また会える #リライト金曜トワイライト
Facebookであの人の名前を見た。なぜだろう心がチクっとした。
夢を追いながらも先が全く見えず時々不安になる。そんなときに不思議とあの人が私の前にあらわれた。その度に食事に行き楽しい時間を過ごしたがその先はにつながることは何もなかった。あの人の口からもう少し一緒にいたいと言ってくれるのを待っていたような気がする。あの人のことが好きだったのかはわからない。けれどもしその一言があったら委ねてもいいと思っていた。
そうしたら夢を諦められるかもしれないと思った。
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あの人と出会ってから30年の年月が経つ。再会の度に私の夢が一歩ずつ叶っていった。あの人は決してガンバレとは言わなかったけれど、どこか背中を押してくれたような気がする。きっと私の夢を叶えるために私への思いを飲み込んでいたのかもしれない。
それはうぬぼれなのだろうか。
今は会う時期ではないと思う。けれどまた偶然に再会できたときには二人の関係が変わるのかもしれない。
また会えたときはどんな日になるのだろう。
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No.6 また会える をリライトしました。
■なんでこの作品をリライトしたのか
私自身も似たような経験がありました。もどかしいんです。好きかどうかはわからなくても、相手の思いには気付いている。そんな空気感の中にいるのは心地いい。もしもこの時に好きと一言言ってくれたらなんてとにかくもどかしいの一言。今考えればかなりずるいなと思いますが。
■今回のリライトのポイント
女性側の立場に立ったB面。
●多くを語らず心情だけを表現したかった。
●男性の気持ちには気付いていた。
●女性側は夢の実現に悩み、男性に逃げを求めたのではないかと思った。
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池松潤さんの#リライト金曜トワイライト 企画に参加しました。
リライトするのは初めてでしたが、正直難産でした(こんなに短いのに…)、とはいえ、結構楽しみながら書いていたと思います。ありがとうございました。