サインをしてください
二人で署名台の前へ行き、結婚証明書にサインをする。続いて牧師さんが証人としてサインを行う。
牧師:これをもって、新郎〇〇、新婦菜緒は、夫婦となりました
(パチパチパチ……👏👏)
司会:それでは新郎新婦の退場です、皆さま拍手でお見送りください
(パチパチパチパチパチパチ……👏👏)
私は菜緒に腕を出し、菜緒と腕を組んで退場する。
〇〇:……ふぅ〜、緊張した〜
菜緒:お疲れ様(笑)
そして列席者退場後、私と菜緒はチャペルの扉の前にいた。
〇〇:あの人数のフェザーシャワーってどうなんねやろ?(笑)
菜緒:視界は真っ白になるやろな(笑)
そして扉が開く。
列席者:結婚おめでとう〜!
列席者:おめでとう〜!
チャペルの外に出ると、列席者からのフェザーシャワーを浴びる。
二人:(笑)
白いドレスとタキシードがさらに白くなったところで、フェザーシャワーは止んだ。
司会:ブーケトスに参加される方はぜひ前の方に…!
そしてブーケトスが行われる。
さすがというか、列席者の九割が女性なので階段下がとんでもないことになる。
菜緒:行くよ〜!
菜緒が投げたブーケ、キャッチしたのは……、
紫織:おぉ!(笑)
紫織だった。
〇〇:紫織、おいで
私たちのもとに紫織を呼び、3人で記念撮影をする。
(パシャッ)
ブロッコリートスは行わずに、記念撮影に移る。
カメラ:新郎新婦はこちらに
二人:はい
カメラ:いきますよ〜、はいチーズ!
(パシャッ)
カメラ:お二人ともいい笑顔ですね〜
美穂:本職だからね(笑)
〇〇:うるせぇ(笑)
外野から野次を飛ばされながら、記念撮影は続いていく。
カメラ:それではご両家のみなさま、新郎新婦の周りを囲むようにお願いします
琴音:…フェザー付いとるで?(笑)
〇〇:ありがと(笑)
カメラ:いきま〜す、はいチーズ!
(パシャッ)
カメラ:それでは最後、みなさまでお願いします
列席者が全員集まり、階段に並ぶ。
カメラ:もう少し真ん中寄りましょうか
カメラ:いきま〜す、はいチーズ!
(パシャッ)
カメラ:はい、オッケーです!
この後は少し自由時間になる。
美玖:菜緒〜、〇〇〜、二期生で写真撮ろ〜!
〇〇:ええよ
菜緒:芽実さん、お願いします
芽実:任せて、その後一期生ともだからね?(笑)
芽実:藤さん、もう少し菜緒ちゃんに寄って?
芽実:はいチーズ!
(パシャッ)
優佳:…よしっ、一期生!写真撮るよ〜!
影さんとはあれから色々あって、一緒にコナン展に行くくらいには良好な関係を築いている。
久美:わぁ〜、なんか涙出そう……
〇〇:泣かないでくださいよ…(苦笑)
史帆:大人になったね〜…(涙)
菜緒:史帆さん…(苦笑)
美玖:(笑)はい、撮りますよ
美玖:はいチーズ!
(パシャッ)
そこから一時間近く記念撮影をしたところで、徐々に解散となっていく。
菜緒:……お腹空いた
〇〇:忙しすぎて朝から何も食べてないもんな(笑)
◇
それから数ヶ月後、仕事から帰ってくると菜緒がテーブルに座っていた。
菜緒:ちょっとそこ座って?
〇〇:えっ、うん…
菜緒に言われた通り、テーブルの向かいに座る。
菜緒:コレ見て…
そう言って菜緒がテーブルの上に置いたのは、
〇〇:……マジ…!?
二冊の母子手帳だった。
菜緒:全然気付かんかった(苦笑)
〇〇:待って、検査薬使ったんいつ…!?
菜緒:一週間くらい前?(笑)
〇〇:っしゃあぁぁぁ!!
