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ウエスト症候群③薬の服用開始 ACTHとありとあらゆるてんかん薬

※上の写真が娘の脳波の状態です。5秒に一度の頻度でヒプスアリスミアと呼ばれる異常な脳波が見られました。

ウエスト症候群と診断されてからまず、ビタミンB6大量療法、バルプロ酸ナトリウム、その効果をみてACTH(副腎皮質刺激ホルモン)療法という順で進めていくのが日本では一般的のようです。効果的な結果が得られず、エクセグラン、リボトリール、サブリル(ビガビトリン)、ラモトリギン、トピラマート、、と投薬がどんどん増えてきいきました。何が効いて何が効いてないのか、元気がないのはダウン症だからなのか、ウエスト症候群だからなのか、薬の副作用なのか、どんどん分からなくなっていきました。


8月13日 ビタミンB6大量療法 4日間で中止

1日目、ピリドキサール錠10mg 24錠を砕いて粉状にしたものを与えました。5日後に32錠、さらに5日後に40錠。すごい数です。それは大人でも辛い量だと思います。しかも粉は発泡性があって、水を加えるとすこしブクブクした状態になりました。それを、スプーンですくってあげるのですが、離乳食も始めたてでミルク意外ほとんど知らない娘は当然嫌がりました。粉だらけになって与えましたが、4日ほどで嘔吐するようになり肝機能障害がみられ投薬は中止になりました。
※この療法で6歳の子供がウエスト症候群を完治させたという記録をマンガ家のたちばなかおるさんが記録しています。

8月17日 バルプロ酸ナトリウム投薬開始

主に全般てんかんの発作に第一選択薬として広く使用される抗てんかん薬のようです。医師からは、これから娘がしばらく服用していく薬てあり、仮に脳波が改善されたとしても服用が続く薬であると説明されました。初めは少量のから始めて少しずつ増やしていきます。バルプロ酸の服用で体内のカルチンが不足するため、エルカルチンも同時処方されます。

9月10日入院〜10月8日退院 ACTH(副腎皮質ホルモン)療法

ウエスト症候群と診断された時点でACTH治療入院の準備が病院では進んでいました。ACTHはウエスト症候群に対して特に有効と言われ日本では一般的に用いられる療法です。
両腿への筋肉注射が2週間、その後太腿交互に隔日で注射をし、その後1週間は様子を見る期間として設けられるため、入院での投薬治療となります。副作用として、治療中は感染症にかかりやすくなること、高血圧、電解質の異常、さらに脳の一過性退縮とそれに伴う頭蓋骨出血のリスクについて説明がありました。万が一異常が見られたとしても、元に戻るものだということで、リスクを承知の上で治療を開始しました。それに加えバルプロ酸も服用します。
この時はまだ、娘のウエスト症候群が「難治性」であるということを深く認識していなかった私は、どこで聞いたか「ACTHはダウン症児に高い確率で効果的」の言葉を信じてが娘の脳波はこの治療で治るだろうと予想していました。

治療開始から徐々に脳波に改善がみられ、2週間ほどで正常な脳波が確認できました。これで治った!!と安心しましたが、一時的な回復でしかなく退院前日に脳波の乱れが確認されて再発となりました。即再発。ACTH療法で発作が一旦止まることは多いけれど、約半数が再発するという結果も確認されているそうです。
「治療は効果的だったんだから、あと数発打てば治るんじゃないの??」
そんなことを言った記憶があります。2回目のACTHは可能だが、1回目から半年以上の間隔を空けること、さらに2回目は1回目ほどの効果が出ない報告があるとのこと。
ステロイド副作用により体重増加さらに顔は浮腫みでパンっパンになって帰ってきました。

10月8日 〜エクセグラン(ゾニサニド)投薬開始

ACTH療法後の再発に対して投与が追加された薬でした。
バルプロ酸同様、少量から初めて増やしていきます。
ACTHで退院してからは、バルプロ酸•エクセグランでしばらく様子を見ましたが、効果が見られず、この頃に医師からサブリル(ビガビトリン)治療の説明や市大病院への転院の案内がされます。そしてその間にも増えていく発作に対する追加の薬がリボトリールでした。

12月2日〜リボトリール投薬開始

少量から徐々に増やします。
この頃から、薬の増え方に比例するかのように、発作がどんどん増えていきました。自然な笑顔はほとんどなくなり、
発作は『ピクっ』というしゃっくりのような動きから、頭を『カクン』と下げる動きに変わりました。
数分間に何度も行う「シリーズ形成」と呼ばれる連続発作が多く見られるようになり、症状が重くなってるように感じ慌てて病院に電話をしたのを覚えています。「その動きこそがウエスト症候群なんですよ、頻度や回数を数えてください」と先生は穏やかつ淡々と私に教えてくれました。もう、サブリルをはじめてあげないと、可哀想なんだな、、
そんな苦しい心境でした。
翌1月6日~ サブリル開始となります。

④サブリル服用決断までの葛藤 に続くよ


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