土木は家族
以下の文章は、岩手県立黒沢尻工業高等学校の土木科3年生の副担任をしていた私が生徒の卒業に当たって生徒会誌に寄稿したものです。
執筆日は2016年1月14日です。
『土木は家族』
口癖のようにクラスや科集会で話してきたことである。
家族とはなんでしょう?
辞典によると、「夫婦とその血縁関係者を中心に構成され、共同生活の単位となる集団。近代家族では、夫婦とその未婚の子からなる核家族が一般的形態。」などと書いてある。
もちろん『土木は家族』の意味はこれに当てはまらないことは周知のことである。
しかし、その本質においてはとても当てはまることが多々あるので、これまで多用してきたし、そういうつもりで行動してきたし、今後もそれは変わらない。
土木工事は1人の手では絶対になしえない。規模の大小こそあるが、数10人から数100数1000人が一致団結して1つの目標に向かって突き進む超ビッグプロジェクトだ。
綺麗事ばかりを言ってはいられない。人は複数集まった時点で、意見の食い違いによるストレスを感じるものだ。些細なことでいがみ合ったり、取るに足らないことでつまらない行動を起こしてしまったり。
では、それを乗り越え目標を達成するために必要なことはというと、それが家族愛なのだと思っている。
短所や弱点ばかりを直させようとし愚痴めいているよりも、自分が行動し何かを変えてやろうとか、困ったり落ち込んでいる人を見かけたとき、そっと寄り添い立ち上がらせてあげるとか、離ればなれになってもしっかり心はつながっているとか・・・・・うまく表現できないがそういうことなのだと思う。
皆も素晴らしい家族愛を持っている。2級施工や測量標準テストの目標を自分たちで決め、厳しい指導に耐えながらも支え合う団結力、謹慎者に対する心からの愛情(敢えて書きます!)などなど、折に触れてそれを感じる場面があった。そして、この黒工土木科を良い意味で改革してくれたと思う。(切り捨てて背を向けるのは簡単。)
さあ、自信を持って新しい家族のもとへ飛び込んでいきましょう。
しかしながら、古い家族はいつまでも皆の心の中にありますよ。
『男なら、やるときゃ、やれ!』小林家族をいつでも訪ねてください。
卒業おめでとう!
世帯主ではありませんでしたが、とても充実した家族生活でした。
また会う日までお元気で!