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社名を「株式会社むじょう」にするほどの無常観の渇望

私が代表を務める株式会社むじょうの社名の由来について書きます。

「無情」ではないです。「無常」です。

無常観というのは日本人と非常に相性のいいメンタリティです。
日本は災害大国で、地震も津波も度々きます。
形あるものは崩れ、生命はいつか終わる。自然には抗えず、日々移ろいゆく。

このメンタリティがあったからこそ、被災しても立ち上がりました。3.11で被災した地域も幾度となく津波に襲われてきました。
明治29年の明治三陸地震、昭和8年の昭和三陸地震。それでも、人々は海へ向かいました。まさに無常観の世界に生きています。

今はどうでしょうか。
高い防潮堤をつくって津波に打ち勝とうとしています。

「住民を守るための賢明な判断だ」

という言い分が通る世の中なわけですね。人間が全ての中心であり、全てをコントロールできると思い込んだ世界は諸刃の剣です。

だから、無常観を取り戻すような事業を創っていこうと、株式会社むじょうという社名をつけたわけです。


もうひとつ例をあげると・・・

ほとんどの人は「無常」という言葉を平家物語で学んだのではないでしょうか?

平家物語は
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり」に始まります。

鐘の音は物理的に考えるといつも同じように響くはずです。しかし、それがなぜ無常なのか(=その時々で違って聞こえるのか)。
それは必然的に人間がひたすら変わっているからです。
それだけ、変わり続ける ということは自然であると認識されてきました。

しかし、現代社会において、変わること と 終わること が同義として使われる場面が多々あります。
変わること は 終わり であると同時に 始まり であるように、どう変化の中でソフトランディングするのか。そして未来を紡いでいくのか、という 還っていく感覚 を大切にしたいという想いがあります。
静かな水面に石を1つ落とすと波紋を生みます。
波紋が広がり、水が動き、循環していく。こういった無常観を体現する事業を創りたいのです。

「社名が刺さったよ!」と言ってくださる方もいれば、「無情、、、??」みたいになる方もいるので、ここに背景を記しました。

では、今日はこんなところで。

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