幼馴染はいますか
幼馴染とは何か。
私は疑問に思っていた時期がある。
私の認識では、幼馴染は子供の頃からの友達。
では、子供の頃はいつなのか。
小学生?幼稚園?いや、それ以上前になるのか。
もし、小学生からの友達が幼馴染と言うのなら、地方出身の私は、小学校も中学校もほぼ同じメンバーだったため、結構な人数が幼馴染と言える。
私はそんなことを考えつつ、先日、私が勝手に幼馴染だと思っている男友達二人にあった。彼らとは、幼稚園からの仲だ。
二人と会うのは私が就職で地元を離れる少し前に会ったきりで、その後はコロナの影響や互いの生活環境の変化もあり、約3年ぶりだった。
二人を簡単に紹介するのなら、
一人はディズニーとアメコメが大好きで、以前に会った時はスターウォーズのスウェットを着ており、いつかディズニーのキャストになることを夢見ているやつ。(ここではエンターテイナーと呼ぶことにする。人を楽しませるのが上手だから。)
もう一人は、いつもくしゃくしゃに笑う実はシャイで誰よりも母親思いのやつである。(ここではナイーブボーイと呼ぶ。昔、彼の母親が彼のことを「ナイーブなところがあって心配」と言ってたのが忘れられないから。」)
東京駅で待ち合わせをし、朝から東京を散策していたナイーブボーイとはすぐに合流できた。髪型が変わっていたため、すぐには気づけなかったが。
二人で椅子に座り待っていると、エンターテイナーが東京駅に着いたと連絡があった。
だが、さすがは大都市の駅である。
ちゃんとエンターテイナーは迷子になった。
エンターテイナーの彼は、「ここはどこでしょうか。」とラインを送ってくるが、写真を見てもどこかわかるわけがない。
なぜなら、ナイーブボーイも私も田舎者だからである。
その後もエンターテイナーからは現状の報告ラインが届く。
「今、天井の低いエリアです。」
どこやねん
「曲がります。」
いや、どこのどこのどこを曲がったんだよ。
「おお!開けた!」
・・・。
彼はやはりエンターテイナーである。
待っている私たち二人にツッコミをさせるのだ。楽しませてくれる。
なんとかエンターテイナーは出口を見つけ、ようやく私たちのもとに現れたエンターテイナーは、嬉しそうに笑っていた。
そんな姿を見て、私たちも思わず笑ってしまう。
そのあとは浅草やソラマチを観光した。
浅草寺でおみくじを引いたら、3人とも凶だった。これには複雑な気持ちになった。
私は東京で知り合った友達に教えてもらったやり方で二人にもんじゃをご馳走した。
観光しながら互いの近況報告をした。
仕事の話。
家族の話。
地元の友だちの話。
何より私が嬉しかったことは、二人に彼女ができたことだ。
最後に会った時は、エンターテイナーはひどい失恋の後だったし、ナイーブボーイは物事を決めるのが苦手という性格も相待って恋愛に消極的だったのだ。
そんな二人に彼女。
二人に彼女ができたことを思い、その日の夜は幸せな気持ちに包まれてよく眠れた。
帰りに3人で東京駅の近くの居酒屋で飲んだ。
「3年前に会った時は、彼女ができないって話をしてたのに、今は結婚とかの話になるんだね。」
「今度会ったときは、結婚式がどうのとか、子供がとかになるのかな。」
「もっと先になったら、腰が痛いだの、老眼で、とかになるんかね。」
「やだー、もうすぐにおじいさん、おばあさんだよ。」
そんな話をした。
幼馴染ってなんだろうかと思っていたが、こうやって過去も今もそしてこれからの未来も希望がない話であろうと、笑ってられる仲間のことを言うのかもしれない。
腰が痛くて老眼になって、笑い皺なのか、刻まれた皺なのかわからなくなっても、ずっと幼馴染でありたいと願ってやまないのである。
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