生存戦略から、生き切る戦略へ
経済成長・人口増加で幸せになれるでしょうか?
国が掲げる地方創生は、地方における経済成長・人口増加が最大の目標です。国が掲げるから、良いことだと信じていませんか?
国が掲げた1つの青写真だけが幸せだと思うのは錯覚だと思いませんか?
例えば。
人口1800人の町を想像してください。移住者を増やして人口を2000人にし、経済を活性化させることで幸せになれますか?
なれるかもしれない。
では、200人増やすためにお金がいくらかかりますか?
そのお金をかけたら、必ず200人移住してきますか?
ここで、国が掲げる1つの青写真をみんなが信じていたら悲惨です。どの地域も、お金を投じて人口を増やそうとするわけです。凄まじい競争です。
地域資源を活かしたら人がくる。莫大なお金をコンサルに払ったから間違いない。本当にそうでしょうか?
人を増やして経済を活性化しないと雇用も生まれないし、レバレッジが効かない、生き残るにはそうするしかない。本当にそうでしょうか?
そもそも、生き残るってなんでしょうか?
生き切る、という選択はできないのでしょうか?
世の中、無常です。
常に変わり続ける。それは悪いことではなく、普通のことです。
これは開き直りではありません。
「生存戦略」の次にくる「幸せに生命を生き切る戦略」です。
今、そこに住む生活者が幸せに生き切るにはどうしたらいいのかを考えるという選択肢はあってはいけないのでしょうか?
人間は本来、生きるために集団を形成してきました。
狩猟採取時代に限りません。
産業化が始まってからもそうです。
産業化の中で木が必要になったら川沿いに集落をつくり、切った木を川に流していました。林業の為に切り開いてつくった村は「枝村」と呼ばれます。国産の木が必要なくなった時、枝村は役割を果たしました。
不名誉なことではありません。前向きなことであり、尊いことです。
幸せに生命を生き切れる形はそれぞれです。1つの共通解はありません。
「じゃあ具体的に、どうすればいいんだよ」
と言われそうですね。
何が幸せで、何を望んでいるのか、問い直すところからはじめたらいいと思います。