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がっかり名所は本当にがっかりするのか?

昨日、友達とボロ自転車に乗って往復1時間かけてカヤックをレンタルできる所に行ってきた。


そのときに二回死にかけたときの話と、

(一応)観光学を専攻する学生として、経験を2つ交えながらがっかり名所は本当にがっかりするのかについての持論を展開します。





スウェーデンは8月になると急に雨の日が増えて、

暑い日も朝晩は寒いし、体調管理と服選びが難しい。


私が友達とは違う街に住んでいるから、友達の友達の自転車を借りることに。タイ人の友達も昔に自転車を盗まれてしまったらしく、

もう一人の友達が前日なのに2台の自転車をどこからか持ってきてくれた。おそるべし人脈。


機関車の音がする自転車に乗って

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チェーンが外れたり変な音がしたりする自転車につべこべ文句を言いながらゆったりサイクリング。


暑かったけど、風は冷たくていいかんじ。



この景色、ミスタービーンがフランスに行く途中でヒッチハイクしてるシーンに似てる気がする...

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閑静な住宅街の古すぎて倒れかけてる建物とか、

素敵な家を見ていて、

こんなかわいい標識も。

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カヤックおじさんのやばすぎるジョーク

カヤックをレンタルしたところにいるおじさんが見せてくれた地図。

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Torsångっていうところからスタートして、Runnっていうそこそこ大きい湖へ。

途中にある島で休憩して、

左に回ってÖsjönという湖に行って、

Torsångに戻ってくる。


初心者だと4時間かかるって聞いて、

そんなきついのか?と思ったけど、


本当にきつかったし、なんなら4時間以上かかった。


一人乗りのカヤックを各自借りて、

オールの漕ぎかたとか、足のペダルの使い方を教わる。

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意外と収納スペースが多い。前後の黒いところには三人分のリュックが入ったし、ネットには地図もはさめて、

その前にある小さいスペースにはお弁当かおかしを入れるのがピッタリ。


おじさんが一通り説明を終えて、

「じゃあそろそろレンタル料払ってくれる?君たちがまだ生きてる間に😼」

って言うもんだからもう怖くて怖くて笑


友達は絶対沈没する、溺れるってびびってるし、


最初は3人とも嫌だなぁって思ってたと思う。


雷が鳴って小雨が降ってたけど、方向的に雨雲はないから大丈夫だそうで。

「一応雷近く鳴ったら陸に近いところに逃げてね、逃げるしかできないけど。死なないように」


と言われてもう祈るしかないなと思いながらなんやかんや長くて長いカヤックの旅がスタート。


アーメン。




死にかけるその1

とりあえず一行はお腹が空いていたので、休憩できる島を目指すことに。


なかなか島まで辿り着けないし、


島に着いても降りられるような場所が見つからず...


なんとか3人で協力して島に上陸。




お腹空きすぎて死にそうだったので無言でお昼ご飯を食べる3人笑


小さいキャビンと外にいい感じのBBQスポットがあるこじんまりとした島で、居心地がよかった。


友達とお菓子食べて、写真撮って、

引き返すか先に進むか一瞬揉めて、

やっぱり頑張って進もうということになって1時間くらいして再開。


お昼も食べたしカヤックのコツをつかんできたのもあってぐんぐん進む。


順調だし景色はいいし、最高じゃーん!!!




って思っていた矢先、雷が鳴って、小雨が降ってきた.....

それはすぐに豪雨になって、風も強くなって、

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あーこれよく映画で観るやつだ...

ハンターハンターの序盤にもこんなシーンあったなあ...

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思考停止。


オールで漕ぐのをやめたら、行き先と違う方向にカヤックが流され始める。


このままでは死んでしまう!(死なないかもだけど友達とはぐれちゃう!!!)


腕が疲れてたけどとりあえず必死にオールを漕いでみた。


風向きが逆だったから結局そんなに進まなかったけど、すぐに雨が止んだ。


友達と合流して、お互い生存確認。タイ人の友達、死を覚悟して祈りに徹してたらしい笑


あー死ななくて良かった。


死にかけるその2

晴れてきて、ゴールまであと少しじゃーん?!


ってテンションが上がってきた一行は、写真撮ったり、橋まで競争したり。


あーこのまま平和にゴールできるんだろうなあhahahって思ってたら、

急に友達が私の背後を指差して「後ろ!!!!!」


って言うもんだから、なんだろう綺麗な景色でもあるのかなあと思いながら振り返る。


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なんとそこにはファンキーな長い前髪とでかいツノ生やした牛が大量にいるではないか!!!!!!!!


