【徹底考察】前回描いた絵を辛口自己講評会。絵の依頼がきたら、ここに注意!
こんにちは、HiNAです。
前作の徹底自己講評会です。
描き始め
アクリル画で進めています。
ここまでで2〜3日目です。
まあ、いい色彩感覚なのでは無いでしょうか。一番わたしが自由にのびのびと出来る時期。
多摩美生レベルなら3日で完成出来るかなと思うと、そのくらいの事出来たら良かったんですが。
私は大学入試が推薦でした。実技試験はいつもボロボロな感じで、スピードの無さは前々から課題に思っています。
10日目の進み具合です。
岩の表現に魅力がありますし、空の透明感なんか良い感じです。雲も描きこみが少ないものの、空気感が表現されています。
あえて渋めの色、暗めの色彩で進めています。
この上に鮮やかな色を乗せることでメリハリを出そうとしました。
ただ、この時期にちょっと失恋しちゃって気分も悲しめになってます!笑
そういう心も色彩に影響していくところが面白いところ。
ただ先ほども言った通り、どんどん仕上げにかけて明るい色を乗せるので、ある程度は計画的な進め方です。(多分)
この時期の具体的な計画としては山の形は大雑把なので直していくこと。
空の表現は、あえてアクリル画の薄塗り感を残して澄み切った空気を表現しようとしていました。
完成に向けて、岩を写真通りの描写に近づけました。
これ、オレンジ残してやった方が良かったなと思いました。実際の色には無くても、明るいビビットなオレンジが光の当たった面にある方が良かった。
実際にはそうじゃ無くても、その色の良さを残していく形で完成させた方が良かった。
なんだか、あまりにも絵に元気がないですね。笑
いくらなんでも暗すぎた。特に山なんかは爽やかな青っぽい色を使えばよかったのかな、なんて。
重い。
いい感じに光がさしているのが分かる。
今見て思うのは、単純に海の色彩を白に近づければ完成として良かったかもしれません。この辺になると1ミリ単位の色彩の微調整に入りました。
睡眠3時間で3時間は仮眠。絵の前でしばらく考えては色を足しては引いて。
死ぬ気で追い込みにかけました。ここまでで、1ヶ月半。ぎゅっと日数をしじめると、30日間くらい。
完成!必死でやって、何度も何度もやり直して限界までやったと思います。
制作期間はS50号。2ヶ月以内には終わった。
まあまあなスピードかな。
ーーーーー辛口ガチ講評
全体を振り返って。何ヶ月か経って冷静に見てみると、やっぱり岩が暗すぎたなぁと。というかスケール感が本当は違うんですよね。
あとやはり海の色はもっとパステル…というか、白に近く表面が光を反射している明るさにすると全体の完成度に現実味が増していたはず。
そして、何十時間も絵を見つめて、太陽の位置をなんとなく二つにした。謎行動。
いや、謎ではない。
これ、構図的にそもそも問題があったのかもしれない。私、構図取りを時々失敗します。
実は絵って下手でも構図さえ良ければ、いい絵になったりします。
写真でもそうで、ちょっと画質悪かったりしても、トリミングが上手な方が素敵です。
逆にいくら上手くても構図が下手だと台無しなんです(大反省)(大泣き)
あ、で、
海の水平線がちょうどど真ん中なんですよね、キャンバスの。
スクエアのキャンバスにど真ん中に水平線があるんですよ。それでね?
参考の写真。
見比べてみてください。
実は、写真そのままを描きうつしているわけではありません。
この雲の形、実際の写真通りににすると、画面におさまりません。
わかりますでしょうか?
実際には、もっとスケールが大きな雲なのですが、これをうまく縮めて、画面にいれるように…というのがご依頼内容だったのです。
これ案外目がおかしくなるというか、写真を見ながらやるうちにズレたりして錯覚起きてめちゃくちゃ大変でした。笑
でも、そのくらいのことはできないといけません。
とりあえずこの雲の形通りで画面に収める事で、構図的にかぎりなく左右対象の印象になると思います。
キーポイント
左右対象の雲。そしてど真ん中にきた水平線。
この二つの点から私は光の位置を、あえてど真ん中に感じるような持っていきかたをしてみました。
もう、ふりきってしまえと。。!
その方が潔いのではないだろうか!そんなわけで。こうなったんですよね。
ーーーご依頼先に完成をお見せした結果ーーー
「落ちていく太陽の位置が違います。」
「雲の形が少し違います。」
「もっと左側が明るいはず。」
という話になりました。
という事で描き直し。まさかの1ヶ月かかりました。
これはクライアント重視のデザインの仕事かな?と思います。
ゴッホやムンクが爆笑してる人を描くみたいな。
それはアートではなく、デザイン。
今回でご依頼の絵と、自分のアート作品というのは、完全に切り離して考えた方が良いかもしれないという結論になりました。
相手が完全に私の作品を愛してくれていたら、大丈夫なのですが、技術を求めている方にはそういう風に対応した方がお互いに幸せになれます。
二つを並べてみます。
1枚目→完成 2枚目→描き直し後 3→実際の写真。
どちらも良いと思いますよ!
これ以上は何も言いません。
完成した作品について、私はもう言葉をつけません。完成した時から、絵の人生が始まっているんです。絵は私の手を離れました。
時間内にできるかぎりを尽くしました。
そして、自分でピリオドを決めるのも大事な仕事なのだと知りました。
本当に大切な学びとなりました。
ーーーー反省点まとめーーーー
空の明るさを変えるということは、それにともなって海の明るさも変えなければ、辻褄が合わない。だからたった一部の変更だとしても、修正に大変な時間と技術が必要になるという現実。
描き直しの際の課金はぼったくりのつもりないんです。作品って、絶妙なバランスで成立しているのです。
でも私も自己講評した通り、足りないなと自分に感じる反省点もあるので、金額の請求って、めちゃくちゃ気が引けるんです。
お金をいただくというのはその分の責任、プレッシャーが増します。
ただ、だからこそ、良いものづくりのために、お金を正しく請求するか、私の説明で自分の完成点を貫き通すか。
この二択になることを知りました。
これは重大な分岐点でした。
次回のご依頼に気をつけるべきは、
1、相手が絵に求めている事は何なのか、一番好きなところ大切なところは何かをまずは聞き、それだけはズレないこと。
今回も太陽の沈む位置、海ではなく、夕陽に対しての愛情を知っていれば書き直す事はなかった。
2、説明後もやっぱり描き直しの際は課金があるということを前もって説明をする。
3、絵の技術を求めてのご依頼なのか、私のアート作品を愛してくれてご依頼くださったのか、どちらなのかを知ること。
です。
どなたかの参考になればと思います。
んじゃねー!
完成した作品から、私が失恋から立ち直ったかどうかは見る人の解釈に委ねますね😌