”蟹亀”ってなんだ? #蟹亀 配信記念、大崎氏対談みたいなインタビュー

2020年9月17日、インターネットの海で一つのコンピEPがティザームービーとともに告知されました。




その名も『Box in the back ∀lley(ボックスインザバックアレイ)』

”Club Turtle”通称『蟹亀』から出されるこのコンピEPを待ち望む”ただのいちオタク日向キタロー”として、そして”Vの世界が大好きな個のひとつ”として、蟹亀関係者の大崎さんと対談のようなインタビューのようなことをしてきたので、ここに記していきます。



・”発表誰やる?大崎面白いんじゃね?”ってあれよあれよという間に決まってしまって、ホントに神輿に担ぎ上げられただけなんですよ…


ー 急な呼びかけに応えていただいてありがとうございます。早速色々お聞きしていきたいんですが……まずだいたいの人が疑問だとは思うんですが、””蟹亀ってなんだよ??””っていう。


(笑)

あれはもともと、BOOGEY VOXXさん(以下:ぶぎぼ)がデビューした時くらいに、坂神蟬丸さんが「なんか仲いい人たちが集まるところを作りたい」ってなって作ったDiscordのサーバーなんですよ。ようはただの集まりなんですよね。そして自分がそこに参加している経緯なんですけど、「なんか面白い人たちが集まるサーバー作ってんけど、入りたい人いたらリプ送ってくれ」みたいなの出してたんですよ。で、そこに「あー!入りたいです!」ってリアクションしたんで僕も入った感じですね。

それまでも坂神さんと絡んだこともほとんどなくて、今回蟹亀って形でコンピEP出しますけど、このメンバー24人と絡んだことなんてゼロで誰も面識がなくて…。ぶぎぼに至っては、デビュー当時から「あ、この人たちやべえ絶対盛り上がる”推そう!”」って思ってた人たちなんで、もう”推しがいる状況”で「あ、やばい…俺だけリスナーなんだけど??」って…おびえたウサギみたいになってました(笑)半年前の自分に言っても絶対今の状況信じてもらえないと思いますよ…。


ーじゃあ半年前とかはまだ何もコンピに関しては動いてなくて、サーバーに集まってメンツが急に動き出したと?


そうですね。企画があがったのが8月17日だからちょうど1ヶ月前くらいで…僕ら発表までの1ヶ月で6曲作ってるんですよ。

8月17日にバーチャルねこさんが”freebeats”っていうトラックをあげたんですよ。”誰かこのトラックを使ってラップやヒップホップの曲を作ってください”みたいなのを坂神さんがひろってきて「なんか面白そうやん、みんなでやらん?」っていうのがきっかけで、そこからみんなで集まってスプレッドシートに書き込んで進めていって、”じゃあオタクを殴る曲でEP作ろう!”って。




”6曲制作しよう。発表誰やる?大崎面白いんじゃね?”ってあれよあれよという間に決まってしまって、ホントに神輿に担ぎ上げられただけなんですよ…。だから今回の発起人ってわけではないんですけど、自分もコンピみたいなのを作ってみたいって願望はあったんで、今回で制作の過程とかを学んで活かせるようにってなってたのが、僕らの中で燃えに燃えて盛り上がったのが今回のやつですね。


ー身内で同人誌作ろ!ってやってたら思いのほかやばいのができてしまったみたいな…。そもそも集まったメンツもなかなかに豪華な感じですけど、メンツが多くて豪華な反面、こちらでも誰が何を担当したかっていうのがおぼろげなんでお聞きしても。


メンツもやばいですし、みんなノリで生きているので「freebeats6曲あるから6曲作れるじゃん!」ってなりましたしね。

まずさっきも言ったバーチャルねこさんからはビートをお借りしたっていうのと、マスタリングも頼んだんですよね。以前のマテムリ(Matte Mureakアルバム:イベントがきっかけで制作された12曲のアルバム)の制作の時にちょっと繋がりがあったのでバーチャルねこさんと連絡とかは僕がやってましたけど。バーチャルねこさんにはホントにお世話になりました…。

まず僕なんですけど、まあ”神輿の上にあがれ!”ってケツをバシバシ叩かれた人ですよね(笑)ジャケットデザイン、ティザーとかにも出てたあのネオンサインみたいに蟹亀ってなってるやつをデザインしてくれたりとか、Twitterとかにあげたティザーとかの映像諸々を作ってくださったのが金子開発さん、まだ出てないところもあるんですけどイラストを描いてもらったところに空色(すくい)ヒカリさん神ぴゃっそさん、ティザームービーのイラストは椎名かいねさん、進行の管理を坂神さんとぶぎぼの裏方やってらっしゃるラー(太陽神ラー)さんで、TuneCoreの管理をしてくださったのも坂神さんですね。

