資格取得について
今回は「資格取得」について書きたいと思います。
以前以下の記事で「資格取得」も含めた工業高校の魅力を書きました。
残念ながら、工業高校における資格取得がおかしな方向に向かっているように感じます。
「資格」とは、自身が所属する会社や団体の業務、あるいは自分自身の活動において、スキルを発揮するのに、一定の基準を満たしていることを証明するものと理解しています。
例えば「運転免許」は、公道を自動車等で走行するために必要な知識や判断について試験を行い、合格者に与えられます。さらに定期的に更新を行うことでスキルの確認もしています。
ですから、人生で運転をしない人は「運転免許」を取得する必要はありません。
しかしながら、「いつ必要になるかわからないから」「周囲の皆が取得しているから」等の理由で多額の費用と時間を費やし、なんとなく取得している人も多いかと思います。
「資格」は、人生設計において必要だから(必要な可能性があるから)取得する。
これが正しい考え方であると思います。
このことから工業高校における資格取得は、学科で習得している専門性の延長にあるものを中心として取得すべきものと思います。
例えば私が勤務する土木科で言うと「測量士補」や「2級土木施工管理技術検定」がこれに当たります。これらを機械科や工業化学科の生徒が取得して悪いとは言いませんが、人生において必要なければ取得する意味はありません。
資格取得マニアの部類の方々は、手当たり次第に難易度の高い資格を取得しています。それも悪くはないですが、工業高校でそのベクトルを持ってはいけません。
合格率や、取得数、全員合格などの無理強いで競うようになっては本末転倒です。
少なくとも学校対抗でもレースでもありません。ましてや表彰ネタでもありません。
「じっくり人生設計を考え、自身に何が必要かしっかり判断し、よく勉強して確実に取得する。」
こうありたいものです。