「深沈として大度あり」
Kindleで持統天皇に関する本を読んでいる。
私が持統天皇の存在を知ったのは14歳の時「深沈として大度あり」と称された先人に興味が沸いた。
最愛の夫を失くしてからもひたすら愛し続け愛人の1人も作らず国家の為に働き続けた。
根っからの政治家。オーストリアのマリア・テレジアにも匹敵する偉大な存在だ。
権力に酔いしれて男に狂った中国の則天武后やロシアのエカテリーナ二世とはえらい違いだ。
今、日本の皇室が色々な意味で取り上げられている。
昨日、私が本を読んでいて気がついたのは「天皇=象徴」。
この制度を作り出し定着させたのは西暦645年生まれの持統天皇だ。
持統天皇は702年頃56.7歳でなくなっている。(当時は45.6歳で病死亡する時代だったから長生きの部類)後継者問題や繰りかえされる天皇の位を争う戦で苦しんだ結果の策だと思う。
実の甥の大津皇子を死罪にした冷徹な女帝と言うイメージが強いが争いを避ける為に制度を作り天皇は「象徴として存在する」仕組みが出来た。
ずっと解決策がなかった後継者問題の対策の一つとなった。2021年も「天皇は象徴」。
この概念が未だ存在している。ざっくりと計算して1300年以上前に作り出された「象徴としての天皇という存在」は日本国憲法にも記されている。(第二次世界大戦前は例外とみなす。第二次世界大戦を経て制度が復活、今も生きている点がすごい)。
素晴らしい功績であり強い信念をもった、日本の歴史上唯一無二の天皇である。
1300年以上続く制度を作った功労者は持統天皇しかいない。持統天皇の異母弟説のある側近の藤原家の次男、藤原不比等や亡き夫、天武天皇の長男である太政大臣の高市皇子の存在も大きかったとは思うが持統天皇の揺るぎない意志と信念に勝てる人間などいなかったと思う。
私も信念と強い意志を持ち生きたい。
幼少期に実母と実弟を失くした寂しさや(この時代母親を亡くすと言うことは孤児になるようなものだった)嫉妬の感情を表には出さなかった。
実子の草壁皇子を天皇にするために大津皇子を死罪にした説もあるが、そのような私欲の為に立ち回る女性には1300年続く偉大な功績は残せないと思う。
先人として尊敬し見習いたい存在である。
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