曲の方だと、メロディの作詞・サビとかはIURA TOIさんと霊界ラジオのKYOTOU Oさん、ラップの歌詞とかはそれぞれ歌っている本人たちに書いてもらった感じです。MIXはnyankobrqさんIURAさん、霊界ラジオの朧家ブランコさんが各2曲ずつ担当してくれました。

▼Track List
tr-01. 炉部屋.zip
   feat. 春野もみじ, 地獄川震, 神ぴゃっそ
tr-02. TURTLE OATH
   feat. 野上リスケ, 山露そちゃ, ぷりやまぷりを
tr-03. 欺瞞
   feat. 椎名かいね, 蓮水 秋悕, 曇莉
tr-04. Re:birthday girl
   feat. 咲乃木ロク, 氷雨悠冰
tr-05. Toon World
   feat. Fra, 坂神蟬丸, 朧家ブランコ, nyankobrq
tr-06. Groovy in the light
   feat. ヌコメソーセキ, Ci, IURA TOI
All Beats & Mastered by バーチャルねこ「freebeats」


ー企画があがってから告知まで1ヶ月で、その告知から1週間後に配信開始ということですけどなかなかに突貫では?

そうですね。制作の感じではぶぎぼがめちゃくちゃ早くて…企画があがってから2、3日後にはもう音源があがってきてて、他の音源も2週間とかそこらで音源が全部そろいましたね。MIXの方も1週間くらいで手直しまで終わって、バーチャルねこさんに音声データを渡したのが最近ですね。そしてマスタリングが6時間くらいで返ってきました。

最初スケジュールめちゃくちゃきつかったんですよ。でも今月(9月)には出したいって言ってたんですけど、”これスケジュール的にはきついかな…?”ってなってたんですよ。と、思ってたら全員驚異的なスピードで完成させてきて、あんなにキツキツだったスケジュールのくせに、丸1日全部を曲を聴く視聴会を開くくらいの余裕ができましたからね…。



・このメンツが集まってるんだからランキング1位は取れる


ー神輿に乗せられたとはいえ大崎さんも関わっているので、このEPが世に出て”どうなって欲しい”ってあるとは思うんですけど、本人的にはどうですか?


ランキング1位ですね!

ぶぎぼがランキング1位叩きだしてるじゃないですか。そのぶぎぼも参加して、さらに深い濃い大勢のVtuber、Vラッパーがいるなら”取れるでしょ、取れなきゃおかしい”って考えでいるんで。100%取れるって。


ーこういったらちょっと失礼かもしれないんですけど、そこで「取れる!」って言いきれるの”毒されて”ますね(笑)取るなら総合1位?


いや、総合はさすがに(笑)ヒップホップジャンルで出してるのでそっちで取れますね。…取れるって言っちゃった。取りたいです。3日ぐらい独占したいです。取れなかったら号泣しながらキャスを開いて、取れたら取れたでキャスを開きます。違うのは流れてくるコメントだけですね(笑)


・制作1ヶ月なのに1週間ごとに全体会議したりしてがっつり作ったものなんで、面白いものが出来上がったって感じはします。


ーでは視聴会もしたということで、曲ってそれ単体とかアルバム自体で一つの世界というか作品みたいなところってあるとは思いますが、大崎さんがEPを一通り聞いてみて思った感想とかお聞きしてもいいですか?


ざっくりとしたのというか…、世界観というか…、この記事があがっているころにはもうEPは配信開始して、MVとかも9月中に出したりするので、聞いたりしてくれたり、見てくれてる方はいるとは思うんでこれは答え合わせみたいなものなんですけど、今回僕らで『夢路ねね』っていうVtuberを作ったんですよ。で、夢路ねねちゃんができた経緯としては、参加してるみんなの名前の子音とか母音から1文字ずつ取っていってアナグラムしていって一人のVtuberを作ろうってなったんですよ。ティザーを公開した日にTwitterとかで色々「みんな!ティザーをよく見て!」って言ってたんですけど、映像内の各名前の色の違う部分を抜き出して、アナグラムすると『夢路ねね』って名前が出来上がるんですよ。それが僕らが今回用意したクイズとかパズルって感じですね。メインで考えたのはぶぎぼのFraさんなんですけど。あの人こういうの好きなんで。

トラック4の”Re:birthday girl”や、ティザーにあげた「この楽曲を彼女に手向けます」っていうのは、その”夢路ねね”にあてたものですね。”Re:birthday girl”は咲乃木ロクさんと氷雨悠冰さんの二人で展開されていくんですけど、その歌詞とか、MVも公開するんですけど、それで『僕らが”夢路ねねをどう扱ってるか”』っていうのが全部見えます。”夢路ねね”が動く予定はないんですけど…(笑)

