遊撃手、遊撃手、王様|虹空文庫
ベイスボゥル地方のはるか北の北にあるセリィグ国とパリィグ国。
両国は「百年戦争」と呼ばれる領土争いをし、たくさんの血を流していた。
長い戦争により互いの勢力が弱まったことを聞きつけた南の大国・メジヤリィグ国が進攻してくると噂が流れた。
「このままでは我々の国はヤツらに奪われてしまうぞ」
と、セリィグ国の国王・サカモトゥとパリィグ国の国王・マツゥイが停戦・同盟に申し出た。
百年以上も血で血を洗う争いをしていた両国。実情その遺恨は深く、同盟は困難を極めた。
そこで古より伝わるヤキウと呼ばれる「木の棒」と「玉」を使ったもので勝負し、どちらが同盟の指揮を取るか決めることにした。
両国は古の文献を研究し、1ヶ月後の決戦に備え9人の精鋭部隊を結成した。
ヤキウの花形は「トウシュ」と呼ばれる玉を投げる役目のもので、両国の国王が勤めることになった。
そして決戦の日。すっかりヤキウの虜になってしまったサカモトゥは突然に陣形の交代を言い出した。
「いけません!国王がトウシュを勤めるとパリィグ国とも条を結んでいますが故・・」
しかしサカモトゥは「ヤキウの真の花形はトウシュではない!」とゆずらなかった。
それをマツゥイに伝えると
「実は私もそう思っていた。”守備の華”と呼ばれる者が国王に相応しい」
そして決戦が始まり、両国の陣形が発表になった。
「遊撃手、遊撃手、王様」
たらはかにさんの毎週ショートショート。
今週のお題:「ショートショート王様」に参加作品です。
多少、字数オーバーしてしまったかな?
坂本勇人選手、松井稼頭央選手がモチーフですが、アイキャッチが広島・菊池涼介選手なのはごめんなさい。
デザインの構図的に好みだったので。
「ショートショート王様」のお題でこちらも読むがいいのさ。
ああ読むがいいのさ。