会計パーソンのためのExcel~第1回~
皆さん、こんにちは。
会計業務では必ず出てくるマスタ、トランザクション(受注データなど)のランダムなサンプルデータや、簡単な、でもよく見るようなレポートを作りながら、とても便利なExcelの機能の理解を深めていきたいと思います。
第1回目は、サンプルデータを作るにあたって、条件シートのイメージと、データの取り込みをしていきましょう。
サンプルデータを作ろう
まずは、ある程度のサイズのデータがないことには何も始まりません。とはいっても、実際の業務のデータを使うわけにはいきませんし、何万行もあるデータをランダムに作るのも骨が折れます。
そこで、必要最低限の条件だけ指定して、ランダムかつ整合性のとれたマスタやトランザクションデータを作るところから始めましょう。
使用するのは、Microsoft Excelに標準装備されているPower Queryです!
一部のケースを除いて、サンプルデータを業務で作ることは想定していませんが、サンプルを作ることで、こういうことができるんだ、というのは少しでもわかるのではないかなと期待しています。
今回作るデータテーブルたち
以下の6つのテーブルを作成していきます。
ちなみに、この図はExcelで描いています。データベースを多少でもかじったことがある方でしたらよく見る図かもしれませんが、Accessではありません。Excel単独でこんなことできちゃうわけです。
テーブルの構成
M_得意先(主キー:得意先コード)
得意先コードと得意先名称。いたってシンプル。M_カレンダー(主キー:日付)
連続した日付と、それらの日付が属する会計年度や四半期など。
主に、その売上が、どの会計年度や四半期のものなのかを識別するために使用します。M_商品(主キー:商品コード)
商品コード、商品名、販売単価といったオーソドックスな内容に加えて、「集計先セグメント」という項目を用意しています。有価証券報告書などのセグメント情報でどの報告セグメントに属する商品なのか、といった区分けをするために用意しています。T_受注伝票(主キー:受注番号)
顧客からの受注の共通情報である、受注日付、得意先。
伝票ヘッダとも言ったりしますね。
また、その受注が売上となった場合、それを識別するための売上フラグ(0:受注残、1:売上済)。T_受注明細
受注の詳細情報であり、主に、商品やその販売数量。T_売上伝票(主キー:売上番号)
受注伝票のうち、売上フラグが「1:売上済」であるもの。正常なシステムであれば、受注データの売上フラグと売上データの有無は整合していることを意識しています。
作り方
以下の「条件指定」で設定した条件を満たすテーブルを作っていきます。
他のシートには何もありません。本当にこれだけです。
条件をPowerQueryに読み込む
「接続の作成のみ」は、PowerQueryでのデータ加工にのみ使用する場合にチェックします。こうすることで、Excelシートには加工結果を出力しないため、ファイルサイズが無駄に膨らむことを防止します。
以上を、各テーブルごとに繰り返します。
その結果、今回は下記のように5つが取り込まれていればOKです!
使用した機能や詳細のまとめ
テーブルまたは範囲からデータを取得
上記ではテーブルを右クリックして取り込みましたが、以下からも同じことができます。
テーブルを選択した状態で
「データ」タブ→「テーブルまたは範囲から」をクリック
データのインポート
上記では「接続の作成のみ」を選択しました。
こうすることで、内部的にはデータを保持しますが、我々の見えるところには出てきません。
では、加工した結果を見たいよ、という場合はどうすればよいかというと、「テーブル」を選択し、出力したいセルを選択します。
では、インポート方法を間違えたので、後から変えたい、というケースはどうするかというと、以下のとおり。
こうしておくことで、状況に応じてシートにデータを読み込む、読み込まないを切り替えることができます。
「クエリと接続」が表示されないとき
何かのはずみで×を押してしまったとき、表示されないときは以下から試してみてください!
最後に
まずはデータの取込みと取込み後の確認の解説でした。
次は、取り込んだ条件をもとに、条件に合うテーブルを作っていきますよ。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回も興味があれば見てください!