漫画紹介「トマトイプーのリコピン」
ジャンル:ギャグ、既刊4巻
「トマトイプーのリコピン」はジャンプ+に連載中のギャグ漫画で、作者は「メゾン・ド・ペンギン」「いぬまるだしっ」の大石浩二先生です。
2年振りに最新刊が発売されたので紹介します。
・あらすじ
夢見がちな中学生、甘戸めめがある日突然導かれたのは「キュートピア」という、お菓子の成る木や喋る動物が存在するゆるふわ幻想世界。
そこで出会ったトマトとトイプードルの合いの子……通称「トマトイプー」のリコピンと絆を深めながら、ファンシーな日常を楽しく過ごしていくハートフルギャグ。
・魅力その1、魅力その1、可愛いキャラクター
この漫画の魅力はなんといってもキャラクターが可愛い事です。
主人公のリコピンやめめちゃんはもちろん、主要キャラではない一話限りのゲストキャラも大抵デフォルメが効いた可愛らしい容姿です。
例外はままあれど、絵面だけで癒される漫画というのは、それだけで読む価値が十分にあると思います。
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嘘は言っていません。キャラクターが可愛いのは本当です。
が、この漫画の本当の魅力は、キャラクターの可愛さと妙な現実味のギャップです。
キュートピアはゆるふわファンタジーな世界ですが、争いも政治活動も存在しますし、詐欺師もいればブラック企業も横行しています。ある意味現実世界よりも厳しい妙なリアルさと隣り合わせの幻想世界はギャップがあって面白いです。
小さくて可愛いリコピンもドロドロの恋愛模様の渦中にあったり、妙に達観したような事を言ったり、我が身可愛さに嘘をついたり、決してピュアではありません。
でもそういう一面もあるというだけで、やっぱりキュートピアは魅力的な幻想世界ですし、リコピンは可愛いです。
何度もギャップを味わう事で、可愛さもダークさもたくさん楽しめます。
・魅力その2、実在の人物ネタ多めのギャグ
この漫画のギャグの多くは実在の人物をネタにしたものです。
最近流行りの人から妙に懐かしい人まで、異世界を舞台にしているとは思えないほど固有人物名が並べられてきます。
パロディーやメタネタを主とするギャグ漫画は多いですが、三次元のパロディーを主とする漫画は結構限られてくると思います。実在の人物をネタにする以上、実在しない二次元のパロディーよりも炎上や批判の可能性が大きく、リスクがあるからでしょうか。
だからこそ物珍しいと言えましょう。
・魅力その3、何故かクセになる天丼ネタ
この漫画、非常に天丼ネタが多いです。
一度使ったネタを二度三度……場合によっては五度くらい使う事も珍しくありません。
非常にしつこいです。
でも不思議と不快感やつまらなさはありません。
むしろ面白いのです。何故か……というのは言葉で説明できる気がしないのでしません。
作者様が笑いのツボを心得ていらっしゃるのでしょう。天丼ネタの使い方がすごく上手いと思います。
何度でも笑えるネタは、すごくお得です。
総評
クセは強いですが、ものすごく面白い漫画です。
ギャグ漫画好きは必見、そうでなくとも是非読んで欲しい一作です。
私的好感度:96/100、オススメ度:99/100