【プロスペクトランキング2021】まだまだ居るよ!Bsプロスペクト紹介②
①はこちら〜 読んでない方は合わせて読んでいただけると嬉しいです✨
野手編は3名!!
⑤頓宮 裕真
名前→とんぐう ゆうま
投打→右投右打
体格→181cm 98kg
年齢→25歳(21年満年齢)
出身→岡山県備前市
経歴→岡山理科大附高⇒亜細亜大⇒オリックス18年②
万年、長打力不足から来る得点力不足に喘いでいたオリックスに現れる、待望の右のスラッガー。ポジションは1B/C。
ルーキーイヤーの2019年は打撃力を武器に5番3Bで開幕デビューを飾るも、慣れない3B守備&プロの強度のある球に苦しみ、故障離脱も重なって二軍に降格。プロの壁に苦しんだ1年となりました。
その後、シーズン終盤にアマチュア時代に慣れ親しんだ捕手へと戻りました。元々打撃力が先行する選手で、大学日本代表や亜細亜大でも度々DHや1Bとして出場していただけに、個人的には衝撃的でした。
今期も、開幕直後の7月1日に自打球を当てて左脛骨骨折と悔しいスタートに。とはいえ、出場していた期間の打撃力の成長には目を見張るものがあったといえるでしょう。
2019
一軍成績 .198(91-18) 3本 10点 OPS.556
出塁率.204 長打率.352 三振率.237
二軍成績 .274(80-22) 3本 11点 OPS.847
出塁率.372 長打率.475 三振率.096
2020
一軍成績 .313(32-10) 2本 5点 OPS.965
出塁率.371 長打率.594 三振率.314
二軍成績 .259(58-15) 4本 13点 OPS.935
出塁率.348 長打率.586 三振率.227
まず特筆すべきは、打席数に対する長打の多さ、とりわけホームランの多さです。
2年連続で故障離脱を余儀なくされたこともあり、19年は187打席・20年は101打席に留まっていますが、それぞれ6本塁打と圧巻の長打力を見せつけています。
二軍でのOPSは、大阪湾の強風+高いフェンスに遮られる『打者地獄』の舞洲を本拠地としながらも、.847→.935と圧巻の長打力。
この他にも、どのホームランも『打った瞬間』のホームランであることから、彼が持つパワーポテンシャルの大きさを感じさせます。
今期1号の日本ハム有原(現レンジャーズ)の153km/hを左中間中段に飛ばしたものなどは最たるものでしょう。
一方、数値を観て懸念される『三振率の高さ』ですが、これはボールアプローチの変化によるものであると考えます。
2019年はオープン戦・開幕と一軍で迎えるも、打率が2割を切るなど確実性を大きく欠いたことが二軍降格の要因となりました(当然守備面など他の理由も一員ではある)。
二軍レベルでは1年目から無双できる実力は持っていましたが、一軍での確実性を強く気にした結果が、二軍での三振が僅かに9という歪な成績に繋がっていたと考えられます。三振こそしなかったものの、凡退の内訳でフェアグランドの凡退が多くを占めた(いわゆるアダムダン率が低い)のは、ポイントを近づけた結果のことだと推測します。
2020年はここが改善され、ポイントをアマチュア時代ベースへと戻し、元々速かったヘッドスピードが更に上昇したことで、ストレートに詰まらされることが少なくなりました。
2019年には、93打席でたった1つしか得られなかった一軍でのフォアボール(規定打席換算で4)が、今期は1/3の打席数で3倍(規定打席換算で38)と大きく改善されました。
今期1号のホームランは『二軍で取り組んだこと』を"証明"する一発と言えるでしょうか。
元々変化球を前で捌いてバックスピンをかける技術、ヘッドを走らせて力を伝えるメカニクス面、そして崩されながらもスタンドまで運ぶ背筋やリストの強さといった部分には大きなセンスを感じさせます。
投手の左右に関わらず、体重を後脚に残して変化球に振られないからこそ、二軍とはいえ1年目からあれだけの数字が残った、幾ら意識したとはいえ三振数9は並大抵の数字ではないはずです。
以下の映像のホームラン以外にも、昨年のSB・板東湧梧の甘いカーブを捉えての特大ホームラン、阪神・髙橋遥人の低めスライダーを掬い上げての特大ホームラン、今年では一軍で第2号の、日ハム河野竜生のスライダーを掬い上げてのホームランなど、この類いのホームランは彼の十八番でしょう。亜細亜大でも何度も見られました☺︎
故障離脱が多くシーズン通して試合に出続ける難しさや、その中で見えてくる打撃面の課題など、不安要素もやはり大きくはありますが、この2年間で彼は大きく変わったと思っています。
メカニクスの良さとスピンを掛ける天才的な感覚で打球を飛ばしていたところに、アプローチの変化による根幹からの確実性のUPを掴みつつあるのは大きな進化でしょう。
頓宮については、またいずれnoteに綴りたいなと思っていますが、彼が時間をかけてもオリックスの次代を担う時期はそう遅かれやってきます。守備面もがんばってほしい!!!こっちはシーズンインまでには描きます!!
