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WBC~サムライたちを支えたダルビッシュ
あのドラマの裏側にあった、もうひとつのドラマです。
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今年のWBCはスゴかった。
次々と現れる強敵を相手に勝ち進むことができたのは、スター選手の活躍だけてはない。一人一人が役割を果たした「全員野球」だったからだろう。
特に、大舞台にも関わらず、若手も臆することなくプレーしていた姿が目を引いた。
「相手チームのスター選手への憧れを捨て、勝つことだけを考えて下さい」
という大谷の言葉に加え、それを大きく支えていたのがダルビッシュだった。
彼はメジャーの選手の中で唯一、宮崎での合宿からチームに合流した。
自身の成長のためにもと、若手らからも練習メニューを聞くなど、積極的にコミュニケーションをとった。彼の武器である変化球についても、惜しみなくアドバイスした。
メジャーリーガーには壮行試合への出場禁止などの制約がある。そのため、早めに合流することは彼自身の調整を難しくするものだったろう。
けれども、彼はチームの勝利のために「自分に何ができるか、何をすべきか」を考えた。そして、自身の活躍以上にチーム作りに力を注いだ。
「野球は明るく楽しくやるものだ」
「世界一になる秘訣は、世界一を考えないこと」
と言って、選手らの肩の力を抜かせた。
不振続きの野手には
「人生の方が大事。野球ぐらいで落ち込むな」
と、はげました。
試合のない日は、選手らをラーメン屋に連れて行ったこともあった。
会場入りの際、待ちかまえていた大勢のファンに向かい、バスの窓から選手らが手を振っていた。その中で彼は背筋をスッと伸ばし、前を見据えていた。
その姿は、まさに一人のサムライだった。
優勝が決まり、彼は監督に続いて胴上げされた。
シャンパンファイト後のインタビューで感想を聞かれ、
「寒かった」
と、答えた。みんなから、かけられたという。
「ダルビッシュさん、大好き」
と、振ったシャンパンを彼に向けた者がいた。村神様には三回も、かけられたという。
それらは彼への熱い感謝の気持ちの証しだった。
彼は「これが最後のWBCになるだろう」と見られていた。けれど、優勝後に大谷から「三年後も」と、声をかけられたという。
彼が再び、あの大舞台に立つかどうかは、わからない。けれども、彼から野球への姿勢や技術を受け継いだ者たちは、三年後に、より大きな花を咲かせてくれるだろう。
日本チームに再び加わることを条件に、大谷がヌートバーに贈った時計。
それは「三年後に向けたカウントダウン」の象徴のように思えた。
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