(9)「Flipgrid」96本採点を終わらせる方法
こんにちは。日本語講師のHinakoです。
みなさん、流行り(?)のFlipgrid使ってらっしゃいますか。
簡単にいうと小学生でも使えるちゃうぐらい「簡単・たのしい・使いやすい」を売りにしてるビデオアプリです。私の学生さんにもとても好評です。授業がオンラインになって、プレゼンや口頭試験がすべてプロジェクトに移行したので、このFlipgridを使ってビデオ提出させています。
採点。。簡単ですごく面白いけど、大変すぎます。一人30秒前後のビデオなんですが、96本もみないといけないので、採点の壁にぶちあたりました。そして、今までの採点に対する考えじゃだめなんだなと思いました。
まず、私が愚痴をこぼしたこの自分のTweet。
こんなの書いている暇があるんだったら、「さっさと採点しろよ」という感じですよね。Tweetしてからずっと考えていたんですよ。これぜんぜん効率的でもない。ただのコツ?!そもそも「#効率的な採点方法」なんてあるのか?!もっと現実を見なきゃと問題を分析してみました。(*FripGridはタイポですFlipgridが正しいです。)
【問題点:採点計画がなかった】
対面の時はとにかく次々と学生さんが発表し、その場で採点終了していました。つまり、強制的に「採点せざる負えない環境」にあったのでしんどかったですが、終わらせることができていたんですね。今回、オンラインになって、採点=「自分との戦い」なので、採点が遅れるほどやる気もなくなり、終わらない。今回の一番の問題は、私の「計画性のなさ」。学生にはStudyPlanを立てろとか言っておきながら、自分の「採点計画」はまったく立てていませんでした。
【解決策】
1.Trelloで「採点計画」を立てる
Trelloというアプリをご存じですか。(👆Torelloはタイポです。日本語よみはトレロというようです)
こんな感じで、残り終わらないビデオの採点計画を立てて、やり始めました。
これ、タスクのカードが動かせるんで、自分が今どのぐらい採点が残ってて、どのぐらい終わったのかが一目でわかります。そしてカードをDONEのところに動かすと、なんかすごい「達成感」を味わえて、「よし次」と気持ちが前にすすみます。ポイントは、タスクをわざと「5人採点」にすること。おそらく、一気に10人は見れますが、無理しない。小さな達成感が最後まで続けられるキーだとおもったからです。結果、無事終了しました。
2.最初から返却が遅くなると学生に伝える
ゼロ初級の言語のクラスで、3クラス(1クラス×32人)で96人。対面のように早く返すのはあきらめました。学生さんには「返却は1週間はかかります」と伝える勇気、大事だと思います。迅速なフィードバックを心がけてきましたが、それは別のところでして、課題返却は時間がかかると伝えましょう。
3.フィードバックのやり方をかえる。
フィードバックを「ルーブリック」と「ビデオフィードバック」でしていました。理由はFlipgridのビデオフィードバックの手軽さと、学生さんとのコミュニケーション強化のため。私のクラスは出席は自由なので、「ZOOMに来ない/来れない学生さんとのコミュニケーションが大事」だと思い顔を出してメッセージを伝えてました。しかし1人20秒のフィードバックでも96回はきつい。そこで、N高の先生の記事を読んで気づかされました。
「教育の世界では、1人も落ちこぼれを出さずに全員を救う、みたいな考え方がありますが、それは僕らには難しすぎるので、全員を救うことはやめましょうと。そうじゃなくて、Aというパターンで3人救って、Bというパターンで5人救って、足しても100%にはならないかもしれないけれども、少なくとも全体の何割かの生徒の人生は確実に変えられる。そして、その数を増やしていこうと考えているんですね。」
結論:学生数が多いと、このFlipgridでは全員との丁寧なコミュニケーションはできない。来てない子全員を救うことはできない。
個人⇀ルーブリックだけの採点。
全体⇀1本フィードバックビデオ。「メッセージとよくある発音の間違いなどの細かいところを指導したもの」
学生さん同士:コミュニケーション強化のためビデオを見たらLIKEを押してもらう。
ゼロ初級の言語のクラスは「相互評価」も取り入れられないし、どうしても先生が発音、イントネーションなど等を評価するのは避けられないと思います。私のようにやれるところまでやって、疲れて燃え尽き、しばらく放置なんて全く効率的ではありませんし、いつまでも採点おわりません。
学生さんも計画的な学習が大事だと思いますが、先生も同じ。学生数の多いクラスの場合は、現実的で無理のない「採点計画」をきちんと立てて、学生さんにも理解してもらいましょう。
「採点計画」おススメですよ。
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