全トラック、各々好きな感じに作った感じで、トラック2の”TURTLE OATH”には蟹亀のメンバーの名前が入ってたりするので、聞いて探してみてほしいです。

制作1ヶ月なのに1週間ごとに全体会議したりしてがっつり作ったものなんで、面白いものが出来上がったって感じはします。



ーこのメンバーの中で神輿に乗せられたって言ってますけど、それだけでもすごいと思います。


いい経験にはなったと思いますね。神輿に乗ることは一番最初に決まりましたし…。拒否権もなかった……。”囲まれるっていう恐怖”をこうして味わうとは思いませんでした…。よく”インターネット交通事故”って人から言われるんですけど、もう交通事故って言うか『歩道にいたはずなのにスクランブル交差点の真ん中にワープさせられて轢かれてる…』みたいな。楽しいんですけどね(笑)


・これを『あったなあ』っていう”過去のもの”にはしたくないんですよ。ずっと前線張るためにはここから続けていかなきゃいけないというか。


ー大崎さんはトラックを作っているのを見ていたり、制作の過程を見てきた中でこのEPへの思い入れとかってありますか?


とりあえずめちゃめちゃみんなが頑張ってくれて、時間も取ってくれてるし、MIXもしてくれて、イラストも描いてくれて、歌詞も考えてくれて、映像も作ってくれて……時間を取ってくれてるので、本当に何よりも『売れてほしい』『とにかくめっちゃ跳ねてほしい』っていうのが自分の思いです。

クラブでアンセムになってほしいです。全部が全部結構落ち着いた曲、ローファイヒップホップみたいな感じなので、クラブの締めとかでかかるようになって欲しいです。全部。全部絶対かかるようになって欲しいです。どの曲も実力はあるんで。

自分がかかわった曲が現場で流れているのを見れた事がないんですよ。マテムリが盛り上がってから社会情勢のせいでリアルのクラブイベントが軒並みなくなっちゃったので…。CDとかの現物では出してませんがマテムリでのアルバムや、これ(Box in the back ∀lley)みたいな基本的に架空のものや架空の場所から出てきたものが多いんですよ。現存するものがほとんどないというか…夢路ねねのTwitterアカウントはありますけど。


ーそれも面白いですよね。VのクラブイベントのDJとかVの音楽が好きな人が「なんだこれやばいぞ!?」ってなるものが”架空”からできてるっていう。これが”リアル”だけだったらできてなかったんだろうなって言うか。


それはそう思いますね。ネットでの繋がりだからこそって言うか…。架空なのに現実が出来上がっている。”架空”っていうのがいいですよね。”バーチャルっぽい”っていうのか…。そういうの”なんかっぽい”のが好きなんですよね。目には見えないんですけど、情報とかMVとしてはあるけど、手元にはないって言うか。共有する感覚としてはみんなの元にあるんですけど。

でもこれを『あったなあ』っていう”過去のもの”にはしたくないんですよ。ずっと前線張るためにはここから続けていかなきゃいけないというか。蟹亀を”今”のものにしていたいし、『蟹亀』は身内のものなんであんまり何回も表にバンバン出すものではないかなっていうか、”あとは自分が頑張るしかないかな?”って感覚ではいますね。毎回この人数とメンバーに声をかけて集まってもらうわけにもいかないですし。ちょっと前までは身内で「こんなことあったよ」ってちょっと共有したりする場だったんですけど、それがここまでなっちゃいましたね。


ーすごい悪いような言い方になっちゃうんですけど、このEPの発表見たときは「何やってんの!?一発しばきたい!」っていうのが…(笑)


いろんなところから言われましたね(笑)「いやお前何してんの!?」って。もう告知出すまで心臓バクバクでしたもん。

もうここのところで精神面の成長が自分でも感じますね。いろんなところで荒波にもまれてもみくちゃになったので…。

MoguLiveさんにも取り上げてもらって…。見たときうれしかったんですけど”参考:大崎公式Twitter”って書いてあって「俺しかおらん!ただのオタクや!(笑)」って。もうめちゃくちゃ面白かったですね(笑)間違ってないけど…間違ってるかな…って(笑)

知らない人からすれば「大崎って何者なんですか…?」ってなりますよね。


ーここまで来たらもう自分で曲作って欲しいですね。


ええ…。それは…。

でも自分を知らない人が曲を流してるとこを目指したいとこはありますね。



ー今回お声がけさせていただいたのも、結構身近な大崎さんがが関わっているっていうのもあって、大崎さんめちゃくちゃ頑張ってますし、ただ曲を買って感想を書くだけじゃもったいないなって。急な声かけだったのに快く返事いただけてうれしかったです。


それはありがとうございます…。

この記事が世に出てる頃にはランキングもわかっているとは思うんですけど……ランキング1位取ってたいです…。

取ります…!




取材・文:日向キタロー




・大崎
DJとしてVshuffleに所属・Matte Mureakアルバム制作にも関わる人物。
公式Twitter:@oosaki_jpg
『Box in the back ∀lley / Club Turtle』
・リリース情報:https://linkco.re/qRRAYfYt
・ティザームービー:https://youtu.be/WeEJUCqfYyE
・日向キタロー
インタビューをしたオタク。
Twitter:@HinataHuto


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