草食べて水浴びしてる...かわいい。


動画撮ったり、ジュラシックパークじゃんこれーって話して、

さあそろそろ行くかってなったとき、


なんでか知らないけど牛がいる側の陸に引っかかってしまった私。


知らない間に一頭の馬が草食べながら私に近づいてくる...!!!


あー死ぬかも!牛を怒らせたくないけど友達に助けて欲しくて騒がしいパニックの日本人。




普通に自力で抜け出せたし、牛も襲ってこなかった。


でもあのあと友達が牛って人を殺すこともあるらしいよって言われて寒気がした笑



一概には言えないけど、スウェーデンで出会った動物はみんなフレンドリーで優しい。


色々あったけど、最後スタート地点に戻ってこれたときの達成感は忘れられない。

スウェーデン留学生活でベスト3には入るいい経験ができた。



高知県のがっかり名所に行ったときの話

5年前、高2だったときに用があって高知県に行ったとき、

時間があったので友達とはりまや橋を見てみようということに。

日本三大がっかり名所として、

北海道の札幌時計台、高知のはりまや橋、長崎のオランダ坂

が挙げられている。


その一つがあるんだったら、がっかりしたとしても見てみたいと思った。


実際私は全くがっかりしなかった。


なぜなら、その名所に行くまでの過程が面白かったから。


街全体がはりまや橋をネタにしていて、

顔出しパネルがあったり、

偽物のちっちゃいはりまや橋がアーケードにおいてあったり。



はりまや橋もどきに遭遇しては、「え?流石にこれじゃないよね?」


というやりとりを何回かして、やっと本物を見れたときはシンプルに嬉しかったし、気がつけば謎の愛着も持っていた。


だから5年経っても鮮明にそのときのことを思い出せる。





スウェーデンで一番残念な街

でも、実はこのカヤックに行ったBorlängeという街は、スウェーデンで一番Ugly(見苦しい)な街として有名なところ。

https://www.thelocal.se/20181022/is-this-swedens-ugliest-town-borlange/


この記事によれば、

この投票を主催したのは、とあるモダニズム反対派の団体であり、元々その地にあった美しい建物や景色が現代化の過程で量産的などこにでもある建物に飲み込まれてしまうことに関して、彼らは怒っている。

らしい。


Borlängeは確かに、街の外れにIKEAとか大きなショッピングモールができてしまったせいで街の中心にある商店街はほぼゴーストタウン化している。

スウェーデンっぽい赤い屋根の木造のお家も、

外れの方に行かないと見られない。


それからBorlängeは治安も悪い。これは自分でも感じるし、そこに住んでいる友達がみんな口を揃えて治安悪いエピソードを聞かせてくれる。


こういう背景をおさえてもう一回Uglyだって思われる事実を考えてみると、

正直仕方がない気がする。


一度大きいチェーン店とか便利なショッピングモールができてしまったらそこに人が集まって、お金が回って、住む場所もその近くに建てられる。


街の中心が変わっているちょうど過渡期の街だから、そう思われるのかもしれない。


私が通っている大学の新しいキャンパスが2022年終わり頃にそのゴーストタウン化した街の中心に映るらしい。

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正直、あの街にこんな大学が建っているのは誰も想像できないと思う。

でも2022年の年末にはスウェーデンに戻ってきているはずだから、

まだ遠い未来のような気がするけど、その時はこのことについて続きの記事を書いていけたらいいな。




がっかりなんかしない

はりまや橋も、Uglyで有名なBorlängeも、

私にとっては貴重な体験と大切な思い出ができた場所。


全然がっかりしないし、むしろ好き。


旅行はただ飛行機に乗って、ホテルに泊まって、観光名所を見て回るだけじゃない。


その道中のトラブルと同行人と解決したり、反対にもめたり、

美味しい食べものもそうじゃないものも一緒に食べて、

でもなんやかんや無事帰ってこれて良かったね!って達成感を味わいながら

文句を言いながらも日常に黙って戻って行くまでが旅行ってもんだと思う。


だからその土地が魅力がないとか、がっかりするとか決めつけてはいけないし、誰かがそうだったからといって、自分もそうとは限らない。


まあ、かと言って友達とかの口コミを信じたくなるんだけどね!










またね!!!




😝