#高校生リアリティ 現役高校生のメルカリ、インスタ消費論
きっかけはこのツイート。
僕もメルカリヘビーユーザーなので興味をそそられて筆を執ることにしました。
〜高校生の消費〜
高校生の消費の傾向はSNSやメルカリなどのフリマアプリの登場で大きく変化したのは間違いありません。
TwitterやInstagramは高校生の間でも最も勢いのあるSNSですが、この二つの中でもInstagramは高校生の消費に大きな影響を与えています。
これはもはや「言わずともしれた」域に達していますが、「インスタ映え」のために消費を行う、もしくは「インスタ映え」が消費を後押しする「映え消費」をInstagramはうみだしました。
典型的な例はチームラボ・ボーダレスやイルミネーション。
Twitterでは考えたことの共有、Instagramでは体験の共有というように使い分けられていると感じているのですが共有するための「体験」に対してお金を払うという消費をする高校生がとても増えています。「体験できるしインスタにも投稿できて嬉しい!」というように体験への消費をInstagramが後押ししているようなひとも、「インスタに投稿できるし体験もできて嬉しい!」というようにInstagramが消費の決定的な要因になっている人もいます。
Instagramに投稿することの重要度と体験することの重要度の比率は人によって曲線的なのでもちろん二者の間には体験の重要性とInstagramに投稿することの重要性が大体同じくらいの人もいます。もちろんこの「消費に至るまでの重要度の比率」は個人差のみならずコンテンツによっても差が出ます。イルミネーションなんかはInstagramに投稿できるから行くという側面が大きいですが、今女子高生の間で爆発的にヒットしているタピオカドリンクなどはInstagramに投稿できることはあくまで消費の後押しをしているだけで、「インスタに投稿できるからタピオカドリンクを買う」というようにInstagramへの投稿が消費の決定的な要因になっているケースはあまり多くないと思います。
もう一つ、高校生の「体験」に対する消費を後押ししているものに「メルカリ」があります。
モノを売れるメルカリで、自然と高校生の間に「価値の消費」のような考え方が生まれているのです。
例えば、
ハイブランド商品を5万円で買う
↓
使う
↓
メルカリで4万5千円で売る
というもの。購入額と売却額の差額の5000円が実際に払った金額になるわけですが、この5000円というお金は「ハイブランド商品を一定期間着用する体験」に対し払われたお金です。これまでは高校生の消費といえば「物に対してお金をはらう」という認識で行われていたものがほとんどで、「物から得られる価値に対してお金を払う」という考え方は従来の高校生にはなかった物なのではないかなと考えています。買ってから売るまでの期間内に5000円分の価値を享受できればこれは妥当な価格というわけになります。
しかし、彼らは本当に5000円分の価値を享受できているでしょうか?
本当に「効率のよい価値の消費」を行えているでしょうか?
そこで再び登場するのがInstagramです。
ハイブランド商品を身につけている体験はまさにInstagramで共有するのには絶好の体験です。よく見られたい欲求や自己顕示欲を満たす事ができるからです。これは高校生に限りませんが現代に生きる若者は「自己顕示欲が満たされること」に大きな価値を見出しています。わかりやすいエビデンスはTwitterでユーザーがいいねやリツイートを欲しがっているという現象です。「パクツイ」なんて言葉も生まれましたが、多くのいいねやリツイートを獲得したツイートをあたかも自分の考えたことかのようにツイートしてまでいいねやリツイートをもらおうとする人がいます。また、それと同時にそれをパクツイだと批判する人がいます。
例えばAさんが作った曲をBさんがあたかも自分でつくった曲かのように販売すれば本来Aさんが受け取るべきであったお金はBさんに奪われてしまいます。
ですがこれをTwitterで考えたらどうでしょうか?スポンサーなどが付いていない限り、Aさんがどれだけ良いツイートをしてもAさんには1円たりとも収入はありません。そのツイートをBさんが盗んだところで元からAさんが受け取るお金は0円ですからAさんに金銭的な被害は一切ないのです。でも、Bさんは批判されます。
前者の例では金銭という価値がBさんに奪われることが問題です。これと同じように後者の例ではいいねやリツイートという『価値』がBさんに奪われることが問題とされているのです。こういったことから若者が自己顕示欲が満たされることに対して大きな価値を見出していることは確実であることがわかります。なんなら、TwitterをはじめとしたSNSが「いいねやリツイート=価値」という方程式を作り上げたというふうに考えてもいいかもしれません。
ハイブランド品を身につける体験をInstagramに投稿して自己顕示欲を満たすことで5000円という大きさの価値を消費しているのです。Instagramという要素がここになければ、ハイブランド品から享受できる価値といえば
・品質が高い
・デザインが良い
・良いものを身につけられているという幸福感
という感じでしょうか。ここにInstagramは「顕示欲を満たす」という価値を追加で与えてくれるのです。Instagramはいわば価値の消費を効率化する「ブーストアイテム」的な役割を担っているのです。
こんな感じです(下図)。
Instagramが生み出した「映え消費」も、メルカリが生み出した「循環消費(?)」も、「体験に対しお金を払う」という形の消費でした。
普通のパフェが流行らないのに可愛いパフェは流行るのは前者は「モノに対しお金を払う」のに対し、後者は「可愛い(普通とは違って特別な)パフェを食べるという体験に対しお金を払う」という側面も持っているのでInstagramにて共有され、流行ができるのです。しかも、流行として確立された商品に関しては、「流行の商品を消費する体験」として新たな消費を呼び寄せ、大きなトレンドを形成します。
「体験に対してお金を払う」
今の高校生の消費に関するキーワードだと考えています。
以上です。ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。他の記事も是非!