とある国の王様へ-191118


本当は、お礼のnoteとか作品の考察とか色々書きたいこと書くべきことがあるのかもしれないけれど、一番最初に書かないといけないと思ったので書こうと思います。

読むも読まないも、受け取るも破り捨てるも自由。
だから、書くのもまた自由と信じてる。

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とある国の王様へ

先日は、カラスミカ企画「うつくしくきれいなわたしたちのくに」をお受け取りいただき、ありがとうございました。
私は貴方の国のことを知っていてとても好きだと思っていたので、本当はご挨拶に伺いたかったのですが……出来なくてごめんなさい。

私が貴方の国を蝕んだことにも、気がついていませんでした。

そんなつもりはなかったのに…としか言えない自分がいます。
だって貴方の国のお話はとても面白くて、他じゃできないことばかりをしていて、私も大好きで、何より、『彼女』を愛してくれる王様だと知っていたから。
『彼女』から貴方の言葉を聞いた時、愕然とし同時に震えました。蝕んだのだ、と。
本当に、そんなつもりはなかったのです。

でもね、同時にね、怒りも覚えました。
一国の王として、貴方の国を愛する者として、勝手に終わらせてしまうという選択をとった貴方に。

貴方はきっと十分に知っているし体感していると分かっていてあえて書くのですが、一国の王というのは責任が生じています。
演劇は時間がかかります。企画して場所取って人を読んで書いて稽古してと、色々なところを通って作っていきます。
王は王なのですから、「私のために働け」といった人から逃げてはならないと思うのです。

私は、『彼女』を通して貴方と同盟を結びたかっただけなんです。
貴方が『彼女』をとても愛していると知っていたから、私は貴方に『彼女』を愛しているのは貴方だけでないと知って欲しかった。
私と貴方で、『彼女』を愛していきませんか、とと伝えたかっただけなのです。
だってあの子は美しいでしょう? 生き様も立ち姿も声も何もかも、失いたくないって思うのは私だけなんですか、ねぇ。

逃げんなよ、頼むから。
貴方の国で作られるモノを、私だって『彼女』だって愛してるんだから。
『彼女』を愛する王としては、もう泣くのを見たくないんだよ。

こんなとこに書いたって届くかわからないけど、それでも私は貴方の国のお話をちゃんと待ってたよ。
貴方の国で笑う『彼女』がいたら、ちゃんと逢いに行くって。

立ち上がってください。同盟でも戦争でもなんでもいいの、受け取って蝕まれても、それでも貴方の胸の中に何も残らないわけじゃないはずでしょう。
それでもいなくなりたいならせめて、最後の作品くらい、声をかけた王としての責任を果たしてからにしてくれませんか。

次会う時は、国同士として貴方と握手できるよう祈っています。

とある国の女王様へ
ヒナタアコ

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