10-松田家のとある日の夜

好:🎶〜

この日、好花は自宅の防音室でギターの弾き語りをしていた。

好:1本の欅から色づいていく〜🎶この街に少しずつ馴染んで行けたらいい〜🎶

好:JOYFUL LOVE〜🎶これは恋なのか〜🎶WOW WOW〜🎶

好:キュンキュンキュンキュンどうして🎶キュンキュンキュンキュンどうして🎶I just falling love with you🎶

(コンコン)

？:お姉ちゃん、夜ご飯出来たで?

すると、妹の芽実が好花を呼びに来た。

好:ありがとう芽実、すぐ行く

好花と芽実の両親は多忙で家にいないので自分たちでご飯を作っている。

好芽:いただきます

食卓に着き、2人で食べ始める。

好:…今日は学校行かんかったんやな

少し不登校気味の芽実。

芽:…うん

好:まぁ、あんま無理せんでええよ

芽:うん…

好:……

芽:……

会話が無くなり、黙々と食事する2人。

好:ごちそうさまでした

芽:流しに置いといて、後でまとめて洗うから

好:分かった

好:…芽実遅いな〜

好花は部屋で本を読みながら芽実がお風呂から出てくるのを待っていた。

好:もうコンタクト外しちゃえ!

好花は視力が悪いため、メガネやコンタクトレンズを使用している。

(ガチャッ)

芽:お姉ちゃん、お風呂空いたで〜

好:芽実遅いわ(笑)

芽:中で寝落ちしちゃって(笑)

好:危ないからやめとき?

芽:は〜い

そう言って芽実が部屋を出たあと、好花はお風呂へ向かった。

好:ふぅ〜、癒される〜

湯船に浸かりながら1日の疲れを癒す。

好:ババンババンバンバン🎶

どこかで聞いたことあるようなフレーズを口ずさみながら、好花は天井を仰いだ。

好:…芽実も大変やなぁ

今日学校に登校しなかった芽実を気にかける。芽実が不登校気味な理由が理由なので、無理に学校には行かせられない。

好:……あかん、のぼせてまう

気づくと30分以上お風呂に浸かっていた。急いで上がり、体を拭いてパジャマを着た。

髪を乾かそうとリビングに行くと、ソファで芽実がスマホをいじっていたので、代わりに乾かしてもらうことにした。

好:芽実、うちの髪やってくれへん?

芽:ええよ、そこ座って?

そういうと芽実は、ソファの後ろにまわった。

芽:…相変わらず綺麗な髪やなぁ

好:黒髪ロングのストレートはうちのトレードマークやからな(笑)

芽:いつもそれしか言わんやん(笑)

数分後、芽実が乾かし終わり、

芽:お姉ちゃん、乾かし終わったで?

好:……

声をかけたが返事がない。不思議に思い、前を覗き込むと、

好:💤

好花は疲れて寝ていた。

芽:もう…(笑)こんなとこで寝てたら風邪引くで?

仕方なく芽実は好花をおぶって、寝室まで運んだ。ベッドに寝かせたあと、そっと布団を被せ、

芽:おやすみ、お姉ちゃん…

好:💤

芽実は静かに好花の寝室をあとにした。