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盛岡藩雑書・藩政日誌の現代語訳【1677年8月7日】


鹿角の境界線

一鹿角論山境塚築済、出石源兵衛・臼井仁右衛門、昨日鹿角より罷帰、今日罷上り披露

鹿角(秋田県)で、論山(領土の境界を定める山)の塚(境界を示すための塚)の工事が完了しました。

監督者である「出石源兵衛」と「臼井仁右衛門」が、昨日、鹿角から帰ってきて、今日、上役にその完了を報告しました。

1677年8月7日 塚の工事の様子。


高価な献上品

一御鶴一居・御児鶴壱居、右両居兵助拝領之、為御礼同名右近登城一五戸大坂村与左衛門・市川村助二郎取上候二番・三番之鮭、今日江戸へ為指上、但与左衛門八二番鮭取上=付、
御褒美米弐駄証文今日遣ス、助二郎八三番鮭取上候付御褒美米壱駄之証文、是又一所=五戸へ遣ス
一御鶴一居・御児鶴一居宛、治太夫・七左衛門今日拝領之


「御鶴(おんつる)」
「御児鶴(おこづる)」という

特別な鶴2羽を、
「兵助」が拝領(目上のひとから受けとること)しました。

そのお礼として、
「右近」が、登城しました。

「治太夫」と「七左衛門」も
「御鶴(おんつる)」1羽
「御児鶴(おこづる)」1羽
を拝領(目上の人からものを受け取ること)しました。


五戸大坂村の「与左衛門」と、
市川村の「助二郎」が、

二番と三番の鮭を取り上げて、
今日江戸に献上しました。

「与左衛門」が二番の鮭を取り上げたので、
褒美として、米二駄(約120kg)の証文を今日渡しました。

「助二郎」は、三番の鮭を取り上げたので、
褒美として米一駄(約60kg)の証文をこれまた五戸に送りました。



大殿様に魚をプレゼント

一大殿様御在着之御使者川嶋角右衛門、明八日=江戸へ為御登被成筈、申渡之
一八戸弥六郎今日下着、則時登城
一大殿様御機嫌克御着城被遊候付、為御祝儀鯛二一折・すい、あふらめ拾・三るくい五つ、黒沢伝兵衛持参上之

◎大殿様(おおとのさま)のお着城に際して、
派遣された使者の「川嶋角右衛門」は、

役目を終えたので、明日8日に、
江戸に向けて出発することになっている。

◎八戸(青森県)の「弥六郎」が、
今日盛岡に到着し、すぐに城に登城した。

◎大殿様がご機嫌よく無事に城に到着されたので、その祝いとして、下記の魚を「黒沢伝兵衛」が持参して献上ました。


鯛二尾

折り箱に入った「すい」
調べたけど、食べ方が分からない。


あふらめ十匹
現代の青森でいう「アブラメ」のこと。
標準名称は「アイナメ」。
刺身で食べると絶品
焼き物に煮物なんでも料理できて便利な魚。

三るくい五つ
現代でいう「ミルクイ」という貝。
非常に美味しいらしい。
市場で1キロ3,000卸値が相場。

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