私は立ち上がり、菜緒を抱きしめる。
菜緒:うるさい(笑)
そう言いながらも、菜緒も満更でもない顔をしていた。
◇
そして出産予定日の一週間前、ひなあいのMCアシスタントをしている私はロケで宮崎にいた。
スタッフ:…はい、バッテリー交換しま〜す!
撮影が一旦休憩に入り、オードリーさんと雑談する。
〇〇:暑っつ〜…(笑)
若林:真夏に来るもんじゃないな…(苦笑)
春日:…そういえば予定日ってもう少しじゃない?
〇〇:一週間後っすね…
そしてロケ終了後、打ち上げの会場に到着し、メンバーを待っていると、
(🎶〜🎶〜)
菜緒のスマホから着信が来た。
〇〇:はい、もしもし
菜緒:〇〇、陣痛始まった…
〇〇:!?分かった、今から帰る…!
すると、メンバーたちが部屋に入ってくる。
※※:藤宮さ〜ん
〇〇:ごめん、私東京帰る…!
※※:えっ?
〇〇:すいません、陣痛が始まったって連絡が入ったので帰ります
若林:分かった、行ってやれ
MG:〇〇、乗って?
マネージャーさんの車に乗り、飛行機のチケットをとる。
MG:気をつけて
〇〇:はい
空港に到着し、マネージャーさんと分かれて空港内に入る。
飛行機に乗り東京に戻ったらタクシーで病院に向かう。
看護師:旦那さん、こちらです…!
看護師さんの案内で分娩室に入ると、菜緒が力んでいる最中だった。
〇〇:ごめん、遅れた…!
菜緒:遅い…!!
菜緒の腰をさすり、菜緒のサポートをする。
菜緒:ゔぅ……
〇〇:私に体重預けていいよ
菜緒:…もうちょっと下
〇〇:はい
助産師:もう少しで頭出るよ〜
菜緒:ゔゔぅ……!
(……ふぇぇぇ…!)
菜緒:っはぁ…はぁ…はぁ…
助産師:お母さん、もう一回力むよ
菜緒:ふゔぅぅ……!
(ふぇぇぇ…!)
菜緒:はぁ…はぁ…、終わった…?
〇〇:うん、二人とも無事産まれたよ…(涙)
私は二人の産声を聞いた瞬間、感動で涙が溢れてきた。
助産師:お母さん、元気な女の子二人ですよ
菜緒:あぁ……!
タオルに包まれた二人が菜緒の枕元に来る。
(ふぇぇ…ふぇぇ…)(おぎゃぁぁ……)
菜緒:可愛い……(涙)
〇〇:ほんまやな……(涙)
◇
それから一晩経ち、菜緒はベッドで眠っていた。
〇〇:……。
私は二人の名前を決めるため、病室のテーブルでパソコンを開いていた。
〇〇:……ひなた…さくら…、…メンバーから取るのもアリか…?
私はなかなかいい名前が思いつかず、伸びをする。
ふと、窓の外を見ると、
〇〇:……今日は満月か…
満月が煌々と輝いていた。
〇〇:…月…か……
私はテーブルの上のメモ用紙に『紗月』『凪月』と書いた。
◇
それから十数年後、
紗月:お父さん、私日向坂のオーディション受けようと思う
〇〇:どうした急に?
紗月にオーディションを受けたい、と言われた。
紗月:いや、小さい頃からお父さんとお母さんの現役時代の映像見てて、私もやってみたいなぁ、って…
〇〇:…そうか、今17期生のオーディションの応募期間か……
紗月:受けてもいい?
菜緒:…正直、賛成はしない
台所から菜緒もやってくる。
紗月:なんでよ
菜緒:二人ともアイドルの大変さを知ってるから
紗月:えぇ〜……
〇〇:…まぁでも紗月が本気ならお父さんもお母さんも全力でバックアップはするよ?
紗月:じゃあ…!
菜緒:好きにしなさい
紗月:やった〜!
Fin.