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感想「ひぐらしのなく頃に業 2巻」

今月4日、「ひぐらしのなく頃に業」のコミカライズ版が発売されました。

内容はアニメ版「ひぐらしのなく頃に業」における綿騙し編と同様ですが、敢えて語ります。

・アニメ版感想

感想記事をリンクします。

以下、漫画版のネタバレ注意!

まず前提として、漫画版は相当巻いているようです。

アニメで4話掛かったお話を漫画1冊に収めるには、そのくらいの巻きが必要だという事でしょう。

しかしそれはつまり、漫画版には重要ではない描写が省かれているという事。

ややメタ的ではありますが、重要な考察材料になりそうです。

・おもちゃ屋での部活

導入はアニメ版と同様ですが、圭一の逆転劇が丸々カット。まあやった事は「綿流し編」と同様なので、描写無しでも読者が困惑する事はありませんが。

・魅音に人形を渡す場面

梨花が能動的に解決のために動く貴重なシーンはアニメと同様。強いて言うなら圭一の心情描写から、梨花が動かなかったら人形を渡せなかったであろう事が窺えます。一応梨花の行動が無駄ではなかったという事ですね。

・圭一のエンジェルモートへの入店

アニメ版では父親に連れ出されての入店でしたが、漫画版では部活後すぐの単独入店でした。大した違いではありませんね。

・圭一対エンジェルモートのオタク

圭一が二度目にエンジェルモートに来た際、アニメ版では詩音(魅音)にセクハラまがいの要求をするオタクがおり、圭一をノックアウトしていました。

が、漫画版にはその男はいないようです。そのイベント自体がオミットされるという事は、だからなんだという話ですが。

・綿流しの準備

漫画版では、圭一はここで初めて詩音と邂逅しています。同時に詩音と魅音の双子関係もこのタイミングで把握します。一方アニメ版では、二度目のエンジェルモート来訪時の帰り道で魅音が手伝っているおもちゃ屋へ赴く事により、詩音の存在を知ります。

大した事無いようですが、これは結構大きな違いです。

アニメ版では二度目のエンジェルモートにいたのは詩音という事が確定していますが、漫画版では圭一の「魅音」という呼びかけを訂正しなかったので、おそらく魅音なのでしょう。

この段階で入れ替わりの齟齬が発生するという事は、ここで働いていたのが魅音でも詩音でも、大筋に影響はないという事です。

という事は、この点は考察する必要がないという事ではないでしょうか。なかなか興味深いです。

・祭具殿のオヤシロ様像

アニメ版・漫画版ともにオヤシロ様像の中に鬼狩柳桜が収められていたと思しき穴があります。重要なアイテムなので、当然そこは一緒ですね。

・綿流しでの大石の言動

アニメ版では確か、圭一に対して鷹野や富竹さんとの関係を問いただす程度しかしていませんでしたが、漫画版ではそれに加えて魅音に対する牽制を行っていたように見えました。

それに対する圭一の啖呵がかっこいいのですが、それはまた別の話。ここの追加描写は、魅音の圭一に対する気持ちを分かりやすくするための作劇的な要素でしょう。

・梨花の失踪前の描写

アニメ版での梨花は圭一に対して八つ当たりをした後、学校内で行方不明になりましたが……漫画版では早退したため、梨花捜索のタイミングもずれています。結果としては大して変わらないような気もしますが……

また、早退すると言って下校しようとする梨花を追いかける圭一に対して、魅音が「――…じゃないよ…」と意味深な事を言っているのも気に掛かります。ここのセリフは、どういう意図なのでしょうか。

おそらくですが、圭一が梨花を心配するという態度に対し「そうじゃないよ」と言っているのだと思います。

「綿騙し編」の魅音は、圭一が誰かしらに狙われているという盲執に駆られています。だから危ないのは梨花ではなく圭一だという意味でのセリフなのではないでしょうか。

もっとも、この後梨花が殺される事になるというのは皮肉ですが。

でもこのタイミングで魅音は教室にいます。昼休み後に集団下校とはいえ、追いつくのは無理でしょう。仮に帰宅後を狙ったとしても、その場合学校の便槽で見つかるのは不自然です。梨花殺害の犯人だけは、魅音ではないと推測できます。

同様の理由で沙都子でもないでしょう。校外の人間だとすれば……やっぱり山狗でしょうか。というか他に考えられませんしね。

・沙都子失踪のタイミング

梨花捜索のタイミングに合わせて、沙都子が行方不明になっています。遺体はアニメ版と同様に魅音と一緒に見つかっているので、死亡はこのタイミングではないとは思いますが……

どうやら沙都子の暗躍はこの辺りから佳境に入っているようです。

・頑丈な鉄格子

さすがにこれはアニメ版の演出過剰が原因でしょう。敢えて何も言いますまい。

総評

相違点は結構多かったように思えます。

ループを自覚している梨花が圭一に対して二度も同じような八つ当たりをするとは考えにくいので、アニメ版と漫画版の「綿騙し編」は実は別の世界のお話です、という事も無さそうです。

であれば漫画版も含めて考察が可能と考えてよいでしょう。

その場合、分かった事は以下の事実。

・綿流し以前の魅音と詩音の入れ替わりはさして重要ではない

・この世界の魅音は圭一の事が好き

・梨花を殺したのは魅音でも沙都子でもない

・梨花捜索時点で沙都子は姿をくらませている

この事実がどう影響するかは……分かりません。

解答編を座して待ちましょう。

2巻の満足度:80/100

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