ふたりぐらし

桜木紫乃さんの「2人ぐらし」を読んで

最近は夫婦を描く作品を手に取ってしまう。

もしかしたら今の自分の状況を肯定しているのかも。

この小説に描かれている映画脚本家の夢を追いかけ続け定職のない夫と看護師の妻の話。

妻の両親とあまり馴染めない夫、夫自身の親との関係。

微妙な空気と関係性が非常にリアルに感じられる。

夢を追いかけることをいつから人間は辞めてしまうのか。
何をするにしても気になる親の反応。

肩身の狭い思いをしてでも夢を追いかけ続ける主人公は本当に強い。

ビールではなく発泡酒で乾杯したり、飲める本数まで気を遣うところも、じんわりとメッセージを感じる。

「常識と感受性の間で悩むことも、大人として生きていく上では大切だからね」

この言葉に思わずアンダーラインを引いた。

確かにそうだ。

大人は思った以上に大人ではない。

古い価値観を押し付けてくる人もいるし、アドバイスをくれる人が正解を持ってきてくれるわけでもない。

夫婦関係でも家族でも言いたいことも、言いたくないこともあるし、敢えて言わないこともある。

周りや両親、その他の人たちが常識と考えていることでも、必ずしも正解になるものでもない。

もう先人のよう年功序列で我慢し、耐え抜く人生ではなくなった。

だからこそ悩むし不安だけど、凡人でも稼ぎやすくなり、チャンスの多い令和の時代で働く世代になれて、心からよかったと思っている。

問題点は考えすぎると不安で埋もれてしまうこと

今はただひたすら前に進んでいってみようと思う。

お互い自由に行動し、週末休みがかぶる日曜日だけ一緒に出かける。

そんな夫婦二人三脚、私の人生もまた、幸せだ。



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