オーディション合格は、靴をそろえたかどうかだった。
嘘みたいなホントの話。
オーディションの審査員側になってみて
気づくことがたくさんある。
あるミュージカルのオーディションでメインキャストを探していた。
大手事務所さんからも何人か若手が来て
なんだかとっても華やかなオーディションだった。
その日、オーディション会場になった稽古場は土足厳禁で
入室するためには靴を脱がなければならないという場所だった。
さらに、その日は雨。
オーディションを受ける側は、緊張プラス入り口での傘を畳んだり、受付に挨拶したりでちょっとテンパる感じのシュチュエーションだった。
オーディションを受けにきた人のは4名。
礼儀正しく前向きで
そしてイケメンだった。
きっと誰をメインキャストに決めても一生懸命やってくれる。
審査員の中でも意見は割れた。
最終的なジャッジを
このカンパニーの長である私が決める(脚本を書いているのは私なので)となったときに
私は1人を選んだ。
理由。
靴を揃えたから。
それだけだけどそれ以上の理由はないと思う。
ちなみに
私の元生徒たちで、今、テレビで大活躍している子達は
当時からとても礼儀正しい。
「親御さんしつけに厳しいでしょう?」と最初のレッスンで聞いてしまうくらい。
見られているのは実力以上に
人間としてどう生きてるかだなと常々思う。
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