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ベアシャフトチューニング②(アーチェリーから弓道へ)

 今回は理論を述べていきます。

1 矢の飛び出し方

 弓道の場合、弓に対して右側に矢が位置します(アーチェリーは逆)。
 従って、「離れ」が行われ矢が発射される際、矢は必ず矢摺籐に接触して右側に反発されます。
 一方、弓はその構造上、弦(ストリングス)が矢の最後部(筈・(ノック))を押し出しています。よって、矢の最前部(矢尻・板付け(ポイント))をコントロールすることができないのです。
 すなわち、飛び出しの時点で矢は絶対に蛇行するということです。
 これが、矢の最前部(矢尻・板付け(ポイント))を真っ直ぐに引っ張る形で発射できるのならば、矢が蛇行することはありません。

2 矢羽(ヴェイン)の役割

 矢の蛇行を解消するためです。
 ロケットを想像して下さい。最後部にエンジンと翼がついています。同じです。

3 ベアシャフトの矢飛び

 ベアシャフトは矢羽(ヴェイン)がありませんから、矢の蛇行が長く続きます。
 言い換えますと、シャフトの硬軟による蛇行が完成矢(羽付き矢)に比べて大きく現れます。

4 ベアシャフトチューニングの考え方

 完成矢(羽付き矢)の矢所(グルーピング)に対して、ベアシャフトの矢所(グルーピング)を観察することにより、その矢が矢羽(ヴェイン)にどの程度修正されているのかを考察します。
 大切なのは、その修正量が小さければ小さいほど良いと言うことです。
 理想形としては、完成矢(羽付き矢)とベアシャフトが同じ所にグルーピングすることが望ましいです。すなわち、矢羽(ヴェイン)の助けがいらない状態ということです。
 しかしながら、射術の精度や弓具の組合せ等によって無限のパターンが存在することは否めませんので、そこに達するのは難しいのが現状です。
 ですので、「矢羽(ヴェイン)の助けをなるべく最小限にするために行う」ということがベアシャフトチューニングで大切なことになります。

 今回は以上です。
 次回から具体的な方法について詳しく述べていきます。

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