漫画紹介「スナックバス江」
ジャンル:ギャグ、既刊7巻
「スナックバス江」はヤングジャンプ連載の漫画で、作者はフォビドゥン澁川先生です。
非常にクセの強いギャグ漫画です。ハマる人はハマるでしょう。
・あらすじ
場末のスナック「バス江」に集まる個性的なお客さんを、ママのバス江とチーママの明美がもっと個性的にもてなすお話。
・魅力その1、会話劇に全振りしたギャグ
この漫画の舞台はスナックなのですが……最新刊である7巻までの全146話の中で、その全体が崩れたのはたった一話のみです。残りの145話は全て、スナックの中のみで完結しています。
そのスナックも、基本的にはカウンターとコップのみしか登場せず、背景に至っては真っ白な空間です。
そんな代わり映えが無いこの漫画は、会話劇が何よりの魅力です。
あるあるネタや下ネタ、パロディーから社会派ネタまで、ありとあらゆるタイプのギャグを会話に盛り込み、おもしろおかしく昇華させています。文字が多いタイプのギャグ漫画としては、異常なほどのオールラウンダーさを誇る漫画だと言ってよいでしょう。
・魅力その2、一話完結型ならではのトンデモ設定
この漫画は基本的に一話完結型です。舞台も登場人物も、登場人物同士の関係も基本的に変化しないため、本当の意味でどこからでも読める漫画です。
そして一話完結型という設定を利用し、結構暴挙に出る事が多かったりします。
客として登場する宇宙人やUMA、異世界の勇者や魔王、果ては来店する始末。そういう時は会話劇に、登場人物の見た目や設定のインパクトが合わさるのでかなり凶悪な笑いに発展します。そういうトンデモ設定の人物達が、店のスタッフ側に押されて常識人な反応をしがちなのも結構ツボです。
・魅力その3、ルビ芸
この漫画のツッコミに偏在している特徴なのですが、普通のツッコミに独特なルビをつけて笑いを取りにくる事があります。わたしはこれをルビ芸と呼んでいます。
これは他のギャグ漫画ではあまり見られない特徴です。この漫画でしか見られないとまでは言いませんが、ルビ芸の頻度の高さは間違いなくこの漫画のオンリーワンな部分です。
そしてこのルビ芸、滅茶苦茶レベルが高いです。笑いよりも先に関心が来てしまう事さえあります。ギャグの内容に抵触するので深くは語りませんが、この特徴だけでもこの漫画を読む価値は十二分にあると言えましょう。
総評
面白いギャグ漫画です。一話一話の情報量が多いので、深呼吸を挟みつつ読む事をオススメします。
私的好感度:88/100、オススメ度:83/100