⑥太田 椋
名前→おおた りょう
投打→右投右打
体格→181cm 77kg
年齢→21歳(21年満年齢)
出身→大阪府羽曳野市
経歴→天理高⇒オリックス18年①
走攻守に並々ならぬセンスを持つ、NPBきっての超プロスペクト。50m6.1秒の快速・5階席まで悠々運ぶ長打力・広い守備範囲と嗅覚と、粗さはあるも果てしないレギュラーポテンシャルを兼ね備える。ポジションは2B/3B。
ルーキーイヤーの2019年は、一軍体験として昇格したオープン戦初日に、SB千賀滉大から死球を受け、右尺骨骨幹部骨折で前半戦の全休を余儀なくされます。後半戦に二軍戦で出場し始め、高卒ルーキーとしてはかなり優秀といえる .258(233-60) 6本 21点 4盗 OPS.743 の超がつくほどの好成績を収めます。これを、大阪湾の強風+高いフェンスに遮られる『打者地獄』の舞洲を本拠地とする、二遊間を守る高卒ルーキーが成し遂げるのだから、素晴らしい数字より更に凄さが伝わると思います。
二遊間を守る、安達了一・西野真弘・大城滉二と故障離脱が相次いだ9月には、一軍体験としてながら昇格を果たしました。
2019年成績
一軍 .000(13-0) 0本 0点 OPS.185
出塁率.185 長打率.000 三振率.438
二軍 .258(233-60) 6本 21点 OPS.743
出塁率.331 長打率.412 三振率.209
2020年成績
一軍 .259(54-14) 3本 5点 OPS.785
出塁率.322 長打率.463 三振率.311
二軍 .243(144-35) 3本 14点 OPS.698
出塁率.337 長打率.367 三振率.235
高卒で入った選手が1年目・2年目にこれだけの数値を残してるのが、そもそももうヤバいのですが、そのヤバさは数字よりも実際のプレーを観る方が伝わりやすいのかな?と思うので、彼が放ったホームランetc置いておきます。
特筆すべきは西武・松本から放った3号の5階席へのホームランでしょう。
インサイドに入ってくるシュートを、軸回転でバットを最短距離でインパクトさせることで、速いボールに対して無駄な動作がなく&力を逃さずに角度をつけることが出来ている、これはもうとんでもないことです(語彙力)
このボールをファールにせずにフェアグランドに残しているのも凄いのですが、更に凄いのは、後脚に体重を残す&体幹が強く軸がブレないことで、それこそがインサイドの難しいボールを確信ホームランへと変えてしまう長打力を生み出しています。
この試合は最下位がほぼほぼ確定した、9月19日の試合で、自身初のクリーンアップに座った試合での第1打席なのですが、いきなりの大役でも物怖じせずに1打席目のファーストストライクを強振できる度胸&適応力にも素晴らしい才覚があると思ってしまいます👏
https://twitter.com/zu68880518/status/1153548070853869568?s=21
昨年のナゴヤ球場二軍戦で、中日・濱田達郎投手から放った、左投手の内角をぶち抜くホームランも圧巻ですね。何度かこのようなインサイドの難しいボールをホームランにしていることからも、太田が持つインサイド捌きの技術は偽物ではないことが伺い知れます。
近年のNPBでは、太田以外にも、日本ハム・野村佑希(花咲徳栄より18年②)、中日・石川昂弥(東邦より19年①)といった、インサイドを後脚に体重を残して軸回転で運べる打者が1年目から爆発的な成績を残す傾向があり、2020年ルーキーだと元謙太(中京よりオリックス20年②)が最たる打者として挙げられます。2021年にも多分いるんだろうなぁ…笑
その先駆者になっているのが、5年連続3割&25本塁打超と破格の成績を残す、広島・鈴木誠也なのかな?と思っています。
太田も元も、近未来に一軍で『ホンモノ』になる選手なので、太田と共に元謙太にも注目してみてください。
守備面は身体能力への依存が大きく、特に送球の面で左右にブレるなど、まだまだ思ったようにはポテンシャルを活かしきれていないように映りますが、天理高時代から守備力も魅力の遊撃手として鳴らしたように、守備範囲の広さや打球への嗅覚など磨けば磨くほど光り輝くポテンシャルは有しています。
この辺は課題であると同時に、今後幾らでも改善が見込める部分でもあるので、頑張って欲しいですね。
