副業の罠
気軽に副業、副業いわれてますが、どこかちょっとだけ不安に思います。特にこんなにたくさん、ちょい仕事があるってことは、供給がわのニーズが超あるってことです。
仕事を供給している側の企業は、社員として雇ってやってもらうにはコストが見合わない仕事を、外注することでバランスさせようとしています。Uberをはじめとするギグワークは一時的に作業だけにコストを払うだけなので、雇う側にとってはかなり都合がいいかたちです。Uberは自動運転が実用化されるまでの利益確保のためギグワークを活用しています。
また、ちょい仕事の副業を政府が推進しているということもありますが、なぜなんでしょうか。政府は、労働人口の減少による国の収益減に対し、ちょっとした仕事でも受託発注できる仕組みを整えておこうとしています。Timeeなどはトレンドにうまく乗ったサービスですのでマスコミや投資家受けがいいんですね。
働き方改革、副業、人生100年時代という言葉は、消費と労働力の確保のために啓蒙されています。投資家、資本家はトレンドというものに乗ることでお金の効率が上がるため、どんどんこのトレンドに乗ったほうがいいわけですが、庶民の幸せとは相容れないこともあります。どちらかといえば、これにより格差は広がっていきます。
かなり偏った見方をすれば、民主主義は、大多数の庶民の票を獲得した代表者たる者たちが、優秀である自分たち少数の意見で原理原則ルールを変えることで、国家および少数の資本家たちを繁栄させ、そのことにより投票をしてくれた庶民に施すという一面があると思います。儲けている人は、庶民の総バリューによって儲けているので、一定の働かない人を食わす義務が発生している(本当に施すべきかは別としても)という構造なのです。それが公共の福祉だったりします。そして、このちょい仕事の副業は、まさに富める者たちに都合の良い仕組みになっていく懸念があります。
フリーターも、派遣社員も、クラウドソーシングも、ボランティアも、経済や政府にとっては、非常に助かる仕組みと思うのですが、個人にとって将来的にリターンが得られるような仕組みが担保されているわけではありません、だから、すべて自己責任の元にやらなければいけません。マスコミや広告によって一方的に持て囃されたり、脚色されたりしてトレンドは作られているので、安易に心動かされ行動してしまうということが起こってしまうと思います。念の為ですが、儲からない=悪というつもりは全くありません。将来のリスクがあるかもしれないと理解してやるということが大切だと言っているだけです。
安直に作業できるものはそれなりのものであって、昔フリーターは夢実現のために、自分の時間や人生を切り売りしてバイトをしていたころがありました。いま流行りの副業はそういうときのちょっとしたお小遣い稼ぎとしておくのが良さそうです。フリーターそのものが目的となった大人たちは、苦労した人も多いです。それが繰り返されないようにと祈るばかりです。