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土木の重要性

「通勤・通学のために使う鉄道や道路」
「蛇口をひねるといつでも出てくる浄化された水」
「排泄したものや汚水をそのまま流せる排水溝」
「大雨でも水浸しにならない生活」
「大海原を超えてつながる経済」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

 これらがない生活を想像してください。
 それは前人未踏の島で0から生活をはじめることに等しいです。
 そんな生活をした人は私も含め全国民の99.9%いないと言えると思います。

 厳しい言い方ですが、今の日本は「インフラ平和ボケ状態」です。

 人間の命はいつか必ず終わります。このことから世の中「永久」ということは絶対にありません。ただ、日頃から健康管理に気をつけ、心身のメンテナンスをしっかり行うことでよりよい状態で長生きができるのです。

 土木も同じです。

 鉄道・道路や上下水道、ダムや海底トンネルなどの社会インフラは、時代とともに「より便利に」「より快適に」なるよう整備されてきました。そして、それらは適切に維持・管理されているとともに、耐用を終えれば新たに造り替えられています。

 便利になると、不便な時を知っている人だけがその恩恵を感じます。しかし慣れるとそれも「普通」になります。

 しかし、その「普通」が全く普通ではないのです。

 海外では突然ダムが決壊したり、橋が崩落するなどの信じがたい事故が過去に起きています。

 日本ではそのようなことはあり得ません。理由について詳しく説明すると長くなりますので、ここでは単に「仕事の質が違う」とだけ言っておきます。

 整備された社会インフラが安全・安心にいつでも使えるのは、「土木に関わる全ての人々のたゆまない努力と、責任感ある仕事でなし得ている」ということをもっとたくさんの人に理解してほしいと思います。

 人間の生活の根幹となるこの「土木」という分野に、多くの若者が興味関心を抱き、希望をもって携わってほしいと強く願います。

 同時に、私自身、土木教育に従事する者としてここでしっかり襟を正し、職責を全うしていきたいと感じています。

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