2019年・2020年と故障離脱に泣いている部分は否めませんが、その高い打撃力は二軍レベルではないのもまた事実。(死球での離脱はやむなしとしても)怪我をしない視野の広さを持つことで、怪我予防&野球IQの向上にも取り組んで欲しいところ。
小さく纏まって足や守備で勝負する選手ではないので、2021年は、幾ら三振が嵩もうがトライアンドエラーで強く振ることを意識して、試合に出続けることが1つの試練になるのかな?と捉えています。
幸い、オリックスはそれができるチーム方針&最下位独走決定的な選手層てもあるので、中嶋監督にも彼を大きく育てる意識を持って起用をして欲しいところです。
間違っても、そんな人はいないとおもいますが、右の代打2番手&代走要員にはして欲しくないですね。
↑投手三冠のパ・リーグNo.1投手千賀も注目↑
⑦紅林 弘太郎
名前→くればやし こうたろう
投打→右投右打
体格→186cm 88kg
年齢→20歳(21年満年齢)
出身→静岡県藤枝市
経歴→駿河総合高⇒オリックス19年②
186cmと大柄な体格を持ちながらも、打球に対して判断良く身体を入れて、柔らかいハンドリングで確実にアウトを取る、ポテンシャルの高い守備型SS。
ドラフト前には、巨人や日本ハムなど複数球団が獲得を熱望しており、それらの球団から悔しがる声が漏れたほどです。
打撃面では多くの課題を持つも、高めに振り負けずに右中間を強く割る長打や、対応力の高さなど時折大きな希望の光を魅せます。ポジションはSS/3B。
ルーキーイヤーとなる2020年は、二軍で時間をかけて育成していく球団の方針もあり、シーズンの殆どを二軍で過ごしました。
二軍戦でシーズン338打席は、全12球団の選手での最多打席数でもあり、1つ上の宜保翔(SS/2B)、2つ上に廣澤伸哉(IF/OF)、3つ上に岡﨑大輔(IF)と若いショートが多く在籍しているにも関わらず、SS+3Bでこれだけの打席数を割かれているのは、球団の紅林への期待値の大きさが伺えます。
これだけの試合数、特にファーム公式戦だけでなく、プロアマ交流戦や終盤の一軍戦、そしてシーズンオフのフェニックスリーグと数多くの試合に出場する中で、特に見て欲しいのが、紅林の体重です。
ドラフト直前版の野球太郎では、公称186cm80kgだった体重が、最新の体重では86kgと6kgのパワーアップに成功。
出身高の駿河総合高は、静岡県の決して強豪とはいえない公立高校であり、他の強豪私立高校出身のハードな環境で出続けてきた選手と比較すると、体力面や野球の環境面で大きく不利を被ります。
また、紅林のポジションは遊撃手という、フィールドプレーヤーの中で最も守備負担がと大きいとされるポジション。更に2020年は新型コロナウィルスの影響で不規則的なシーズンになるなど、彼にとっては人一倍難しい環境からの難しいシーズンになったことと思います。
その中での6kgの増量は、苦しい環境でもビルドアップできる身体であるという点で、数字以上に希望が持てる部分ではないでしょうか。
彼が二軍でフルシーズン出続ける難しさ、その中で感じた課題と充実ぶりは、以下の記事にたっっっっっっっっっぷりと記載されています🥺
個人的には、今年の二軍でのSSでのUZRのマイナスは出続けたことの充実っぷりの証明だと思っていますが、それが激しくわかる記事です。
是非ご覧ください。
バッティングでは、捉えるポイントは高校時代と変わらず前目のポイント。身体の強さがあり崩されても外野の前に運んだり、捉えた打球では甲子園のセンター最深部まで飛ばしたりと中々のパワーポテンシャルを感じますが、前捌きだけでなく懐で捌ける打球が増えれば、目に見えるホームランの数なども付いてくるはず。
また、タイミングを外されたときに手打ちのコースヒット以外に打つ手段が無い…という所からも脱却できるので、元々柔らかい打撃をできる選手で、コンタクト率は高めに出ると推測できるのですが、そこから更にHard率の上昇を根拠として、コンタクト率→確実性として結びついてくるでしょう。
余談ですが、楽天・則本から放ったプロ初ヒットは変化球待ちでストレートに反応したものなのかな?と見ています。
長くなりましたが、これでオリックスのプロスペクト紹介を終わります!!
本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に、オリックスには良い選手が多く居ます。
今は1番苦しい時期だとしても、必ず彼らの時代はやってくると信じています。
今オリックスを見下している人達の5年後が楽しみで仕方がないので(←おい)、楽しみにしています🥰